豆腐は冬は湯豆腐やすき焼き、夏は冷奴と一年中活躍してくれる食材ですね。
もっとも、原料の大豆は秋に新物を収穫したあと、余分な水分を飛ばすためにしばらく貯蔵してから使われるため、その大豆を使った豆腐の旬は1月から2月にかけてだそうです。
ところで、豆腐には木綿豆腐と絹ごし豆腐がありますね。
私は木綿豆腐はちょっと硬め、絹ごし豆腐は柔らかめくらいの認識しかなく、箸でつかみにくい絹ごし豆腐より木綿豆腐のほうが好きなんですが、名称が違うということは作り方も違うはずですね。
木綿豆腐と絹ごし豆腐の作り方は何が違うんでしょうか?
また、栄養素や味についてはどうなんでしょう?
木綿豆腐と絹ごし豆腐の作り方
私が子どもの頃にはまだ家の近くに豆腐屋さんがあって豆腐や油揚げを買いに行かされたものですが、昔のお店はとてもオープンで中が丸見えでした。
豆腐をつくる木製の枠に木綿のふきんが敷いてあったのを覚えていて、絹ごし豆腐はこれが絹だからか?なんて思ってましたけど、全然違ってたんです。
木綿豆腐の作り方
- 大豆を一晩水につけて柔らかくする
- 柔らかくなった大豆をすりつぶしてからこして豆乳を作る
- 豆乳に凝固剤(ニガリ・塩化カルシウム)を加える
- 木綿の布を敷いた箱型に流し込み、その上に重しをのせて水分を切って固める
水分を切りながら固めるので食感が固くなるわけです。
絹ごし豆腐の作り方
- 大豆を一晩水につけ柔らかくする
- 柔らかくなった大豆をすりつぶしてからこして少し濃い豆乳を作る
- 豆乳に凝固剤(ニガリ・塩化カルシウム)を加え、そのまま固める
水分を切ってないため木綿豆腐よりも柔らかく出来上がります。
ここで「絹」は関係ありません。
木綿豆腐と対比して滑らかな舌触りであることから「絹ごし」と呼ぶようになったわけです。
木綿豆腐と絹ごし豆腐の作り方の違いは
- 作る豆乳の濃さ
- 固めるときに重しをのせて水分を切るかどうか
この二点です。
木綿豆腐と絹ごし豆腐の栄養素の違い
木綿豆腐と絹ごし豆腐は作り方が違うため、含まれる栄養素も違っていて、一丁分(300g)の主な栄養素の量をまとめると次のようになります。
木綿豆腐 絹ごし豆腐 総カロリー 216kcal 168kcal タンパク質 19.8g 14.7g 脂質 12.6g 9.0g 炭水化物 4.8g 6.0g ビタミンE 0.6mg 0.3mg ビタミンB1 0.21mg 0.3mg ビタミンB2 0.09mg 0.12mg ナイアシン 0.3mg 0.6mg ビタミンB6 0.15mg 0.18mg パントテン酸 0.06mg 0.27mg ナトリウム 39mg 21mg カリウム 420mg 450mg カルシウム 360mg 129mg マグネシウム 93mg 132mg リン 330mg 243mg 鉄 2.7mg 2.4mg 亜鉛 1.8mg 1.5mg 銅 0.45mg 0.45mg マンガン 1.14mg 0.93mg 飽和脂肪酸 2.22g 1.59mg
(参考:http://calorie.slism.jp/)
数字ばかりで理解しにくいと思いますので大雑把に言うと、木綿豆腐は水分が少ないために栄養分が凝縮されていて、タンパク質や脂質が多く、ビタミンEやカルシウムは絹ごし豆腐の2倍以上もあります。
一方で木綿豆腐は水を絞っているので水溶性のビタミンB1やB2、ナイアシン、カリウムなどは水とともに流れ出てしまうため絹ごし豆腐より少なくなっています。
木綿豆腐と絹ごし豆腐の味
木綿豆腐も絹ごし豆腐もどちらも大豆のとても蛋白な味がします。
違いは絹ごし豆腐が水分が多いだけ味が薄いという点で、ツルンとした食感がより味を薄く感じさせます。
とは言え、どちらも蛋白すぎて何もつけずにそのまま食べるという人は少ないんじゃないでしょうか。
なので、味については食べる人の好み次第というところでしょう。
なかには不味いと感じる豆腐もありますが、それは消泡剤を使った豆腐であることが多いです。
消泡剤とは文字通り泡を消す添加剤なんですけど、豆乳を作る時にできる大量の泡を放置しておくと豆腐の表面がボコボコになる、日持ちが悪くなるなどの問題が発生するため、消泡剤を使ってその泡を消すわけです。
泡をすくって布でこすことでも泡を消すことができますが、大変な手間がかかってコスト高になるため、消泡剤を使って豆腐を使っている豆腐屋さんがたくさんあります。
豆腐を買うときには表示されている材料もちゃんと読んで、消泡剤が使われていないものを選ぶようにするといいですね。
まとめ
木綿豆腐と絹ごし豆腐の違い
◎作り方
豆乳を固めるときに重しをのせて水分を絞るのが木綿豆腐、濃いめの豆乳をそのまま固めるのが絹ごし豆腐
◎栄養素
木綿豆腐は水分が絞られているので栄養素が凝縮されていますが、水溶性の栄養素は水分とともに流れ出やすい
◎味
絹ごし豆腐は水分が多いため、木綿豆腐より味が薄い
木綿豆腐のしっかりとした食感と、絹ごし豆腐のサラッとした滑らかな食感の違いは作り方に秘密があったんですね。
煮たり焼いたり火を通すときは崩れにくい木綿豆腐で、冷奴やサラダでそのまま食べるときは絹ごし豆腐と、それぞれ料理によって使い分けるのがいいようです。
もっとも私は冷奴でも木綿豆腐の少し固い食感が好きなんですけどね。
あながが好きな豆腐はどちらですか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。