以前に東京・府中市の大國魂神社の例大祭であるくらやみ祭りのことをご紹介しましたが、同じように真夜中に渡御が行われるお祭りが京都の宇治市でもあります。
(参考:くらやみ祭り2020!見どころや交通規制、舞台となった映画とは?)
それは世界遺産として有名な平等院のすぐ近くにある県(あがた)神社で行われる県祭りです。
今回は「暗闇の奇祭」として知られる県祭り2019の開催情報や、屋台はいつまで開いているのか、交通規制はあるのか、などの情報をお届けします。
県祭り2020 開催情報
- 開催日時:2020年6月5日(金)午後11時ころ~6日(土)午前1:00ころ
- 開催場所:縣神社
- 問合せ先:県祭安全対策推進委員会
- 電話:0774-23-3334
県祭りの見どころ
県祭りの最大の見どころは梵天渡御です。
梵天渡御とは球状にたくさんの御幣を取り付けた梵天を渡御(氏子地区を練り歩くこと)することです。
梵天渡御のコースはかっては、宇治神社御旅所→縣神社で神様を移す→宇治神社まで渡御→縣神社に帰る、というものでした。
ところが宇治神社と縣神社の対立が原因で今では宇治神社側と県神社側が別々に行うという事態になってしまい、県祭といえば縣神社のほうを指すようになっています。
宇治神社側は担ぎ手の団体である奉賛会が5日の午後11時頃に宇治神社御旅所を出発します。
県神社の梵天渡御は6日の午前0時頃、暗闇の中で祭神を梵天に移して行います。
なので、まずは宇治神社のほうを見てから時間に遅れないように縣神社に移動するというのが梵天渡御を見るおすすめのコースです。
ただし、真っ暗なところもあるので注意してくださいね。
どちらも、「ぶんまわし」と言って梵天を威勢よく回したり、左右に倒れるまで傾ける「横振り」が行われ、梵天渡御の一番の見せ場となっています。
上の動画では梵天御輿をぐるぐる回したり、右に左に激しく傾けちゃってますが、こんなことして神様は怒らないんでしょうか?
それにしても御輿に乗った神官さんは命がけですね。
屋台はいつまで開いている?
お祭りのお目当てのひとつが屋台ですね。
なかには神事なんてどうでもよく、屋台でのグルメやゲームを楽しみにしている人も大勢います。
子どもたちはほとんどそうでしょうね。
でも、県祭りは真夜中に行われます。屋台はいつ開いているんでしょう?
いわゆるテキ屋さんたちが屋台の準備を始めるのは、5日の朝からです。
そして準備が整い次第に順次開店していきますが、県祭りが行われている間じゅう営業するのではなく、午後10時頃にはすべての屋台が営業を終了します。
それは、県祭りが暗闇の中で執り行われるお祭りであるためで、明かりを消さなければいけないからです。
御輿が通る町内の道沿いの家も明かりを落とすんですよ。
ですから、県祭りの屋台が目当てなら午後10時ころまでに行かないといけません。
県祭り自体は真夜中に行われるんですけど、屋台の数は500店もあり、10万人もの人が訪れます。
屋台を楽しみたいなら
- 宇治橋商店街通り
- 平等院表参道
- 県通り
ここらへんがいいです。
交通規制はある?
例年県祭りが行われるときには、宇治駅や黄檗駅の周辺には臨時の交通規制が行われます。
昨年の例ですと、交通規制は6月5日午前10時から6月6日の午前1時までとなっていて、宇治駅前は歩行者専用道路となり、歩行者も右回りの一方通行になっていました。
昨年も一昨年と同じでしたので、2020年も同様な規制になると予想されます。
(2019年の臨時交通規制図はコチラ)
アクセスと駐車場は?
電車を利用する場合
県祭りが行われる県神社への最寄り駅は、京阪電鉄・宇治線の「京阪宇治駅」またはJR奈良線の「宇治駅」になります。
京阪宇治駅からは徒歩で約8分、宇治駅からは徒歩で約10分で県神社に着きます。
車を利用する場合
県祭りは真夜中に執り行われます。
公共の案内では「大変に混雑しますので、ご来場は公共交通機関を利用してください」などとありますが、県祭りが終わる頃には電車はありません。
「屋台がメインで御輿は見なくていい」という人は屋台が店じまいするころに電車で帰れますが、梵天御輿を見たい人はどうしても車でのアクセスになるでしょう。
県神社に一番近いインターチェンジは京滋バイパス・宇治東ICで、そこから府道7号線→府道3号線経由で6分ほどです。
宇治西ICからは府道241号線→府道3号線経由で7分ほどです。
駐車場
車で行く場合には、県神社には駐車場はありませんので、近くの駐車場に停めることになります。
(県神社・宇治駅近くの駐車場はコチラ)
県神社に一番近くて収容台数が多い駐車場は宇治駐車場ですが、駐車場を利用するときに気をつけなければいけないのが、屋台と交通規制です。
屋台が並んだり、交通規制が敷かれる道路沿いにある駐車場が多いため、利用するなら早朝に入る必要がありますので注意してくださいね。
終わりに
県祭りは戦前までは灯りを落とした沿道の民家に見知らぬ男女が集まり、その気になったら行為に及ぶというちょっと羨ましいお祭りだったんです。
そして子供が授かったら神からの授かりものとされ、県祭りは「種貰い祭」としても有名でした。
その名残りかどうか、今でも地元のヤンキーっぽい若者がいっぱいやってきて、それを取り締まる警察官もたくさんいます。
ちょっと物騒な気もしますが、そっち方面の人はいないので安心です。
県祭りは真夜中に行われ、車で行くときには交通規制が始まる前に行かなければいけませんので、時間を持て余しそうですね。
でも県神社のすぐ近くには世界遺産の平等院があります。
平等院の庭園は午前8時半の開門で、平等院ミュージアムも午前9時に開館です。
鳳凰堂の内部も午前9時10分から拝観できます。
県祭りを見物に行くときには、ちょっとだけ足を伸ばして4年前に大改修を終えたばかりの平等院も拝観してはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。