私は身体を動かすことが好きでテニスやジョギング、自転車などを楽しんでいますが、真夏の炎天下でのスポーツはすぐにバテてしまい、「もうちょっと心肺機能が高かったらいいのに」と思います。
アスリートに特有のスポーツ心臓というものがあるらしいんですが、心臓も筋肉でできているからには鍛えれば腹筋や胸筋のように大きくなるんでしょうね。
スポーツ心臓になったら血圧はどれくらいになるんでしょう?
また、心肥大という心臓が大きくなる病気がありますが、心肥大は心不全にもつながる怖い病気です。
スポーツ心臓は心肥大のように寿命に影響を与えてしまう症状なんでしょうか?
スポーツ心臓とは?
スポーツ心臓というのはあくまでも便宜的にそう呼んでいるだけであり、病気ではありません。
筋肉に栄養や酸素を運んでいるのは血液です。
その血液を送り出しているのは心臓であり、日常的に激しい運動を筋肉に課しているアスリートの心臓はその環境に順応するために壁が厚くなり大きくなります。これがスポーツ心臓と呼ばれているものです。
心臓の筋肉が鍛えられて大きくなるわけですね。
そしてスポーツ心臓は運動のタイプによって3つの種類があると言われています。
心室拡張型(有酸素運動型)
マラソンや競歩など有酸素運動をしているときになるタイプです。
有酸素運動では一回の心臓の脈動で送り出される血液の量が多いほど有利なので、心室の容積が増える心室拡張型のスポーツ心臓になります。
心筋肥大型(瞬発型)
ウエイトリフティングなど一気に全身の筋肉が緊張するような運動では、筋肉の緊張に打ち勝って血液を送り出せるように心筋が発達する心筋肥大方のスポーツ心臓になります。
この場合には心室の容積に変化はありません。
複合型
上の二つの性質をあわせ持ったスポーツ心臓です。
山岳自転車やクロスカントリーなどの競技は持久力も必要であり、かつ筋肉に強い負荷がかかることも多いため、心室の容積が多く、心筋も厚くなるタイプのスポーツ心臓になります。
強度なトレーニングに適応するためにスポーツ心臓ができるわけですが、スポーツ心臓を持つのは高度なトレーニングをつんだごく限られた人だけだそうです。
また、スポーツ心臓は日々のトレーニングによってできたものなので、トレーニングを止めてしまったり、負荷を小さくしてしまえば1年から1年半くらいで元の心臓に戻ってしまうそうです。
スポーツ心臓の血圧は?
心筋肥大型や複合型のスポーツ心臓の場合には、心筋が強くなっているのですから血圧が高くなってしまうような気がしますね。
確かに運動中の血圧の上昇は顕著になりますが、それは全身の筋肉が血液を必要としているからで、安静時には自律神経が働いて血圧が高くなるということはありません。
ヒトの身体って本当によくできていますね。
一方、言ってみればスポーツ心臓は心臓の機能が向上しているわけで、一度の脈動でたくさんの血液が送り出されますから、安静時の心拍数は少なくてすみます。
普通の人の心拍数は1分間に60~70くらいなのですが、マラソンのQちゃんこと高橋尚子さんは30台だったそうですよ。
オリンピックで金メダルを取るほどの人の心臓はスゴイですね。
スポーツ心臓は寿命に影響 するのか?
人間の臓器で一番重要だと言えるのが心臓ではないでしょうか?
その心臓に変化が起きたスポーツ心臓は寿命に影響するのではないかと思うのは当然ですね。
スポーツ心臓でも血圧に変化がないとなれば、あと問題になるのは心拍数です。
哺乳類では身体が小さい種族ほど心拍数が多く、ハツカネズミなどは1分間に600回もの心拍数で、ゾウは30回です。
そして身体が小さい種族ほど寿命が短いそうで、ハツカネズミの寿命は2~3年、ゾウは80~100年で、つまり心拍数が少ないほど高寿命ということになります。
その点を考えると心拍数が少ないスポーツ心臓は寿命が長くなると言えそうですね。
実際に1分間の心拍数が50以下の人が死亡率が低いというデータもあるそうです。
でも、一生のうちずっとスポーツ心臓であるわけではないですし、逆にスポーツ心臓を持っていられるのはごく一時期だけです。
そう考えたらスポーツ心臓と寿命の間にはほとんど関連はないと考えられるのではないでしょうか?
ただし、何も運動をしていなかったり、激しいトレーニングを止めて1年以上経つのに心臓が大きい場合は心拡大という病気です。
また、スポーツ心臓でないのに心拍数が少なくなる場合も徐脈性不整脈という病気が疑われます。
いずれも健康診断や人間ドックで発見できますので、このような場合にはしっかりと治療しましょう。
まとめ
- スポーツ心臓とは強度な運動に心臓が適応して大きくなった状態
- スポーツ心臓でも血圧は普通と変わらない
- 心拍数は少なくなる
- スポーツ心臓は寿命にあまり関係ない
- 病気の場合もあるので注意が必要
心臓が激しいトレーニングによって鍛えられるなんて驚きですが、私のような週末プレーヤーには関係なく、日々精進してバテない身体を作るしかないですね。
心臓は一生の間に20億回という気が遠くなるような回数の鼓動を繰り返しています。
持ち主に忠実に鼓動をうち続けてくれる心臓に感謝、感謝ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。