夏は海に山にとアウトドアでのレジャーやスポーツが楽しみな季節です。
暑いときは屋外で思いっきり汗をかいても冷たいシャワーを浴びれば爽快な気分になりますけど、屋外で活動するときに気をつけなければいけないのが紫外線です。
紫外線にはビタミンDを作って骨を丈夫にしたり、体内時計をリセットしてストレスを軽減したりする働きがあるのですが、それ以上に心配なのが日に焼けることですね。
特に女性にとっては紫外線はお肌のシミやシワやたるみの原因になるので、外に出るときは日焼け止めやアームカバーなどで紫外線対策をしている方もたくさんみえます。
でも、紫外線で目も日焼けするって知ってましたか?
今回は目が日焼けしたらどうなるのか、その対策はどうすればいいのかについてご紹介します。
目が日焼けしたらどうなる?
日焼けは紫外線を浴びた肌の色が変わることなので、「目が日焼けする」という表現はおかしいかもしれませんが、紫外線が目に与える影響ということですね。
目が紫外線を浴び続けるとどうなるか?少し調べただけでも
- 急性角膜炎(きゅうせいかくまくえん)
- 翼状片(よくじょうへん)
- 白内障(はくないしょう)
- 瞼裂斑(けんれつはん)
- 雪眼炎(せつがんえん)
と五つもの病名があがりました。順番に見ていきましょう。
急性角膜炎(きゅうせいかくまくえん)
強い紫外線を浴びると黒目の表面が炎症を起こして目の充血、痛み、涙が止まらない、異物感があるなどの症状が起き、これを紫外線角膜炎と呼んでいます。
たいていは1日~2日で自然に治ります。
翼状片(よくじょうへん)
聞き慣れない病名ですね。
翼状片は白目の細胞が増殖してしまって黒目に翼状に食い込んでしまう病気で、農業や漁業など屋外での作業時間が長い人に多いことから、紫外線が原因と考えられています。
症状は目の充血、ドライアイ、異物感、視力障害などがあり、ひどくなると手術で食い込んでいる部分を切除します。
白内障(はくないしょう)
目のレンズの役割をしているのが水晶体なのです。
紫外線が強いとこの水晶体を構成しているタンパク質繊維やヒアルロン酸が傷ついて水晶体が濁り、光が網膜まで届かなくなり視力が低下します。
症状が進行すると超音波で水晶体の濁りをなくし、眼内レンズを入れるという手術が行われます。
瞼裂斑(けんれつはん)
こちらも聞き慣れない病名ですが、白目のタンパク質が変性して一部が淡黄色に変色して盛り上がる病気です。
進行して炎症を起こすことを瞼裂斑炎と言い、目の充血やドライアイなどの症状が現れます。
治療法は非ステロイド性抗炎症剤やステロイド剤の目薬を点眼する、手術で取り除く、この二通りがあります。
雪眼炎(せつがんえん)
雪眼炎とはいわゆる「雪目(ゆきめ)」と言われている急性角膜炎の一種で、目の充血、痛みを覚えて目を開けていられないほどの眩しさを感じます。
点眼麻酔薬や冷湿布などで治療し、早ければ1日、遅くとも数日で治ります。
「雪目なら冬のものだから夏は関係ないじゃん」と思うのは早計ですよ。
雪面は太陽光を反射するので目に入る紫外線も増えます。
海水面でも同じことで太陽からの紫外線と海水面で反射した紫外線の両方を受けることとなり、夏でも雪目になる可能性はあります。
定番の紫外線対策はサングラスですが・・
UV透過率
目に日焼け止めを塗るわけにもいかないので、目の紫外線対策はサングラスが定番ですね。
「夏になったら外ではサングラスをかけているから大丈夫だよ」と思っていても、そのサングラスは本当に大丈夫ですか?
ただ色がついているだけのサングラスではないですか?
