日本では昔から季節を現すために二十四節気というものを使っています。
その中のひとつである立秋は、暑中見舞いを出す期限でそれ以降は残暑見舞いだと覚えています。
立秋ともなると、「もう夏は終わりか」という感じを受けてしまいますが、立秋ってまだ暑いときにやってきますし、年によって日付が違いますね。
ここでは2018年の立秋はいつなのか、どうして季節感が違うのかについて調べたことをご紹介します。
2018年の立秋はいつ?
ズバリ、2018年の立秋は8月7日(火曜日)です。
立秋というのは、「太陽の中心が黄経(こうけい)135度を通過する日」と決められています。
(立秋には他にも「立秋の日から次の二十四節気である処暑の前日まで」という期間の意味もありますが、ここでの問題は「立秋の日はいつか?」ということなので、日にちのことだけ扱います。)
ん~、難しいですね。
そして黄経は「太陽が天球(宇宙を見かけ上において球としたもの)上を通る経路を春分点をゼロとして分割した座標」のことだとされています。
これでも何を言っているのかよく分かりませんね。
理解しやすい図を見つけましたので貼り付けておきます。
(参照:http://macckey.com/)
地球が太陽の周りを回っているというのが常識なので、逆の見方をするのは慣れないものですが、図にすると分かりやすいですね。
2018年にこの太陽の中心が黄経135度を通過するときは8月7日の22時(正確には22時31分)になります。
従って2018年の立秋は8月7日になるというわけです。
1年は365日なのですが、皆さんご存知のように地球が太陽の周りを回るのはきっちり365日ではなく、365日と6時間ほどかかります。
このため黄経の基準点である春分点が毎年少しづつずれ、それとともに立秋も少しづつずれていきます。
ずれたまま放っておくとそれが蓄積して何日も違ってしまいますが、4年に一度のうるう年を設けることでそれが修正されています。
なぜ季節感が違う?
「秋が立つ」と書いて立秋と読ませているわけですので、立秋は秋が始まるころと解釈しますよね。
でも一年で一番暑いときは7月の終わりから8月の初めにかけてで、盛夏とも言える8月7日が立秋なんておかしいんじゃないの?って思ってしまいます。
立秋や夏至、冬至などにしても一ヶ月くらい季節感が早いような気がします。
この季節感のズレは二十四節気が生まれた背景にあるようです。
二十四節気は古代中国の黄河中流域のいわゆる内陸部で生まれ、そこでは1年で一番暑いのは夏至を過ぎたあたりで、1日の最高気温が下がり始めるのも立秋を過ぎたころからです。
気温の変動と二十四節気はほぼ一致しているわけで、そしてその二十四節気がそのまま島国の日本に伝わりました。
四方を海で囲まれた日本の気温は海水温の影響を受けやすく、海水温の比熱のために気温の変化が遅れます。
そのため、同じ時期でも二十四節気の季節感、つまり中国の内陸部と日本では季節感は違って当然ということになります。
日本での二十四節気が季節感を取り入れた中国のものより一ヶ月遅れたものになったたらよかったのに、と思ってしまいますね。
でも見方を変えれば、日本での立秋は一年で最も暑い時期、つまりもうこれ以上暑くはならない時期でこれからはもう涼しくなるばかり。
ということは、もう秋が始まっていると考えられるということではないのでしょうか?
立秋の日の決め方
上記のように立秋の日は太陽の中心が黄経135度を通過する瞬間を含む日なんですけど、そのときは年によって違い、今年は8月7日でした。
それでは立秋の日は年ごとに調べなくてはわからないのでしょうか?
地球が太陽の周りを回る周期も分かっていて、うるう年で1日増やす年も分かっているので立秋の日を割り出すことができます。
◆立秋の日の求め方
- ~2039年まで
西暦年を4で割って余りが3のとき⇒8月8日
それ以外のとき⇒8月7日 - 2040年~2071年まで⇒すべて8月7日
- 2072年~2099年まで
西暦年が4で割り切れるとき⇒8月6日
それ以外のとき⇒8月7日 - 2100年~2127年まで
西暦年を4で割って余りが0か1のとき⇒8月7日
それ以外のとき⇒8月8日
こうしてみると立秋は8月7日のことが圧倒的に多いですね。
最近の日本で8月7日以外の日が立秋だったのは2015年と2011年で、グリニッジ標準時では1991年まで遡らないとありません。
逆に、次に立秋が8月7日にならないのは来年、2019年です。
二十四節気と七十二候
夏至や立秋などの二十四節気はみなさん聞いたことがあると思いますが、七十二候(しちじゅうにこう)というものをご存じですか?
七十二候は二十四節気をさらに三つに細かく分けて季節を表したもので、立秋の期間には次のような七十二候があります。
- 初候(第1候) 涼風至(すずかぜいたる) 2018年は8月7日
意味・・・涼しい風が吹き始めるころ。
- 次候(第2候) 寒蝉鳴(ひぐらしなく) 2018年は8月13日
意味・・・ひぐらしが鳴き始めるころ。
- 末候(第3候) 蒙霧升降(ふかききりまとう) 2018年は8月18日
意味・・・深い霧が立ち込めるころ。
中国人にもけっこう細やかな神経があったんですね。
二十四節気は中国からそのまま日本に持ち込まれ、七十二候は日本でいくつかの変更を受けて今に至っています。
日本の気候に合っているという点では七十二候のほうが正確かもしれませんが、あまりに細かすぎてちょっと現実的ではないのかもしれませんね。
まとめ
- 2018年の立秋は8月7日。
- 季節感が違うのは二十四節気が日本と気候が違う中国内陸部で作られたから。
- 立秋の日は西暦年で計算から導き出せる。
- 立秋の期間にはさらに三つの候がある。
日本は季節感がはっきりしていて四季折々の風情が楽しめる素晴らしい国ですね。
私の住んでいるところはかって日本最高気温を記録したところの近くで夏はものすごく暑く、その半面、冬は氷点下10度にまで気温が下がることもあります。
暑いのは大好きなんですけど、冬の寒さは大の苦手です。
日本で一番暑い頃にやってくる立秋ですが、もうこれ以上暑くなることはないと思えばどこかホッとします。
地球温暖化やヒートアイランド現象でますます暑くなっているような気がする日本の夏。
真夏になると立秋という言葉が恋しくなる反面、夏が終るのが淋しいと感じるのは私だけでしょうか?
それにしても二十四節気がなかったら、季節感はもっと味気ないものになっていたでしょう。
古代中国人の感性に感謝ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。