年が明けて間もなくのころ、寒の入りという言葉をよく耳にするようになりますね。
字からすると、寒さが厳しくなり始めるころということは想像できるんですけど、寒の入りとは正確には一体何のことで、2019年の寒の入りはいつなんでしょうか。
また、「入り」があるなら「明け」もあるんでしょうか。
今回はそんな寒の入りについて解説したいと思います。
2020年の寒の入りはいつ?
寒とは、暦の上で一年のうち一番寒さが厳しいとされる時期のことで、二十四節気のうちの小寒から立春の前日までの約1ヶ月の期間のことを言います。
そして寒の期間が始まる日、つまり小寒の日が寒の入りで、2020年は1月6日(月)が寒の入りになります。
2020年の立春は2月4日なので、1月6日から2月3日までが寒の期間(寒中)ということになり、寒中見舞いはこの期間に出すようにします。
寒の期間の真ん中あたりが一年で一番寒い日である大寒とされ、2020年の大寒は1月20日です。
また、大寒は寒のうちでも一番寒い期間という意味もあり、1月20日から2月3日までが大寒の期間とされていますが、体感的にはもう少しあとの1月の終わりから2月の初旬にかけてが一番寒いような気がしますね。
このころになると、武道家が海に入ったり滝に打たれたりする寒稽古が行われるのをテレビのニュースでよく見るんですけど、寒がりの私には絶対に無理です。
寒の明けってあるの?
「寒の入り」が寒の期間が始まる日という意味である以上は、寒の期間が終わるという「寒の明け」も当然あります。
でも、その日は寒の期間の最後の日なのか、それともその次の日なのでしょうか。
例えば、「年明け」というという場合を考えてみると「1年が終わった次の日」ということで、12月31日でないことは明らかですね。
これと同じように、「寒の明け」も「寒の期間が終わった次の日」になります。
寒の期間は小寒から立春の前日までなので、寒の明けは立春の日ということになります。
つまり、2020年の立春は2月4日なので、寒の明けも2月4日です。
ちなみに春分の日の前日は節分になり、2020年は2月3日が節分に当たりますが、2021年は2月2日が節分になります。
(※二十四節気の日付けは年ごとに微妙に変化し、毎年同じというわけではないからです。)
「寒の入りは小寒、寒の明けは立春、立春の一日前が節分」ということですね。
寒の入りの由来は?
寒の期間は上述したように二十四節気の小寒から立春の前日までのことを言うんですけど、そもそも二十四節気とは何のためにあるんでしょうか。
もともと二十四節気は中国から伝わったもので、1年を24等分した期間に区切り、その期間に季節を表す名前をつけたもので、日本ではそれを日本の風土に合うようアレンジしたものが使われています。
つまり、春夏秋冬という4つの季節よりも更に細分化したものが二十四節気というわけです。
一年のうちで小寒から立春の前日までが寒さが厳しい寒の時期(寒中)で、その最初の日が寒の入りですよ、ということですね。
寒中には何をする?
なぜ一年をこんなにも多くの期間に区切る必要があるのでしょうか。
それは二十四節気は人々の生活に密接に関係しているからです。
例えば、夏野菜の植え付けは二十四節気の穀雨(こくう)のころ(4月20日頃)に行いますし、最近は随分早くりましたが、以前は田植えは芒種(ぼうしゅ)のころ(6月6日頃)に行っていました。
このように二十四節気は何かをするための目安ともされていたんです。
それでは寒中には何をするのでしょうか。
寒中は一年のうちで一番寒い時期なので、この時期の水(天然水)は不純物が最も少なくキレイな水とされています。
従って水を使って作るもの、お酒やお味噌などを仕込むのに適しているのが寒中の時期なんです。
また、お酒もお味噌も発酵食品なんですが、発酵食品はゆっくりと時間をかけて発酵させるほうが美味しく仕上がります。
寒中は気温が低く発酵がゆるやかに進みますのでその点からもピッタリの時期で、この時期に仕込むものを「寒仕込み」と言い、一番美味しいとされています。
もっとも、最近では酒蔵や味噌蔵の温度を一定に保つことができるようになり、年中作ることができるために季節感がなくなりつつあるのは少し残念なんですけどね。
寒の内の食べ物は?
土用の丑の日にはうなぎを食べるとか、冬至にはかぼちゃを食べるとか日本にはいろんな行事食がありますね。
寒の内にも次のような行事食があります。
- 1月7日(人日・じんじつ) 七草粥
- 1月11日(鏡開き) お汁粉
- 2月3日(節分) 福豆・恵方巻き
寒い時期は身体を動かすこともおっくうになり、体重が増えがちです。
冬はすき焼きに鍋物、おでんなど美味しいものがたくさんあるんですけど、食べ過ぎないように気をつけないといけませんね。
まとめ
- 2020年の寒の入りは1月6日(小寒)
- 寒の明けは2月4日(立春)
- 寒中のときの水(天然水)は一年中で一番キレイなので、水を使って作るお酒やお味噌を仕込むのに最適
「寒の入り」などの二十四節気の言葉は母親や祖母から聞いたことがあるんですけど、自分ではほとんど使うことはありません。
このままいくといずれは死語になってしまうかもしれませんね。
せっかく古き時代から受け継がれてきた知恵なのですから、いつまでも使っていきたいものです。
中国の二十四節気はユネスコの無形文化遺産に登録されていますしね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。