皆さんは納豆はお好きですか?
イメージ的に納豆は関東地方のもののような感じですが、今では全国どこでも納豆は売られていて、日本中で食べられています。
でもやはり関西地方では大嫌いだという人も多く、大阪府や兵庫県は納豆の消費ランキングではいつも最下位争いに顔を出しています。
これは、30年ほど前までは関西地方には納豆がそれほど売られてなかったことが要因なんでしょう。
それと関西人の関東に対するライバル意識も影響しているのかもしれませんね。
健康食品という認識が強い納豆なんですが、納豆にはどんな栄養が含まれているんでしょうか?
また、食べすぎても問題はないんでしょうか?
納豆に含まれる栄養素
納豆は良質のタンパク質を含み、畑の肉とも言われている大豆を納豆菌で発酵させた日本が発祥の食べ物です。
発酵食品は免疫機能を高めてくれたり、腸内環境を整えてくれたりする健康食品ですが、健康食材である大豆を発酵させて作る納豆は、さらに健康に良い食品だと言えます。
大豆にはもともとビタミンEやイソフラボンなどの栄養素が含まれていて、ここにさらに納豆菌が作り出す栄養素が付加されるわけです。
納豆の主な栄養素とその効能について見てみましょう。
大豆由来の栄養素
ビタミンB2
大豆には多くの種類のビタミンが含まれていますが、中でも多いのがビタミンB2です。
ビタミンB2は、三大栄養素である脂質・糖質・タンパク質をエネルギーに変えるのに重要な役割を果たしているので、エネルギーを大量に必要とするスポーツマンには欠かせない栄養素です。
また、肌の再生を促す働きもあるので、美容にも良い栄養素です。
納豆1パック(45g)に含まれるビタミンB2の量は、豚の肩ロース肉100gと同程度であり、豚肉よりも納豆のほうが効率よくビタミンB2を摂ることができます。
大豆イソフラボン
イソフラボンはポリフェノールの一種で、大豆の胚芽に主に含まれているイソフラボンを大豆イソフラボンと呼んでいます。
大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲン(卵巣ホルモン)と構造が似ているため、女性ホルモンに似た働きのために、次のような効果が期待できます。
- 更年期障害の緩和
- 骨粗鬆症の予防
- 血圧降下
- 動脈硬化の予防
- 女性らしい身体を作る
また女性ホルモンには髪の毛を増やす働きがあるため、構造がよく似ている大豆イソフラボンにも発毛効果があると言われています。
女性のみならず、髪の毛が気になる男性にとっても大豆はうれしい食材なんですね。
大豆レシチン
大豆レシチンとは、大豆に含まれる不飽和脂肪酸です。
(不飽和脂肪酸についてはこちらを参考に→トランス脂肪酸 マーガリンやバターは食べても大丈夫?)
