年6場所ある大相撲。
日本の国技でもある大相撲は私も大好きでよくテレビ中継を見ますが、下世話な話ながら気になるのが相撲取りの給料です。
お相撲さんはいったいいくら稼いでいるのか、今回は相撲取りの給料について調べてみました。
相撲取りの給料
相撲取りの収入は大まかに次の三つのものがあります。
- 地位に応じた基本給(月給)・手当
- 成績に応じた報奨金
- 一回限りの優勝賞金・三賞(殊勲賞、敢闘賞、技能賞)・懸賞金などの賞金
順番に見ていきましょう。
基本給
相撲取りの給料は月給制になっていて、その地位に応じて決まっています。
- 横綱:2,820,000円
- 大関:2,347,000円
- 関脇:1,693,000円
- 小結:1,693,000円
- 幕内:1,309,000円
- 十両:1,036,000円
さらに9月と12月に給料の1ヶ月分が賞与として支給されます。
お相撲さんの地位は上から順に、横綱、大関、関脇、小結、前頭、十両、幕下、三段目、序二段、序ノ口となっていますが、幕下以下はこの月給はありません。
これを見ると、十両でも年収1千万円をゆうに超えてますね。
年収1千万円と言えば大企業の部長クラスでしょうか。
角界に入って十両まで上がって行けるのは約1割と言われています。
一般社会と同じくらいの割合ですね。
手当
手当には実にたくさんのものがあります。
◆場所手当
幕下以下の力士には月給は支給されませんが、場所手当が年6回支給されます。
場所手当の額
- 幕下: 150,000円
- 三段目:100,000円
- 序二段: 80,000円
- 序ノ口: 70,000円
また、幕下以下の力士には実際に必要があると認められた者に電車賃が乗車券で支給されます。
◆本場所特別手当
同じように三役以上には本場所特別手当が年6回支給されます。
本場所特別手当の額
- 横綱:200,000円
- 大関:150,000円
- 関脇: 50,000円
- 小結: 50,000円
◆力士補助金
1月、5月、9月の各場所ごとに、髪結いの補助金として十両以上に支給されます。
金額は一律一回25,000円です。
十両以上にしか支給されないのは、十両以上でないと大銀杏を結えないからです。
◆出張手当
出張手当は本場所以外の3月、7月、11月の各場所ごとに35日分支給されます。
出張手当の額
- 横綱:宿泊費8,000円・日当3,000円
- 大関:宿泊費7,500円・日当2,000円
- 関脇:宿泊費6,500円・日当1,600円
- 小結:宿泊費6,500円・日当1,600円
- 平幕:宿泊費5,700円・日当1,400円
- 十両:宿泊費5,300円・日当1,200円
(平幕は前頭のことです。)
報奨金
奨励金も多くの種類があります。
◆力士褒賞金
力士の地位と成績に応じた報奨金で、本場所ごとに支払われるものです。
力士の地位によって最低金額が決められていて、勝ち越し1勝につき50銭が加算されます。
力士褒賞金の最低金額
- 横綱:150円
- 大関:100円
- 幕内: 60円
- 十両: 40円
- 幕下以下:3円
めちゃくちゃ安い金額のように思われますが、実際はこの金額を4000倍にしたものが支給され、この力士褒賞金は引退するまで加算され続けます。
幕下以下の力士には力士褒賞金の加算はありますが支給はされません。
なので、力士は何としても十両を目指すわけです。
◎金星特別加算
平幕が横綱を破ることを「金星をあげる」といいますが、この金星を一つ上げるごとに力士褒賞金が10円アップされます。
実際に支給されるのはこの金額を4000倍した額ですから、場所ごとに4万円の収入アップになり、1年6場所では24万円のアップになります。
この金星加算も引退するまでずっと続きます。
◎優勝特別加算
幕内最高優勝をしたときも力士褒賞金がアップされ、その金額は全勝優勝で50円、全勝でない優勝で30円となっています。
10回も優勝すれば、全勝優勝でなくてもそれだけで120万円が場所ごとに入ってくるわけです。
◆勝星奨励金
幕下以下の力士に支給される報奨金で、1勝ごとに支払われます。
勝星奨励金の額
- 幕下: 2,500円
- 三段目: 2,000円
- 序二段以下:1,500円
◆勝ち越し金
こちらも幕下以下の力士に支給されるもので、勝ち越し1勝につき定額が支給されます。
勝ち越し金の額
- 幕下: 6,000円
- 三段目: 4,500円
- 序二段以下:3,500円
一回に限り支給されるもの
◆優勝賞金
本場所の優勝者には階級ごとに次の金額の優勝賞金が与えられます。
- 幕内優勝:1,000万円
- 十両優勝: 200万円
- 幕下優勝: 50万円
- 三段目優勝: 30万円
- 序二段優勝: 20万円
- 序ノ口優勝: 10万円
◆三賞
横綱と大関以外の幕内力士のうちから選出される殊勲賞、敢闘賞、技能賞の三賞の賞金はどれも200万円です。
◆懸賞金
好取組になると企業がスポンサーとなって懸賞金を出します。
懸賞金の額は一本につき62,000円で、その使い道は次のようになっています。
- 相撲協会の手数料:5,300円
- 年度末の税対策:26,700円
- 力士の手取り: 30,000円
税対策として貯金しておいた分が余ればこれも貯金しておいて引退時に精算するそうです。
◆退職金
退職金という名目の支給金はありませんが、それに相当するのが養老金と番付在位に応じた勤続加算金です。
(十両以上で幕内連続20場所または幕内在位25場所以上という条件があり、その条件に満たないものは別規定になります。)
養老金の額
- 横綱:15,000,000円
- 大関:10,000,000円
- 関脇: 7,630,000円
- 小結: 7,630,000円
- 前頭: 7,630,000円
- 十両: 4,750,000円
勤続加算金の額(地位の勤続場所数に乗じる金額)
- 横綱:500,000円
- 大関:400,000円
- 関脇:250,000円
- 小結:250,000円
- 前頭:200,000円
- 十両:150,000円
◆特別功労金
横綱と大関が引退したときには理事会の決定で特別功労金が支給されますが、その金額は一律には決められていません。
2010年に引退した元横綱の朝青龍には、養老金、勤続加算、特別功労金を合わせて3億円が支給されたと言われています。
終わりに
いかがだったでしょうか。
相撲取りの収入の内訳には実に細かい決まりがあって、結構大きな金額をもらっているんですね。
しかし、それは十両以上の力士のこと。
十両と幕下以下では収入に雲泥の差があります。
相撲取りも十両になって初めて一人前の力士として認められ、収入も一気に増えるわけです。
でも、十両まで昇進するのは全体の1割程度です。
やはり厳しい世界ですね。
(今回ご紹介したデータは2017年時点のものです。金額については変更になる可能性もありますのでご了承ください。)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。