古都・奈良に春を告げる行事として知られているのが東大寺二月堂で行なわれるお水取りです。
お水取りは、修二会(しゅにえ・日頃の罪を十一面観世音菩薩の前で懺悔すること)期間中の3月12日の深夜に、行を執り行う練行衆(れんぎょうしゅう)が二月堂下の若狭井(わかさい)に水を汲みに行く儀式です。
なぜお水取りが人気なのかというと、修二会の期間中は僧侶が道灯りとして毎夜大きな松明(たいまつ)をかかげますが(お松明)、修二会のなかでもお水取りの日には巨大な籠松明(かごたいまつ)に火が灯されるからです。
今回は、お水取り2020の日程と日程ごとの混雑状況、駐車場の情報をご紹介します。
お水取り2020 日程と混雑状況
お松明は修二会期間中は毎日行われます。
修二会日程
- 3月1日(日)~14日(土)
お松明日程
修二会期間中毎日
- 3月12日(お水取りの日・木)は19:30~(約45分間)
- 3月14日(土)は18:30~(約10分間)
- 上記以外は19:00~(約20分間)
テレビで「お松明」がニュースとして放送されるのは、ほとんどが(翌朝1時半の)「お水取り」がある3月12日の様子です。
なので、「お松明」は3月12日の一回だけと思っている方も多いようですが、「お松明」は「修二会」の期間である3月1日から3月14日の毎日行なわれます。
通常の松明は10本なのですが、12日は11本となり、籠松明が登場するので、この日が一番迫力があり、ニュースにもよく取り上げられます。
そしてこの日が一番混雑します。
「籠の松明でなくてもいいから見たい」という方は、第一週の平日は比較的空いていることが多いので、そのときを選んで見物に行ったほうがいいでしょう。
「お松明」の混雑状況をまとめると次のようになります。
3月1日(日)(19:00開始 松明10本 所要時間約20分)
- 混雑状況 ◯
3月2日(月)~3月6日(金)(19:00開始 松明10本 所要時間約20分)
- 混雑状況 ▲(狙い目)
3月7日(土)・8日(日)(19:00開始 松明10本 所要時間約20分)
- 混雑状況 ◯
3月9日(月)~3月11日(水)(19:00開始 松明10本 所要時間約20分)
- 混雑状況 ▲(特に狙い目)
3月12日(木)(19:30開始 籠松明1本 松明10本 所要時間約45分)
- 混雑状況 ◎(メチャ混み・入場規制あり)
- 16:00頃から21:00頃まで交通規制あり
3月13日(金)19:00開始 松明10本 所要時間約20分)
- 混雑状況 ▲(狙い目)
3月14日(土)(18:30開始 松明10本 所要時間約10分)
- 混雑状況 ◯
お松明の燃えカスは、災難除けのご利益があるとして持ち帰る人も多くいます。
燃えカスは翌日から二月堂の休憩室で配布していますので、その日の燃えカスを持ち帰ろうと頑張らなくてもオッケーです。
なお、「お水取り」は3月12日の「お松明」が終わった翌日の早朝、つまり13日の午前1時半頃から行なわれます。
深夜にもかかわらずこのときも大変混雑するため、12日の夕方から警察や機動隊が出動して交通規制や誘導を行います。
お松明を見るためには
最近は神社仏閣巡りが人気で、東大寺お水取りのお松明も大勢の人で混雑するため、かなり早い時間に行かなくてはいい場所で見られません。
鐘楼から誘導路が設けられますので、早く行って誘導路に並びましょう。
(東大寺の境内案内図はコチラ)
平日
午後5時半ころまでに。
土日及び最終日
午後4時半ころまでに。
12日(籠松明)
午後4時ころまでに。
通常なら「お松明」が始まる2時間前には二月堂の前の広場が一杯になるので、寒空の下で2時間以上も待たなくてはなりません。
しかも、運良く広場に入ることができても「お松明」を最後まで見られるとは限りません。
誘導されて他の人と交代しなければならないからです。
「お松明」が行われる二月堂の前の広場に入場できないときは、少し遠く(200mほど)に第二拝観席に誘導されます。
入場規制がされることもあり、行ったけど入場できないということも十分あり得ます。
だけどこの日しか行けない、あるいはお水取りが見たいという場合には十分に防寒対策をして、第二拝観席に誘導されてもいいように双眼鏡を用意し、入場できないかもしれないという覚悟で公共交通機関で行くことになります。