大豆レシチンは細胞膜を作るための成分であり、身体中の細胞膜の再生に関わっていて、「若返りの栄養素」と言われており、コレステロールを溶かして血管内を掃除してくれる働きがあるため、動脈硬化や高脂血症などの血液や血管に関する疾病の改善に期待が寄せられています。
また大豆レシチンは脳内でアセチルコリンに変化し、記憶や判断に関する情報伝達物質としての働きを持つようになります。
このため、大豆レシチンには物忘れ防止や記憶力向上の効果があるとされています。
そして大豆に含まれるレシチンの量は、100gあたり1.5gと他の食材よりも格段に優れています。
納豆菌由来の栄養素
ナットウキナーゼ
納豆菌が作り出す機能成分と言えばナットウキナーゼですね。
みなさんも一度くらいはその名前を聞いたことがあると思います。
ナットウキナーゼには、血栓の主成分であるタンパク質の一種である「フィブリン」に直接働きかけて溶かしてしまう働きがあるため、血栓予防効果や血液サラサラ効果があります。
また最近の研究では、ナットウキナーゼには血栓を溶けにくくする物質を阻害する働きがあることも分かってきました。
運動不足の現代人や肥満の人、高齢者は血栓ができやすいので、ナットウキナーゼはたいへんありがたい栄養素です。
ムチン
ネバネバの食材は身体にいいって言いますね。
納豆もかき混ぜるとネバネバしてきますが、あのネバネバがムチンです。
ムチンはもともと胃腸や鼻の粘膜など人間の体内にも存在していて、驚くことに涙の中にも含まれているんですよ。
ムチンはタンパク質を分解するため、タンパク質の吸収が効率よく行え、疲労回復に役立ちます。
また、ムチンには粘膜を保護する働きがあり、胃腸の調子を整え、鼻の粘膜ではウイルスをキャッチしてくれるので抗ウイルス効果があります。
さらにムチンには肝機能と腎機能を高める効果があると考えられています。
ただ、ムチンは熱に弱いので納豆入りの味噌汁なんて美味しいんですが、できれば常温で食べたいですね。
ちなみに、大粒納豆よりもひきわり納豆のほうがかき混ぜたときにネバネバがたくさん出るそうですよ。
納豆をたくさん食べるとどうなる?
どんなに身体に良いものでも食べ過ぎは良くないですよね。
納豆の場合もそれは同じです。
まず、大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをするので、多く摂りすぎてしまうと身体が「エストロゲンが増えた」と勘違いして、エストロゲンの分泌を減らし、プロゲステロンの分泌を増やします。
プロゲステロンは妊娠準備のためのホルモンで、これが過剰に分泌されるとPMS(月経前症候群)が起き、女性の心と身体に様々な不調が起きてきます。
食品安全委員会が発表したイソフラボンの1日の摂取上限量は75mgです。
納豆1パックには約35mgの大豆イソフラボンが含まれていて、そのほかの食材では豆腐には1丁あたり約60mg,味噌汁1杯には約6mgの大豆イソフラボンが含まれています。
従って納豆を3パックも毎日食べるのは食べ過ぎで、納豆以外にも豆腐や味噌汁をいただくのであれば総量にも注意する必要があります。
次に大豆レシチンですが、レシチン自体のカロリーが比較的高いため、食べ過ぎると肥満や生活習慣病の原因にもなり得ます。
納豆1パックのカロリーは約100kalなので、2パック食べればご飯1杯(約160g)のカロリー(269kcal)に近づいてしまい、これだけのカロリーを消費しようとすると、45分ほどジョギングしなくてはいけないそうです。
ご飯も納豆もカロリーはけっこう高いんですね。
まとめ
納豆の栄養素と効果(主なもの)
ビタミンB2
- エネルギー補給効果
- 美容効果
大豆イソフラボン
- 更年期障害の改善
- 骨粗鬆症の予防
- 血圧降下
- 動脈硬化予防
- 女性らしい身体を作る
- 発毛効果
大豆レシチン
- 血液や血管の疾病の改善
- 物忘れ防止・記憶力向上
ナットウキナーゼ
- 血液サラサラ効果
- 血栓予防効果
ムチン
- 疲労回復
- 抗ウイルス効果
- 肝機能・腎機能向上
納豆を食べすぎると?
- PMS(月経前症候群)の危険
- 肥満や生活習慣病の危険
ここに挙げたほかにも、納豆にはダイエット効果や腸内環境改善など多くの健康上の効果があります。
でも食べすぎてしまえば、効果どころか危険性もあります。
健康のことを考えて納豆を食べるなら、やはり1日1パックがちょうどいいようですね。
ちなみに、納豆は夜食べたほうが効果が上がるそうですよ。
その理由はナットウキナーゼは夜に活動が活発になるためと、お肌のゴールデンタイムが眠ってから3~4時間後にやってくるからだそうです。
私も明日から納豆を食べるなら夕食にしよ~っと。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。