銀行と信用金庫の違い!さらに信用組合や農協との違いは?

たいていの人は銀行にお金を預けていると思うんですけど、お金を預けたり借りたりできるところって銀行のほかにも信用金庫がありますね。

銀行と信用金庫って何が違うんでしょうか。

また、信用組合や農協なんてところもありますが、何が違うんでしょう?

 

 

 

銀行と信用金庫の違い

銀行と信用金庫は規模が違うということは何となく分かりますが、この両者は根本的に違います。

組織の違い

銀行は株式会社であり、出資している株主の利益が優先されます。

この点はソニーやトヨタといった会社と同じですね。

会社なので利益を追求する営利法人であり、組織のトップは頭取あるいは社長になります。

銀行のオーナーは株主であるが、お客様とは限らないことになります。

 

 

 

信用金庫は地域の人の相互扶助を目的とした金融機関で、地域の人や企業が会員となって出資金を負担します。

ただし、規模の大きな企業は会員になることはできません。

出資金は株式と似ていますが、その性質は株式とは異なり、自由に売買することはできません。

また、預金のようにすぐに引き出したりすることもできません。

信用金庫は会員の相互扶助を目的とする非営利団体の協同組合であり、利益が出た場合には配当金として会員に分配されます。

組織のトップは理事長になります。

信用金庫のオーナーは会員でもあり、お客様でもあります。

 

 

準拠する法律の違い

預金や融資といったお金を扱うことを業務とするには、関係する法律にのっとって行われないといけません。

銀行が遵守すべき法律は銀行法という法律にまとめられています。

一方、信用金庫が守らなければならない法律は信用金庫法という法律です。

 

営業エリアの違い

銀行の営業エリアは広範囲に及びます。

三菱UFJ銀行やみずほ銀行などメガバンクと言われる銀行は日本各地に支店を持ち、その営業エリアは沖縄以外の日本全国をカバーしています。

 

これに対して信用金庫の営業エリアは一定の地区内に限定され、地域経済の発展と相互扶助に寄与しています。

 

金融機関に就職するときに銀行を選ぶと日本全国に転勤する可能性があるんですが、信用金庫ならそれほど遠くへの転勤はありません。

もっとも、あちこちへ転勤するということは出世コースに乗っているということなんですけどね。

 

信用金庫と同じような営業エリアを持つ銀行も存在し。地方銀行と呼ばれていますが銀行なので営利法人です。

 

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信用組合って?

信用金庫と似たような名前の金融機関に信用組合がありますが、この二つは何が違うんでしょうか。

出資金が必要なことと営業エリアが限定されるのは同じですが、信用金庫を組織するのは会員、信用組合を組織するのは組合員と呼ばれます。

信用金庫と信用組合には次のようなが特徴があります。

信用金庫
  • 準拠する法律:信用金庫法
  • 会員資格:(地区内に)
         住所又は居所を有するもの
         事業所を有する者
         勤労に従事する者
         事業所を有する者の役員
         (事業者の場合)従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者
  • 預金の範囲:制限なし
  • 貸出金の範囲:原則として会員のみだが、制限付きで会員外にも貸出することができる
信用組合
  • 準拠する法律:中小企業等協同組合法/協同組合による金融事業に関する法律(協金法)
  • 組合員資格:(地区内に)
          住所又は居所を有するもの
          事業を行う小規模の事業者
          勤労に従事するもの
          事業を行う小規模の事業者の役員
          (事業者の場合)従業員300人以下または資本金3億円以下の事業者(卸売り業は100人または1億円、小売業は50人または5千万円、サービス業は100人または5千万円)
  • 預金の範囲:原則として組合員のみだが、総預金額の20%までは組合員以外も預金できる
  • 貸出金の範囲:原則として組合員のみだが、制限付きで組合員外にも貸出することができる

 

 

こうしてみてくると、信用金庫と信用組合の違いは預金の範囲と構成員が事業者の場合の事業の規模くらいで大きな違いはありませんね。

実際に信用金庫と信用組合を統一してしまったらどうかという意見もあります。

 

農協ってどんなところ?

農協(JA)は農業協同組合の略で、農業協同組合法に準拠した主として農家のための協同組合です。

 

 

協同組合は同じ目的を持った個人や中小企業等が組合員となって運営する非営利の組織で、農協は農業をする人が出資金を出して組織された協同組合になります。

しかし、農業をしていない人でも出資金を負担すれば農協を利用することができます。

農業をしている組合員を「正組合員」、農業をしていない組合員を「准組合員」といい、両者の違いは准組合員は総会での議決権や役員の選挙権がないことです。

(出資金を出さなくても農協が行う業務の一部は利用できます。農協が経営するスーパーでの買い物など。預金については組合員との人数割合で制限がかかることもあります。)

預金や融資など金融に関する業務は農協の業務の一部でJAバンクと呼ばれています。

農協の業務はほかにも肥料や農薬の共同購入、農業指導、保険(共済)業務など多岐にわたり、ガソリンスタンドを営業している農協もあって、農協さえあれば生活していけると言われるほど多くの業務を行っています。

 

まとめ

  • 銀行は株式会社であり営利法人
  • 信用金庫は会員の相互扶助を目的とした非営利法人の協同組合(地域限定)
  • 信用組合は信用金庫と似ているが、事業者の規模と預金・融資に違いがある
  • 農協は原則として農業をする人のための協同組合で、業務は多岐にわたる

 

農協が農業を行う人のための協同組合であるのに対し、漁業を行う人のための協同組合が漁協(漁業協同組合・JF)で、漁協でも金融の業務を行っていてJFバンクと呼ばれています。

また、かっての郵便局で行っていた金融に関する業務は株式会社であるゆうちょ銀行となりました。

日本の金融機関ってたくさんの業種があるんですね。

外国ではどうなんでしょうかね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。