また、3月の奈良はまだ寒いのでトイレが近くなりがちです。
仮設トイレも用意されるようですが大変に混雑しますので、水分の摂取はなるべく控えるようにしましょう。
東大寺へのアクセス
◆公共交通機関を利用する場合
奈良駅まで
JR大和路線または近鉄奈良線で「奈良駅」で下車。
JR奈良駅東口から東大寺二月堂まで
奈良駅東口・2番乗り場から奈良交通バス市内循環・外回り(料金は大人210円・子供110円)に乗車し、「東大寺大仏殿・春日大社前」で下車、徒歩約5分。
(手向山八幡宮から二月堂に向かうと道が平坦。)
奈良駅から東大寺大仏殿・春日大社前までの所要時間は外回りが10分、内回りが16分です。
奈良交通バスでは一日フリー乗車券も販売していますので、ほかの観光地にも行きたいというときには便利です。
フリー乗車券の料金は行けるところによって違い、500円、1,000円、1,500円の三種類のものがあります。
奈良市内だけでしたら500円のフリー乗車券で十分でしょう(スマホアプリでも購入可能です)。
(一日フリー乗車券の詳細はコチラ)
◆自家用車を利用する場合
大阪方面から
阪神高速東大阪線→第二阪奈有料道路に乗り宝来ICで降りる。
国道369号線で奈良県庁までほぼ道なり。
京都方面から
京奈和自動車道木津ICを降りて国道24号線に入る。
法華寺東交差点を左折→法華中町右折→高天(たかま)交差点を左折し
国道369号線へ→転害門を右折すると奈良県庁の東側に出る。
名古屋方面から
名阪国道天理ICを降りて右折。
国道169号線を北上すると奈良県庁東交差点に出る。
(奈良県庁から東大寺までは車で約4分です。)
◆駐車場
奈良県大仏前観光自動車駐車場(有料)(観光シーズンはバス専用になることもあります。)
(その他の東大寺周辺の駐車場はコチラ)
まとめ
● 奈良・東大寺二月堂のお松明は3月1日から14日まで毎日行われる
● お水取りが行われる3月12日が一番混雑する
● 3月12日は入場規制が実施され、自動車も進入できない
● お松明の見物はお水取り前の平日がオススメ(特に第一週)
テレビでも、火がつけられた大きな松明(たいまつ)を持った僧侶が松明を回しながら欄干から差し出して走り抜ける迫力のある映像を見られた方も多いと思います。
「よそに燃え移っちゃうんじゃないか」と思えるほどの迫力ですね。
修二会のなかで、3月12日の深夜に観音様にお供えする水である「御香水(おこうずい)」を汲む儀式があるため、「修二会」が「お水取り」と呼ばれるようになりました。
「お松明」は僧侶が水を汲みに行くときの明かりとして使われる灯火です。
「修二会」も正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか」と言うそうです。
ちょっとややこしいですね。
2020年で1269回目を迎える東大寺の「お水取り」。
「お水取り」は閼伽井屋(あかいや)という建物にある井戸の水を汲んで行なわれ、この水を「お香水(おこうずい)」と呼び、「根本香水」を納めるかめと「次第香水」を納めるかめに入れられます。
「根本香水」は行中に使って減った分を注ぎ足しているので、千年余の昔の水も混じっています。
一方の「次第香水」はかめに残った水を汲み出し、かめを掃除してその年のお香水だけを新たに入れます。
そしてこの汲み出された「次第香水」は一般にも頒布していただけて、病気も治ると言われているありがたいお水です。
ただ、頒布されるのが3月13日の午前1時半ころです。
混雑と寒さを覚悟できるのであれば3月12日の「お松明」を見て、翌日の午前1時半まで待ち、「次第香水」を分けてもらうのも一生の思い出になることでしょう。
また、お水取りが終わったあとに僧侶がかぶった金襴の帽子を子どもの頭にかぶせるという、「だったん帽いただかせ」という行事があります。
子どもがこの帽子をかぶせてもらうと健やかに育つといわれていて、大勢の子供連れが二月堂に訪れます。
だったん帽いただかせの開催日時
- 3月15日(日)10:00~15:00
修二会が満行したあとなんですけど、小さなお子さんがいる方は行ってみるのもいいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。