日本の国技である相撲。
ひところは人気に翳りがありましたが、最近はまた盛り返していますね。
これも日本人力士の頑張りによるものでしょう。
地元力士や話題の新人力士が勝ち進んでいると、熱い応援を送っちゃいますね。
ところで、相撲ファンの方なら力士のことはよく知っていると思うんですが、行司のことについてあまり知らないという方も多いんではないんでしょうか?
今回は行司の給料や位の種類、仕事の内容についてご紹介します。
行司の位
行司の給料は位によって決まっていますので、位のことから解説します。
相撲の力士の位は知っている方もいると思いますが、上から順に
- 横綱
- 大関
- 関脇
- 小結
- 前頭
- 十両
- 幕下
- 三段目
- 序二段
- 序の口 というふうになっています。
前頭から上位を幕内、大関と関脇と小結をまとめて三役と言っています。
行司もさばく力士の位によっておおまかに決められていて、上から順に
- 立行司・木村庄之助
- 立行司・式守伊之助
- 三役格行司
- 幕内格行司
- 十枚目(十両)格行司
- 幕下格行司
- 三段目格行司
- 序二段格行司
- 序ノ口格行司 となっています。
昇格は年一回で、土俵上の勝負判定や態度、掛け声の良し悪し、後進の指導力などを総合的に判断して決められます。
同じ横綱でも東の横綱のほうが上位になっているように、行司も立行司・木村庄之助が東方に当たり地位は上で、結びの一番を仕切ります。
行司の給料は?
行司の給料は月給制となっていて、その内容は「本棒+手当」に分かれ、手当は個人の能力や勤務状況などによって理事長が決めていて、本棒は日本相撲協会の細則で次のように決められています。
- 立行司:400,000円より500,000円まで
- 三役行司:360,000円より400,000円未満
- 幕内行司:200,000円より360,000円未満
- 十枚目(十両)行司:100,000円より200,000円未満
- 幕下行司:42,000円より100,000円未満
- 三段目行司:29,000円より42,000円未満
- 序二段行司:20,000円より29,000円未満
- 序ノ口行司以下:14,000円より20,000円未満
下の方になるととてもこんな給料ではやっていけない本棒ですがそこは手当でカバーし、初任給は現在(平成29年1月)のところ本棒と手当の合計で140,000円になっています。
行司も格が上がるほど衣装が立派になっていきます。
NHK総合でテレビ中継を見るときにはどの行事さんも立派な衣装を身に着けていますが、BS放送で幕下や三段目の取り組みを見てみると行司は裸足です。
そして行司には次のような基準で衣装代(装束補助費)が支給されています(一場所ごと)。
- 立行司:50,000円
- 三役行司:40,000円
- 幕内行司:30,000円
- 十枚目(十両)行司:25,000円
- 幕下以下行司:20,000円
これらのことを勘案すると、行司の最高年収は立行司で1,000万円くらいというところではないでしょうか?
こんなにあった!行司の仕事
みなさんは行司の仕事は取り組みを仕切るだけ、と思っていませんか?
実は行司さんはそのほかにもいっぱい仕事をしているんですよ。
場内放送
相撲の取り組みの前には、「東方、横綱・白鳳、モンゴル・ウランバートル出身、宮城野部屋、西方、横綱・日馬富士、モンゴル・ゴビアルタイ出身、伊勢ヶ濱部屋、呼び出しは拓郎、今場所最後の取り組みであります。」という場内放送がかかりますね。
聞きやすく勝負の興奮を高めてくれるあの放送は、相撲協会に所属しているプロのアナウンサーがやっているものばかりと思ってましたが、実はあの放送は行司が二人一組で担当しているんです。
迷子の案内などの場内放送もすべて行司が行っているんですよ。
プロ野球なら球場のウグイス嬢が放送しているんですが、ちょっと驚きですね。
地方巡業の手配
本場所のない偶数月には地方巡業が行われ、本場所が行われない地方都市に住んでいる相撲ファンの方々の楽しみになっています。
プロ野球でも遠征があり、その時の選手の移動手段や宿の確保は球団職員が行っていますが、相撲の地方巡業の場合にはそれを行司がやっています。
これはプロ野球の審判が審判部に所属しているのとは違い、行司が相撲部屋に所属しているからなんです。
従って、地方巡業のときには行司は自分の部屋の力士の移動手段と宿の手配を行っているんです。
番付編成会議・取組編成会議の書記役
番付を決める番付編成会議(千秋楽終了後の次の水曜日開催)、取組を決める取組編成会議に、発言権はないものの書記役として参加します。
番付表の作成
みなさんの中には下にいくほど細かくビッチリと書かれた番付表を見たことがある人もいると思います。
相撲字と言われる独特の書体で書かれたあの番付表も行司が書いています。
下の方になるともう虫眼鏡がないと読めませんね。
これだけビッシリと書かれているのは、お客さんがビッシリと入るようにとの願いが込めれているそうですが、まさに職人技です。
すべての行司が担当しているわけではありませんが、行司になるには筆も立たないといけないんですね。
終わりに
力士には恵まれた体格がないとなれません。
そうでない人が何とか相撲に関わる仕事がしたいと思って行司を志すのかもしれません。
しかし、行司の人数は当分の間は45人と決まっていて狭き門であり、新規採用されたとしても3年間もの見習い養成期間があるという厳しい世界です。
今度大相撲を観戦するときにはそんな厳しい世界に飛び込んだ行司さんに注目して見ると、また違った面白さが味わえるかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。