夢には心理って関係してるの?何度も似た悪夢を見るのは何故?

あなたはよく夢を見ますか?

夢って何年も思い出したことのないような人が登場してきたり、突然遠くの場所に移動してしまったりと支離滅裂で不思議なんですけど、楽しいですよね。

私は朝起きて夢を覚えていたら、内容をノートに書いているんですけど、あとからノートを読んでもどんな夢だったのかさっぱり思い出せません。

実体験ではないから当たり前なんでしょうね。

初恋の人が昔のままの姿で登場したり、もう死んでしまった人と話していたりと、夢って本当に不思議です。

でもどうして夢を見るんでしょうか?

そして夢はその人の心理を反映しているっていいますけど、本当なのでしょうか?

夢は単なる記憶の断片?

精神科医のジークムント・フロイトは、「夢は願望を満たすため」であると主張しました。

このことは誰でも一度は聞いたことがあるのではないかと思いますが、自分がこうありたい、他の人にこうしてほしいということが夢として現れるという説です。

確かに夢の中で好きな人とデートしたり、欲しかった物を手に入れていたりと、願いが叶った夢を見ることもあるんですが、そんな夢ばかりではないですよね。

だって自分が死んでしまったり、誰かに刃物で刺されてしまったりする夢も見ますからね。

フロイトは「それすらも願望だ」と言ってますが、そんなことはないですよね。

最近の脳科学の研究によって、夢のことについて徐々に分かってきました。

 

夢

眠っている間に脳は記憶(情報)を整理している

人間は眠らないと生きていけません。

眠ることで活動を抑え、心拍数や呼吸数を減らすなどして身体の各器官を休ませています。

活動が抑えられることで、その活動をコントロールしている脳の負担も減り、このときに脳は記憶(情報)を整理しているのだと考えられています。

つまり重要な記憶とそうでない記憶を判別して、必要のない記憶を削除してしまっているということです。

コンピューターにいろんなソフトをダウンロードしたり、ドキュメントを記憶させたりして容量が一杯になってしまってコンピューターが作動しなくなるのを防ぐために、時々不要なファイルやソフトを削除するのと同じですね。

一説によると、人は前日に起きたことの70%近くを忘れているそうです。

 

忘却

記憶を消去する神経がある

最近の研究によると、記憶を消去している神経があるということがわかってきました。

その神経とは視床下部にあるMCH神経(メラニン凝集ホルモン産生神経)で、この神経はもともと食欲を調節する神経だと思われていました。

ところがマウスによる実験で、レム睡眠中にこの神経がオンになったときにマウスは前に見たものを忘れてしまっていたということです。

このことから、MCH神経は夢をすぐ忘れる原因のひとつではないかと考えられています。

そして、このレポートを発表したのが日本の教授(名古屋大学・山中教授)だということが日本人として誇らしいですね。

夢は記憶を整理しているときの副産物

脳は眠っているときに記憶を整理するために、その日の出来事を断片的に思い出します。

脳は物事を秩序付けて理解しようとするので、その出来事を整理しようとするときに出来事とそのとき脳にしまわれていた過去の記憶を適当に結びつけてストーリーを作ってしまうのだそうです。

夢の内容が支離滅裂、奇想天外なものになってしまうのはこういう理由があるからで、言ってみれば、夢は脳が記憶を整理するときに現れる副産物というかノイズのようなものだと言う人もいます。

だから夢の内容を気にして、深層心理がどうだとか一喜一憂することは意味がないのだとも言われています。

何度も似たような悪夢を見るのは?

そうは言っても、いわゆる悪夢を見てしまったときには気になります。

悪夢

悪夢もたまに見るくらいなら気にする必要はありませんが、何かに追いかけられたり、襲われそうになる同じような内容の悪夢を長期間に渡って頻繁に見ているときには注意が必要です。

というのは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)が背景となって悪夢を見てしまうことがあるからです。

心的外傷後ストレス障害は強いストレス障害で、うつ病や不安症などを引き起こしたりします。

同じような内容の悪夢を何度も見るようなら、心療内科や精神科で診てもらったほうがいいでしょう。

Sponsored Link

夢と心理

夢は収集した情報の断片だとか、記憶を整理しているときの副産物だとすると、夢と心理の間にはあまり関係がないように思われます。

しかし人の深層心理なんてわからないものですし、今まで多くの研究者が多くの時間を費やして夢の研究をしてきたのに、まだまだわからないことだらけです。

夢が心理を反映しているのかどうかもまだ謎です。

でも、夢によって重大な発見をした人も多くいますし、私としては夢には意味があると思いたい。

みなさんもそうなのではないですか?

よく夢を見るのも要注意

「昨日は夢を見なかったなぁ」という人がいますがこれは間違いで、人は眠っていれば必ず夢を見ていて、見なかったというのは、その夢を覚えていないだけです。

人の睡眠は大きくレム睡眠(Rapid eye movement sleep)とノンレム睡眠(Non-rapid eye movement sleep)の二つに分類されます。

ここではレム睡眠は浅い睡眠、ノンレム睡眠は深い睡眠と理解しておけばいいでしょう。

(レム睡眠とノンレム睡眠の詳細についてはコチラ→睡眠時間は何時間がベスト?知っておくべき睡眠時間の知識

レム睡眠のときにはまだ脳が活発に記憶の整理をしていて、ストーリー性のある夢を見るのに対し、ノンレム睡眠のときの夢はストーリー性のない静止画のような夢だと言われています。

レム睡眠のときは眼球が急速に動いていて、これは脳内に作った画像を目で追っているからだと考えられています。

見た夢を覚えているのはレム睡眠のときに見た夢で、ノンレム睡眠のときに見た夢を覚えていることはほとんどありません。

逆に言えば、よく夢を見るのはレム睡眠、つまり浅い睡眠が多いということになり、深い睡眠が取れていないわけなので、熟睡できるように工夫しなければいけないことになります。

スマホやパソコンの画面のブルーライトは熟睡のためには良くないので、寝る前はほどほどにしないといけませんね。

まとめ

  • 夢は単なる記憶の断片にストーリー性を持たせただけのもの
  • レム睡眠のときに記憶を消去している神経がある
  • 心的ストレスが大きいときには長期間悪夢を見続けることもある
  • 夢をよく見るのは熟睡できていないから

夢は記憶の断片をもとにして脳が作るひとつのストーリーで、どう進むか分からないストーリーには興味津々ですね。

どうしてこんなことが起きるのかはまだ謎ですが、「今日はどんな夢を見るのかな?」と寝る前に期待してしまいませんか?

研究によると、夢を見ていて「あ、これは夢だな」と理解している人もいるそうで、さらに研究が進めば見たい夢を見られる時代がくるかもしれません。

そうなるといいですね。

だって、イヤなことがあっても寝てしまえばいいんですから。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。