雨の日って気分が落ち込んでちょっとブルーになりますね。
何か嫌なことがあっても青空を見上げれば少しは気分も晴れるんですけど、雨が降っていると余計に滅入ってしまいます。
どうして雨の日は気分が落ち込んでしまうんでしょうか。
また、雨の日で落ち込んだ気分を上げる方法ってあるんでしょうか。
雨の日に気分が落ち込む理由
雨の日に気分がブルーになっちゃうのにはいろんな理由が考えられます。
低気圧
雨の日に気分が落ち込む一番の理由は低気圧です。
標高が高いところへ行ったとき、持っていったポテトチップスの袋がパンパンに膨らんだという経験をしたことがある人も多いと思います。
あれは高地のほうが気圧が低いために起こり、ポテトチップスの袋にかかっていた圧力が弱くなって膨らむわけです。
「雨の日=気圧が低い」ということになるので、高地でのポテトチップスの袋と同じ状況が身体にも現れます。
具体的には血管の拡張です。
人の身体には交感神経と副交感神経という二つの自律神経があり、交感神経は活動しているときや昼間に活発に働き、副交感神経は安静にしているときや睡眠時などに働いています。
交感神経は血圧を上げる方向に働き、副交感神経は血圧を下げる方向に働きます。
血管が拡張すると血圧が低くなり、すると身体は副交感神経を優位にして休息モードに入ろうとします。
これが気分にも影響して「あまりやる気が起きない」「気分が落ち込む」ということになってしまうわけです。
人の身体は気圧の変化を敏感に反応して活動モードを変化させていたんです。
低酸素
気圧が低いときには上昇気流が発生し、その上昇気流に乗って水蒸気が上空に集まって雨になって降ってきます。
その上昇気流は地上の水蒸気だけではなくて酸素も上空に運ぶため、地上はわずかですが低酸素になります。
そうなると今度も身体は「活動モードではない」と判断して「休息モード」に向かい、身体活動を抑えようとし、それがやる気の無さにつながってしまうわけです。
ホルモン不足
人の身体の中ではいろんなホルモンが分泌されていますが、三大神経伝達物質であるセロトニンもそのうちのひとつです。
セロトニンには心の浮き沈みを絶妙なバランスで整える働きがあります。
血圧や心拍数を一定にし、爽やかな気分にしてくれるホルモンがセロトニンで、幸せホルモンとも呼ばれています。
セロトニンが不足すると精神的に不安定になり、うつ病を発症しやすくなるとも言われています。
そして、セロトニンは日光を知覚することで分泌が活性化されます。
雨の日の光の量は晴れた日の100分の1くらいになってしまうそうで、この光の量では室内にいたらセロトニンの分泌には足りない量だとのことです。
朝から雨降りで一日中ずっと屋内にいるような場合にはセロトニン不足になってしまう恐れがあり、精神的に落ち込んでしまうこともあります。
本能
天気が良ければ外に出て活動し、雨が降れば室内でおとなしくしている、というのは人間が進化の過程で獲得した習性だとも言われています。
人間がまだ知性を持っていかった類人猿のころ、雨降りの日に外に出て活動すれば濡れて体温を奪われ、最悪の場合には死んでしまう危険性もありました。
そのため、外に出て餌を取るのは天気が良い日にして、雨の日は洞穴などにこもって体力を温存するという知恵を獲得しました。
この習性は、雨の日は副交感神経を優位にして休息モードにするという形で引き継がれ、雨の日は「よし、やるぞ!」という意欲が薄れてしまうんです。
雨の日はやる気が削がれるというのが本能だったというのはちょっと驚きでしたね。
雨の日に気分を上げるには?
雨の日の気圧や酸素濃度は私達にはどうにもなりませんから、それ以外の方法を考えるしかなさそうですね。
まずは幸せホルモンであるセロトニンを増やすことを考えましょう。
セロトニンが活性化するのに次の三点が挙げられています。
- 太陽の光
- リズム運動
- グルーミング
リズム運動とはウォーキングやジョギングなど一定の呼吸とリズムで行う運動で、グルーミングとは「人とのふれあい」のことで、家族での食事や井戸端会議などもグルーミングです。
器具を利用して光を浴びる
雨の日は太陽の光の量が少なくなるので、太陽光と同じような光を出す器具で光を浴びることでセロトニンが活性化します。
このような器具が発する光の量は太陽の光の10分の1程度ですが、セロトニンの活性化には十分な量です。
実際に太陽光照射器具はうつ病を治療する器具として、また光目覚ましとして販売されています。
光を浴びてからセロトニンが活性化するまで30分くらいかかるので、仕事のある日は少し早く起きて光を浴びてから出勤したほうがいいですね。
リズム運動をする
ウォーキングやジョギング、サイクリングなど一定のリズムで筋肉を収縮・弛緩させたり、呼吸する運動をすることでセロトニンが活性化します。
ただ、たまにやる程度ではあまり効果は期待できませんので、毎日でもできるペースの運動を選ぶことが大切です。
こちらも朝行うのがおすすめです。
グルーミング
光を浴びることとリズム運動は「これから仕事」というときには有効ですが、グルーミングは仕事が終わったあとに有効なものです。
具体的には「家族団らんでの夕食」「仕事仲間と行く赤ちょうちん」などがそうです。
しかし、嫌いな人と一緒だとかえってストレスになってしまうので、メンバーには注意しましょう。
食べ物からセロトニンを摂取する
セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから作られます。
ですので、トリプトファンを多く含む食べ物を摂ることでセロトニンの増加が期待できます。
トリプトファンを多く含む食べ物には次のような食品があります。
- 乳製品
- 大豆製品
- 魚類
- ナッツ類
- バナナ
また、セロトニンはビタミンB6やマグネシウムなどからも生成されますので、ビタミンB6を多く含むサンマやにんにく、マグネシウムを多く含むわかめやひじき積極的にを食べることも大切です。
好きなことをする
雨が降っていても、その日がデートの日なら気分は落ち込んだりしないですよね。
仕事がある日は無理なんですけど、雨が降っていたら本を読んだり趣味に没頭するなど自分の好きなことをして雨の日に良い経験をした記憶を作ります。
人は良い経験をすると、たとえ上述したような本能があったとしても、その経験の記憶がまさって本能を隠してしまうこともあります。
雨の日の良い経験が「雨は嫌だなぁ」という思いを和らげてくれるかもしれませんよ。
終わりに
梅雨などで雨降りの日が続くと頭痛や肩こり、めまいや神経痛などの体調不良に悩まされる人も多いようです。
また、雨の日はうつの症状が悪化するとも言われています。
どうも私達の身体は雨向きには作られてみたいですね。
社会人としては「雨の日はやる気が出ない」などと言ってはいられませんので、いろいろ試して雨の日でもパフォーマンスが落ちないように気をつけたいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。