神社や仏閣が大好きな私は、旅行に行ったときなどその地にあるお寺や神社によくお参りします。
深い知識はないんですが、日本で一番の神社といったら伊勢神宮でお寺は永平寺だと思っています。
伊勢神宮は何度も行ったことはあるんですが、永平寺は行ったことがなく一度は訪れてみたい場所です。
でも永平寺は秘密のヴェールに包まれているようですよね。
特に永平寺での修行は厳しいと聞いていて、ちょっと近寄りがたい感じも持っています。
そこで今回は永平寺の修行について調べてみました。
友人の住職から聞いた話もありますよ。
一般の方の修行
永平寺ではお坊さんになる人の修行だけでなく、一般の方が修行を体験することもでき、一泊二日の参籠(さんろう)と、三泊四日の参禅の二つの修行体験があります。
参籠
一泊二日と言っても永平寺に入るのは午後2時から午後4時までの間です。
受付を済ませて滞在中の作法やスケジュールの説明を受け、入浴から修行が開始されます。
第一日目
16:00 入浴
17:30 薬石(夕食)
18:50 座禅・法話・映画
21:00 開枕(消灯)
第二日目
3:20 起床
3:50 座禅
5:00 朝課(朝のおつとめ)
6:00 永平寺内の拝観
7:00 小食(朝食) その後下山
(冬期は起床時間が最大1時間ほど遅くなります。)
食事は精進料理ではありますが、雲水と呼ばれる修行僧の質素な食事とは違ってごはん以外の副食は十分にあります。
また、食事をしたお椀を自分で洗うこともありません。
基本的に自室以外では私語は禁止なのですが、参籠に来られる人は、お客様という扱いのようですね。
料金
- 中学生以上:8,000円
- 小学生:5,000円
- 幼児:無料(食事不要の場合)
参禅
永平寺には午後2時までに入ることが必要で、遅れると翌日の扱いになります。
また、14歳以下の人は参加できません。
日課
3:30 起床
3:50 暁天(きょうてん)座禅
5:00 朝課
7:00 小食(朝食)
8:30 作務(掃除などの作業)
10:00 座禅
11:00 日中(昼の勤行)
12:00 行鉢 中食(昼食)
13:00 作務
14:00 座禅
16:00 晩課(夜の勤行)
17:00 薬石(夕食)
19:00 夜坐(夜の座禅)
21:00 開枕(かいちん・就寝すること)
(冬期は起床時間が最大1時間ほど遅くなります。)
料金
- 三泊四日(八食):20,000円
最終日はだいたい午前10時頃下山になります。
参禅のときにいただく食事は雲水と同じものです。
1日に5時間も座禅の時間があり、ひたすら座るのが参禅です。
食事の時ももちろん座禅です。
「自分は何者なのか?」「何のために座るのか?」など一切考えないで「ただ座る」ことが大切なのです。
それこそが瞑想の本質です。
これってニサルガダッタ・マハラジの「ただそこにいるだけ」という心境と同じなのではないでしょうか?
聖人君子はみな同じ境地に達するんですね。
参籠も参禅も電話での申込みしか受付していません。
詳しくは大本山永平寺不況係(0776-63-4361)まで問い合わせてみて下さい。
雲水の修行
雲水の修行は永平寺の山門をくぐる時から始まります。
毎年2月下旬から4月上旬の間に、予め願書を提出して許可を受けた雲水の志願者が訪れます。
指定された日に雲水の志願者は地蔵院に泊まって準備をして、翌日山門に集まり修行したい旨を伝えるわけですが、まずそこで断られます。
そして何時間も待たされたあと、やっと修行が許されます。
時期によっては凍てつくような寒さの中で、何時間も立ったまま待たなければなりません。
「日常のすべてが修行の場」という永平寺の精神そのままに、待つことも修行ということなんです。
雲水の修行も参禅の日課とほとんど同じです。
参禅は三泊四日という短い期間なので何とか耐えられますが、雲水の修行は半年、1年、もっと長いこともあり厳しいものです。
なかでもキツイのが食事で、朝は玄米のおかゆと香の物とごま塩だけ。
もちろん食事のとり方にも厳しい作法があります。
昼は麦入りの白米と味噌汁に香の物とお菜。
夜は昼にもう一品お菜がつくという質素なもの。
もちろん精進料理なので肉や魚は一切なし。
こんな食事を長期間続けていたら栄養不足になってしまいます。
我が家の菩提寺の住職も永平寺で修行しているとき、栄養不足から脚気になり帰ってきてしまいました。
永平寺では食事を食べる作法、歩き方に立ち方、お風呂に入る作法、寝る作法までありとあらゆる永平寺の作法を叩きこまれます。
雲水には指導係の僧侶がいるわけですが、なかには自分より若い僧侶に指導を受けることもあります。
これは数年前に晋山式をすませて住職になった友人から聞いたのですが、雲水の中には元暴力団員のような刺青を入れた人がいて、そんな人は指導係のかっこうのやり玉に上がるそうです。
自分より若い僧侶に怒られ、叩かれても文句も言えず、ブチ切れてついに永平寺を飛び出してしまうこともあるそうです。
また、永平寺では上下関係が厳しく、一日でも早く入山した人は目上の人となり、目上の人の目を見ることは許されないそうです。
そのほかにも永平寺には
・「はい」と「いいえ」以外は喋ってはいけない。
・喋る必要があるときは合掌して待ち、上の人が許さなければダメ。
・音を立ててはいけない。
など、とても厳しいしきたりがあるのだと言ってました。
こんな厳しいところで一年間も修行した友人は立派なものです。
私なら一週間も持たないでしょうね。
まとめ
・雲水の修行は参禅の日課とほぼ同じだが、食事が極めて質素で、きびしいしきたりに逃げ出す人もいる。
厳しい永平寺の修行を終えて師寮寺(師匠がいる寺)に戻るお坊さん。
永平寺でのことを忘れずに人格者と言われる人になって欲しいものです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。