肺炎ってうつるの?症状や予防法は?

最近、テレビで「65歳になったら肺炎予防のワクチン接種を」という
コマーシャルだか啓蒙活動だか分からない放送がよく流れてますね。

肺炎が重篤化すると、文字通り「肺に炎症が起きた」ために
呼吸に支障を来たし、生命を維持するだけの酸素が不足して
その結果、死んでしまいます。

私の妻の両親も死因は二人とも肺炎で
肺炎は日本人の死亡原因の第4位です。

ここで気になるのは、それより上位の死亡原因である
悪性新生物(がん)や脳心血管系の病気は人にうつりませんが
肺炎は人にうつるかどうかということです。

肺に入った空気は少なからず外に還るので心配になります。

肺炎は人にうつるのでしょうか?
また、肺炎になったときの症状や
肺炎を予防するにはどんな方法があるのでしょう?

 

 

 

 

 

肺炎にはうつるものとうつりにくいものがある

一口に肺炎と言ってもいろんな種類があります。
肺炎は細菌やウイルスなどの病原性微生物が肺に侵入して
肺が炎症を起こしている状態です。

そして、その原因によってうつる肺炎とうつりにくい肺炎があります。

 

うつる肺炎

細菌やウイルスを吸い込んで感染する肺炎はうつる肺炎です。

 

細菌性肺炎

 原因菌となるもの

  • インフルエンザ菌
  • 大腸菌
  • 黄色ブドウ球菌
  • モラクセラ
  • レジオネラ菌
  • マイコプラズマ
  • 肺炎球菌
  • MARS(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)

 

ウイルス性肺炎

 原因となるウイルス

  • インフルエンザウィルス
  • パラインフルエンザウイルス
  • RSウイルス
  • アデノウイルス
  • SARS(重症急性呼吸器症候群)

 

このほかにも以前はカリニ肺炎と呼ばれていたニューモシスチス肺炎
寄生虫による肺炎などがあります。

 

うつりにくい肺炎

風邪をこじらせたことによる肺炎や
高齢者に多い誤嚥性肺炎はうつりにくい肺炎です。

このほかにも、薬やサプリメントの服用で発生する薬剤性肺炎
放射線を肺に浴びたことによる放射線肺炎などがあります。

また、アレルギーによって起こる過敏性肺炎もうつりにくい肺炎のひとつです。

 

 

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肺炎の症状

 

肺炎の症状は咳や発熱、たんなど、風邪の症状と似ているので
風邪をこじらせたと思いがちですが
肺炎は風邪よりも症状が重くなり、回復期間も長くなります。

肺炎と風邪の症状の主な違いは次のようになります。

 

 症状期間
風邪せき
くしゃみ
鼻水
鼻づまり
のどの痛み
38度くらいまで長くて1週間くらい
肺炎せき
悪寒
頭痛
色のついたたん(黄色や鉄さび色)
高熱が続く
胸の痛み
息苦しい
チアノーゼ(唇が紫色になる)
39度以上長期間

 

また、「呼吸が早くなる」「食欲がなくなる」など
肺炎だと気づきにくい症状が出ることもあります。

このような症状に思い当たるのなら、肺炎を疑って
お医者さんの診断を受けるべきです。

受診は呼吸器内科が一番いいのですが
内科やかかりつけ医でもかまわないので、早めに受診しましょう。

 

肺炎の予防

 

肺炎は飛沫感染と接触感染でうつります。
インフルエンザと同じです。

ですから、肺炎予防もインフルエンザ予防と同じです。

  1. 免疫力をつける
  2. 感染経路を断つ
  3. 抵抗力をつける

このインフルエンザ予防の3原則は肺炎予防にも当てはまります。

インフルエンザの免疫力をつけるにはワクチンを打つのが効果的です。
インフルエンザウイルスによっても肺炎は引き起こされることがありますから
インフルエンザのワクチン接種は肺炎の予防にもなります。

厚生労働省が定期接種を勧めているのが肺炎球菌ワクチンです。
肺炎球菌は常に体内にある常駐菌なんですが
体力が落ちたりすると肺炎を発症しやすいため
65歳以上の高齢者にワクチンの定期接種を勧めています。

インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを両方接種することで
高齢者の死亡率が大幅に減ったというデータも有ります。

 

感染経路を断つためには次のことに気をつけます。

  • 外出時のマスク着用
  • 人混みを避ける
  • 帰宅後の手洗いとうがい

 

手洗いとうがい

 

ウイルスや細菌は乾燥を好みますから、部屋の湿度にも気をつけましょう。

冬期は45~60%くらいの湿度が目安になります。

 

抵抗力がないと肺炎にかかりやすくなります。
特に体力が低下した高齢者の方は気をつけなければなりませんね。

  • 十分な睡眠と休養
  • 栄養バランスの取れた食事
  • 適度な運動

 

食事

 

これら普段の生活習慣にも気を配り、抵抗力を落とさないようにしましょう。

 

 

まとめ

 

◎肺炎にはうつる肺炎とうつりにくい肺炎がある

うつる肺炎

  • 細菌性肺炎
  • ウイルス性肺炎
  • 寄生虫による肺炎 など

うつりにくい肺炎

  • 風邪をこじらせた肺炎
  • 誤嚥性肺炎
  • アレルギーによる肺炎 など

◎肺炎の症状

  • 悪寒
  • 長く続く高熱
  • 色のついたたん
  • 胸の痛み
  • チアノーゼ など

◎肺炎の予防

  1. 免疫力をつける
  2. 感染経路を断つ
  3. 抵抗力をつける 

 

体力が落ちている高齢者の方は
肺炎になると重篤になり、命に関わることもあります。

肺炎は日本人の死亡原因の第4位ですが
肺炎で亡くなる人のうち、90%以上が65歳以上の高齢者の方です。

歳を取れば体力が落ちるのは仕方がないことですが
原因を遠ざければ肺炎は防げます。

肺炎球菌ワクチンは一度接種すれば
5年間は効果が持続します。
65歳から始めて5年毎の接種を継続しましょう。

肺炎球菌ワクチンの接種は自費になりますが
たいていは自治体の助成がありますので
詳しいことはお住まいの自治体に確認してみましょう。

ちなみに、私が住んでいる自治体では自己負担金は3,000円になっています。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。