暑い日のお風呂あがりに飲むビールは格別ですね。
私はお酒には弱い方ですが、あまりの美味さに酔いが回るまえにゴクゴクと飲んでしまい、それからはテレビを見ながら熟睡なんてこともよくあります。
でも困ったことに、そのあと身体中が痒くなってしまうんです。
特に背中からお尻にかけて大きめの湿疹のようなブツブツができて、ものすごく痒くなります。
湿疹と言えばアレルギーを思い起こすんですけど、アルコールを飲んで身体が痒くなるのもアレルギーなんでしょうか?
そして、この痒みを止めるにはどうすればいいのでしょうか?
今回はそんなところを調べてみました。
アルコールアレルギーの症状は?
アレルギーを引き起こすアレルゲンには花粉やダニやペットの毛などがあり、食べ物でもそば、玉子、小麦など実に多くのものがアレルゲンとして存在し、なかには「こんなものも?」と思えるようなコーヒーやお茶でもアレルギーを起こす人もいます。
まさに身の回りにあるすべてのものがアレルギーを引き起こす可能性があるんですね。
アルコールも例外ではなく、一説によると日本人にはアルコールを摂取することでアレルギー反応を起こしてしまう人が何と約50%もいるそうです。
アルコールがアレルゲンとして騒がれないのは、アルコールを摂取したあとの動悸や頭痛がアルコールに弱いためか、アレルギーによるものなのかはっきりしないためです。
アルコールによるアレルギーの主な症状には
- 身体の痒み
- 下痢や嘔吐
- アルコールが触れたところが炎症を起こす
- 喘息 などがあります。
順番に見ていきましょう。
アルコールアレルギーの症状
身体の痒み
アルコールアレルギーで痒みの原因となるのは、アルコールが肝臓で分解される際に生まれるアセトアルデヒドという物質です。
アセトアルデヒドは分解されないと脂肪細胞を刺激し、アレルギーを引き起こすヒスタミンという物質を放出させ、このヒスタミンが痒みを感じさせるのです。
アルコールによって増えた血流に乗ってヒスタミンが全身に巡り、痒みを感じるようになるというわけです。
いわゆるお酒に弱いという人はアセトアルデヒドを分解する能力が弱く、ヒスタミンが多く放出されてしまうために身体の痒みを感じやすくなります。
乾燥肌の人も少しの刺激で痒くなりがちなので、アルコールアレルギーによる痒みが起きやすいと言えます。
下痢や嘔吐
人間にはもともとウイルスや細菌を異物として認識して排除しようとする自己免疫機能が働いていて、風邪の時に咳や痰が出るのも自己免疫機能のおかげです。
この自己免疫機能に異常が生じ、特定の物質に過剰に反応してしまうのがアレルギーで、その特定の物質がアルコールだった場合にアルコールアレルギーになります。
口にしてしまったアルコールを体外に排出しようとして、それが下痢や嘔吐につながります。
アルコールが触れたところが炎症を起こす
注射を打つ前に消毒のためにアルコールで拭いたところが赤くなってしまう人がいますが、これもアルコールによるアレルギー反応です。
化粧品にはアルコールが含まれているものもありますので、アルコールアレルギーのある人は化粧品の成分に十分気をつける必要があります。
喘息
日本人は体質的にアセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素が少ないと言われていて、ヒスタミンが多く分泌される体質のようです。
ヒスタミンは身体に痒みを感じさせる作用のほかに、気道を狭くしてしまう働きを持っていて、気道が狭くなってしまった結果、喘息の発作が起こります。
またアルコール飲料の原料にも注意が必要で、ビールなら麦、そば焼酎ならそばのアレルギーがある人はその原料によっても喘息発作が起きることがあります。
アルコール飲料を作る時の酵母はカビの一種なので、カビにアレルギーがある人も同じです。
アルコールアレルギーの症状を治すには
根本的にアルコールアレルギーを治す手段はないと思ったほうが良さそうです。
それは人が持っているアセトアルデヒド脱水素酵素の量は先天的に決まっていて、その量を後天的に増やすことは不可能だからだそうです。
「お酒は訓練すれば強くなる」と言われていますがこれは間違った考え方で、アルコール分解酵素やアセトアルデヒド脱水素酵素の量は個人によって決まっているため、たくさん飲んだからといってその量が増えるわけではありません。
しかし、アルコールアレルギーの症状によってはその症状を緩和する方法や予防する方法はあります。
身体の痒みを緩和するには?
アルコール飲料を飲んだあとには、血の巡りがよくなって身体がカッカしてきますね。
血流量が増え、その血液に乗ってヒスタミンが身体を巡って痒くなるわけなので、血管を収縮させて血流量を減らせば痒みも少なくなります。
- 扇風機の風を当てる
- 冷たいシャワーで身体を冷やす
- 室温を下げて安静にする
このような方法で身体を冷やせば血流量が減り、痒みも少なくなります。
アルコールアレルギーを予防するには?
アルコールアレルギーを予防する一番の方法はアルコールを摂らないことですが、でもお酒が好きな人にはそれではあまりにもツラいですよね。
要はアルコールの影響を出来るだけ少なくすればいいということになるので、それには次のような方法があります。(お酒の美味しさは減るかもしれませんが。)
- 空腹時に飲酒しない
- 飲酒前に牛乳を飲んで胃壁を保護する
- お酒を飲むときに水やお茶も一緒に飲む
- アレルゲンが材料のお酒は避ける
- アルコール入りのお菓子も避ける
- 化粧品はノンアルコールのものを使う
これらのことに気をつけていれば、アルコールアレルギーの人でもそのアレルギー反応を少なくすることができます。
ただし、大量に飲んでしまえば元も子もなくなってしまいますよ。
まとめ
アルコールが原因でアレルギーになるなんて意外でした。
でも、日本人の主食であるお米でもアレルギーを起こす人がいることを考えれば不思議ではないですね。
アルコールアレルギーがそれほど知られていないのは、アルコールを飲んだ時の反応がアルコールの作用なのか、アレルギー反応なのかはっきりと判別できないためです。
アルコールを飲んだ時だけでなく、アルコールが皮膚についたときに肌が赤くなるなどの症状が出たときはアルコールアレルギーである可能性が高いと言えます。
おかしいなと感じたら、医療機関でパッチテストを受けてみることをおすすめします。
私はやはりアセトアルデヒド脱水素酵素が少ないということでしたが、でもお酒を飲むのをやめる気にはなってません。
身体が痒くなったら冷たいシャワーを浴びてます。頭もスッキリして気分いいですよ~。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。