肉を生で食べるのって全部危険なの?

焼肉って美味しいですよね。

 

毎日の献立を考えているお母さんにとっても

お肉の他には野菜を少し切るだけだし

焼肉は値段は張るけど手軽で便利なお料理です。

 

遠くに行っていた家族が揃ったときなんか

焼肉屋さんで食事なんて家庭も多いのでは?

 

 

小さい頃から豚肉はよく焼きなさいと言われてきたので

牛肉は多少生焼けでもいいけど

豚肉は生焼けではいけないものだと思ってました。

 

レストランでステーキのレアを注文すると

表面をあぶっただけのような牛肉が出てきますしね。

 

ところが牛の生肉を食べて食中毒を起こし

死亡した人が出たという事件が起き

何が良くて何が悪いのか分からなくなってしまいました。

 

肉を生で食べるのって危険なのでしょうか?

 

 

 

 

 

豚肉の場合

 

日本では豚肉や豚の内臓の生食用としての販売は禁止されています。

それは豚肉や内臓には次のような様々な病原体がいるからです。

 

E型肝炎ウイルス(ウイルス)

サルモネラ菌(細菌)

カンピロバクター(細菌)

トキソプラズマ(寄生虫)

有鉤(ゆうこう)条虫(寄生虫)

 

名前を聞いただけでも震え上がってしまいそうですね。

細菌は肉の中にはいなくて、腸管内に生息していますが

解体作業のときに肉に付着してしまいます。

 

E型肝炎に感染すると、まれに重篤になる人もいて

死亡してしまうこともあるそうです。

 

これらの病原体はよく加熱することによって死滅してしまいます。

その目安は75℃で1分間(食品安全委員会)とのことです。

 

豚の焼肉で赤身が残っている状態の肉は危険ということですね。

 

 

生ハムの場合

「豚肉の生食がダメなら生ハムはどうなの?」って思いますね。

生ハムは生という字を使っていますが

厳密に言うと生ではありません。

 

通常のプレスハムは塩漬けしたクズ肉を

大豆原料のタンパク質を接着剤としてくっつけ

高圧でプレスしたあと、加熱処理しています。

 

生ハムはそれより濃い塩を使って殺菌し

塩抜きしたあとブランデーなどでさらに消毒、

そのあと7~10日間スモークして作ります。

 

加熱処理はしていませんが

生ハムはこの工程でほぼ全ての病原体が死滅してしまいます。

だからハムも生ハムもそのまま食べて大丈夫なんですね。

 

生ハム

 

 

牛肉の場合

 

基本的に牛は草食性の動物なので寄生虫がいません。

細菌は消化器官やレバーにいるので

お肉の場合は大丈夫ということです。

 

そのため、牛のレバ刺しの販売が禁止になったんです。

 

しかし、解体作業のときに細菌がお肉に付着する可能性は否定できません。

解体設備のしっかりした精肉業者で解体されたお肉か

チェック体制の整った精肉店でお肉を購入することが必要です。

 

数年前に飲食店チェーンで出されたユッケを食べて

食中毒が起きた事件は、腸管性出血性大腸菌

お肉に付着していたのが原因でした。

 

 

鶏肉の場合

 

鶏肉の場合に一番問題になるのは細菌のカンピロバクターです。

一度に多くの鶏を処理するため

消化管にいたカンピロバクターがお肉に付着してしまう可能性が大きいためです。

 

流通している鶏肉の4~6割にカンピロバクターが付着しており

さらに2割の鶏肉からサルモネラ菌が検出され

抗生物質が効かない耐性菌がそのうちの4割を占めた

という調査結果もあります。

 

そして豚よりも肉の内部に菌が生息しているということです。

鶏肉は豚よりもしっかり内部まで加熱しなければならないということです。

 

 

まとめ

 

・豚には細菌や寄生虫がいるので生で食べるのは危険

・牛は寄生虫はいないがお肉に細菌が付着する可能性は否定出来ない

・鶏も豚と同様に細菌や寄生虫の心配がある

・豚や鶏はもちろん、牛もよく火を通したほうが安心

・加熱する目安は75℃で1分間以上

 

レストランのステーキに赤みが残っているのは

細菌が付着しないようキチンと管理された工場で

解体されているからなんですね。

 

自宅で調理するときもそのような管理が大切で

肉を切るのに使った包丁やまな板は殺菌する必要があります。

 

 

私はお肉を切るときは

空になった牛乳パックを乾かして切り開いてまな板の代わりに使い

包丁は熱湯で殺菌しています。

 

ちょっと神経質すぎるかなぁと思いますが

牛乳パックの再利用はまな板にお肉の臭いが移るのも防げて便利です。

 

せっかくおいしい焼肉を食べたあとに

食中毒になってしまっては悲しいですからね。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。