溶連菌は大人にも感染する!感染経路や潜伏期間は?

寒い時期には風邪やインフルエンザが心配ですね。

そして、この時期に発熱や喉の痛みが出て、風邪やインフルエンザと紛らわしいのが溶連菌感染症です。

風邪と診断され、治療を続けていてもなかなか微熱が下がらないので、咽頭粘膜を調べたら溶連菌感染症だったということもままあります。

「溶連菌感染症って子供がかかるやつね」と思いがちですが、大人でも安心できませんよ。

今回は溶連菌感染症について、症状や感染経路、予防や治療法などについてご紹介します。

 

 

 

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症は子供がかかりやすいので、お母さんには馴染みのある病名かも知れません。

溶連菌というのは「血性鎖球」のことで、一言で言えばバイ菌の一種ですね。

溶連菌にはほとんど害のないものもありますが、感染して発熱や喉の痛みを起こすものがA群β型溶連菌と言われているもので、数十種類もあると言われています。

どんな病気も身体の免疫力が低下しているときにかかりやすいので、溶連菌感染症も免疫力が低い子供がかかりやすいわけです。

実際、60~70%の子供が溶連菌感染症にかかった経験があるそうです。

しかし、大人も油断はできませんよ。
疲れたり、ストレスが溜まっていたりして免疫力が落ちていると溶連菌に感染してしましまうからです。

 

溶連菌感染症の症状

 

発熱

 

溶連菌感染症の症状としては次のようなものが挙げられます。

  • 突発的な高熱
  • 喉の痛みや腫れ
  • 嘔吐
  • 頭痛
  • 体中に発疹ができる
  • 舌にブツブツができる(イチゴ舌)  など

初期には熱が出たり喉が痛くなるので風邪と間違えやすいのですが、咳や鼻水が出ることはほとんどありません。

また、すべての人に発疹やイチゴ舌が現れるわけでもありません。

大人の場合にも同じような症状が出ますが子供よりも軽いことが多く、溶連菌感染症と気づかないまま治ってしまうこともあります。

 

合併症

溶連菌感染症の怖いところは合併症が起きることがあることです。

溶連菌感染症の合併症には次のようなものがあります。

  • リウマチ熱
  • しょうこう熱
  • 中耳炎
  • 副鼻腔炎
  • 急性腎炎   など

溶連菌は表面を人の内臓のタンパク質と似たもので覆い、それを攻撃ししようとした自己免疫機能が間違って自分自身を攻撃してしまい、リウマチ熱腎炎などを併発してしまうことがあります。

大人の場合、症状が軽いため放置していたらいつの間にかリウマチ熱を発症してしまったというケースも多々あります。

リウマチ熱の発症率は溶連菌感染者の2~3%と低いものの、心筋にまで炎症を引き起こす重大な病気であり治療も長引くので、溶連菌感染症が疑われたら早めの医療機関の受診が重要です。

 

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溶連菌感染症の感染経路と予防

溶連菌感染症の感染経路は

  • 飛沫感染
  • 経口感染

この2種類です。

 

溶連菌感染症の予防

  • うがい
  • 手洗い
  • マスク

他の感染症と同じですが、家族に溶連菌感染者が出た場合は抗生剤の服用も有効です。

 

 

マスク

 

 

感染力はかかり始めが一番強く、その感染率は兄弟間で約25%、親子間で約20%もあるとされ、家族に溶連菌感染症にかかってしまったら、同じ食器を使うのは避け十分に消毒するようします。

また、溶連菌感染症は寒い時だけではなく、春から夏にかけても流行のピークがあるので注意が必要です。

 

溶連菌感染症の潜伏期間

溶連菌感染症は感染するとすぐに症状が現れるわけではなく。通常は感染してから2~5日の潜伏期間を経て症状が現れます。

ただ、免疫力が低下しているときにはもっと早く症状が現れることもあります。

家族のうちの誰かが溶連菌感染症にかかった場合には、発症するまでに溶連菌をばら撒いていますので、家族全員の医療機関での検査をおすすめします。検査は10分ほどで結果が出ます。

 

溶連菌感染症の治療法

幸いなことに溶連菌には抗生物質がよく効きます。

医療機関で処方されたペニシリン系あるいはマクロライド系の抗生剤を、溶連菌が根絶するまで飲み続けます。

  • 半日~1日で他人への感染力がなくなる
  • 2~3日で熱や喉の痛みの症状が治まる

このようにお薬の効果は比較的早く現れますが、溶連菌を完全に殺菌するためには10~14日間くらい服用を続けます。

溶連菌がまだいるうちは、再発や合併症が心配されるからです。

お薬を飲み終わって2週間ほどしたら再度医療機関で尿の検査を受け、この検査で溶連菌感染症が完治したかどうかを判断します。

 

最後に

溶連菌感染症は一度かかると免疫ができて同じタイプの溶連菌には感染しなくなります。

感染症を引き起こす溶連菌は5つのタイプがあるとされ、5回を超えて溶連菌感染症にかかることはないとされています。

大人が溶連菌感染症にかかりにくいと言われているのは、子供の頃に何回も溶連菌感染症にかかったからかもしれませんね。

でも、かかったことのあるタイプじゃない溶連菌感染症が流行りだしたら免疫がないので危険ですよね。

自分がどのタイプの溶連菌感染症にかかったことがあるかなんて分かりませんから、家族や周りの人の誰かが溶連菌感染症だと診断されたら、医療機関での診察を受けることをおすすめします。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。