テロメアを伸ばす方法は正しいのか?日本人としての疑問!

いつまでも健康で長生きしたいというのは誰でも思っていることでしょう。

染色体の端にあるテロメアという物質が寿命のカギを握っているという研究発表がありました。

テロメアは細胞分裂をするたびに短くなり、ある程度短くなると細胞分裂が起きなくなって細胞が死滅してしまうということで、テロメアを伸ばす方法も紹介されました。

今回はそのテロメアを伸ばす方法について、私が疑問に思ったことを書いていきます。

私は専門家でも何でもないので、私人の戯言と思って気楽にお読みください。

 

 

 

テロメアを伸ばす5つの方法

テロメアは染色体の端についていて、染色体が擦り切れないように保護キャップの役割をしています。

テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、ある程度短くなると細胞分裂が停止し、新しい細胞が生まれなくなります。

この状態がいわゆる老化というものです。

しかし、テロメアが短くなるのを防ぐテロメラーゼという酵素が見つかり、そのテロメラーゼの活性化を高めることができれば細胞分裂の回数が増え、老化防止につながって寿命が伸びます。

そのテロメラーゼの活性化を高める方法がすなわちテロメアを伸ばす方法です。

 

テロメアを伸ばす方法

テロメアを伸ばす方法として、予防医学研究所のディーン・オーニッシュ所長により、次の5つのものが紹介されていました。

  • 瞑想
  • 有酸素運動
  • オメガ3脂肪酸を含む食品(野菜中心の食事)
  • 7時間以上の睡眠
  • 週に一度のカウンセリング

オーニッシュ所長はがん患者のグループ(被験者)にこれらの要素を取り入れたプログラムを継続してもらい、その効果を確認したそうです。

ここで私が「ん?」と思ったのは、「これって日本人にも合うの?」ということです。

以下、私が疑問に思ったことをご紹介します

 

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テロメアを伸ばす方法についての疑問

「テロメアを伸ばす方法」はアメリカでの研究に基づいた報告です。

日本とアメリカでは生活習慣も食習慣も違うので、これをそのまま日本人に当てはめてもいいのかなということが頭に浮かびました。

オメガ3脂肪酸を含む食品(野菜中心の食事)

厚生労働省によると、日本人の1日当たり野菜摂取の目標は350gとされているますが、実際は全ての年代でその値を満たしていません。

だから、「野菜をもっと食べましょう」というのは納得できるんですけど、アメリカ人と比べてどうなんでしょう。

統計値は2007年のもので少し古いんですが、日本人とアメリカ人の野菜類と肉類の1人1日当たりの摂取量を調べました。(値は野菜類/肉類の順です)

  • 日本人 290.91g/127.39g
  • 米国人 349.62g/343.56g

アメリカ人は日本人より野菜類の摂取量は多いのですが、日本人は肉類の2倍以上の野菜類を摂取しているのに対し、アメリカ人は肉類と野菜類の摂取量がほぼ同じです。

野菜を沢山食べれば肉を沢山食べてもいい、ということはないですよね。

日本人はもうすでに野菜中心の食生活を送っているんです。

こんなに食事の量と内容が違うのに、闇雲に野菜中心の食生活を送りましょうというのはどうなんでしょう。

最近の研究では、長寿の人は肉を多く食べていることも分かってきました。

要はバランスの良い食生活が重要だということなのではないのでしょうか。

 

また、オメガ3脂肪酸を多く含む食品といえば、青魚や大豆、玄米などがあげられます。

アジやサバなどの青魚は日本人の食生活にしっかり根付いていますし、大豆も豆腐や納豆、味噌としてほとんど毎日口にしています。

 

 

かえって大豆製品を摂りすぎるとすぐに健康被害が出るわけではないものの、生理不順などが起こることもあるそうです。(大豆に含まれる大豆イソフラボンの影響です。)

男性の私は生理不順は関係ないんですけど、精子減少も起こるそうです。(こちらも子供がとっくに成人した私には関係ありませんが・・・。)

私はほぼ毎日豆乳200mlと納豆(45g)を1パックと味噌汁一杯を摂っていますが、これだけですでに厚生労働省が定めた大豆イソフラボンの一日の摂取量目安上限値(75mg)ギリギリです。

みなさんのなかにも同じような食事をされている方も多いのではないでしょうか。

これよりさらにたくさんのオメガ3脂肪酸を摂ろうと大豆製品を食べると、摂取目安量を完全に超えてしまいます。

大豆製品をたくさん摂取している日本人に、「オメガ3脂肪酸を多く含む食品を摂りましょう」というのもどうかと思いますね。

 

7時間以上の睡眠

 

「7時間以上」ということは、「8時間」でも「9時間」でもいいということですよね。

日本で11万人を対象にした睡眠時間と死亡率の追跡調査では、最も死亡率が低いのは男女とも7時間睡眠でした。

それより短い睡眠時間では寿命が短く、長くなるとそれに輪をかけてさらに短くなるそうです。

これはアメリカでも100万人以上を対象とした調査でも同じ結果が得られています。

最適な睡眠時間は個人差があって一概には言えないものなんですけど、このような一般論とする場合には、長寿のための睡眠時間は「7時間以上」ではなく、「7時間が目安」とするべきだと思います。

 

一週間に一度のカウンセリング

テロメアが短くなってしまう大きな要因はストレスで、なかでも心的ストレスによる悲観主義が最も大きな要因になります。

心配することや不安がることがテロメアには良くないんです。

心的ストレスが続くと不眠症やうつ病などの発症にも繋がります。

この心的ストレスを軽減するためにカウンセリングを受けることが推奨されているわけです。

 

 

何でもカウンセリングを受ければいいというのはアメリカらしいですが、今の日本ではまだカウンセリングは一般には認知されていません。

うつ病になっても心療内科などで投薬を受けるだけというのが普通ですし、どこへ行けばカウンセリングを受けられるのかも分かりません。

アメリカではカウンセリングは保険適応の対象になるそうですが、日本ではそうではないので高い費用が必要になります。

(2018年から公認心理師という資格が国家資格となりましたが、医療費の増大を考えれば今後も公認心理師にカウンセリングを受けることが保険適応となることは難しいでしょう。)

このような理由から、日本人に一週間に一度のカウンセリングを受けなさいというのは現実的ではないと思います。

 

終わりに

オーニッシュ所長が被験者に行わせた瞑想方法は、椅子に座って4秒吸って4秒吐くという呼吸を繰り返しながら、親指を人差し指、中指、薬指、小指と順番にリズミカルに合わせるというものです。

この瞑想法も私達日本人が思っているものとは少し違いますね。

私達が思っている瞑想法は背筋を伸ばしてあぐらをかいて座り、手は腿の上におくか法界定印を組み、意識は呼吸に向けて集中するというものです。

 

 

瞑想の一番重要な点は何も考えないようにすることですが、そんなことは無理なので呼吸のことだけを考えるようにするわけです。

私もオーニッシュ所長の瞑想法を試してみましたが、慣れないせいか右手の指と左手の指が一緒に動かなかったり、意識が呼吸に向いたり指に向いたりとなかなか集中できませんでした。

呼吸に意識を向け続けるのもなかなか難しいので、私は音に意識を集中するという音霊法(おんれいほう)という瞑想を鈴虫の鳴き声や滝の音、風の音なんかのCDを流しながらやっています。

 

テロメアを伸ばす方法についてはテレビやネットで多くの情報が流れてますが、「日本人にとってはどうなの?」ということが抜けているような感じがします。

こういった情報は、日本人としてどう受け取ったらいいのかという観点が示されていればもっといいと思うんですけど、どうでしょうか。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。