サングラスは紫外線から目を守るためには紫外線を遮断してくれるものないとダメです。
いわゆるUV(紫外線)カットの機能がついているもの、しかもUVカットの性能を表すUV透過率が大きいものでなくてはいけません。
安物のサングラスのなかにはUVカットと表記されていてもUV透過率が表示されていないものもあり、そういったものはあまり信用できませんね。
UVカットの表記さえないものは選ぶべきではありません。
紫外線は一年中降っている
「夏になったら」というのも問題です。
確かに7月や8月の紫外線量は一年で一番多いんですけど、紫外線の量は4月から無視できないほどに増え始め、9月も4月のレベルと同じくらいの量です。
詳しくはコチラ
↓ ↓ ↓
紫外線量の月別グラフ!ピークを知っておこう
つまり、一年のうち半分は紫外線対策を取らないといけないということになります。
そして日本では南に行けば行くほど太陽の位置が高くにあるので紫外線の量は増えますから、南に住んでいる人ほど紫外線対策に気をつけなければいけないんです。
目の紫外線対策は食べ物でもできる
同じような生活パターンでも紫外線による目に障害が起きる人とそうでない人は何が違うんでしょう?
それは紫外線に対する目の抵抗力の違いですね。
医食同源という言葉があるように食べ物によって病気を治したり予防することができ、目にいいものを食べれば目の抵抗力もアップします。
目にいいものと聞くと真っ先にブルーベリーが思い出されますね。
実はブルーベリーに含まれるアントシアニンが視力回復に効くという医学的な実験結果はまだありません。
目にいいとされる栄養成分として次の5つが注目されていますが、順に見ていきましょう。
目にいい栄養素
- ルテイン
- ビタミンA
- ビタミンB2
- ビタミンC
- ビタミンE
ルテイン
ルテインは水晶体にもともと存在していて強い抗酸化作用を持ち、目から入ってくる紫外線をブロックするフィルターの役目をしてくれます。
加齢とともにルテインは減ってしまうので、体内で生成できないので食べ物として取り入れなければなりません。
ルテインを多く含む食べ物
- ほうれん草
- ケール
- ブロッコリー
- にんじん
- 卵黄
ビタミンA
ビタミンAは目の角膜と結膜を保護してくれ、炎症を鎮める効果を持っています。
ビタミンAを多く含む食べ物
- うなぎ
- 鶏や豚のレバー
- 焼き海苔
体内でビタミンAに変化するカロチンを多く含んだにんじんやしそも同様な効果が期待できます。
ビタミンB2
ビタミンB2は目の粘膜を正常に保つ働きがあり、眼の炎症を抑えてくれ、不足すると紫外線への抵抗力が減って「眩しく感じる」「涙が出る」などの症状が起きます。
ビタミンB2を多く含む食べ物
- 乳製品
- レバー
- うなぎ
- 納豆
- アーモンド
ビタミンCとビタミンE
ビタミンCとビタミンEには紫外線によって発生する活性酸素を除去し、眼の炎症を抑える働きがあります。
単体で摂るよりも組み合わせて摂るほうが効果は上がります。
ビタミンCを多く含む食べ物
- レモン
- アセロラ
- じゃがいも
ビタミンEを多く含む食べ物
- ナッツ類
- 植物油
- モロヘイヤ
紫外線が強くなり始めたら、これらの食べ物をバランスよく食べるようにして目の紫外線ケアをしましょう。
その他の紫外線対策
このほかにもまだまだ目の日焼け対策はありますよ。
紫外線を防ぐ対策と、強い日差しを浴びてしまったときの対策に分けて考えてみましょう。
紫外線を防ぐ対策
これは肌の紫外線対策と同じですね。
帽子をかぶる
帽子は顔や首筋を紫外線から守ってくれるほかにも、目に入る紫外線を3割も防いでくれます。
つばの広い帽子がいいですね。
日傘をさす
日傘で紫外線対策をしましょう。
黒い色は紫外線を吸収してくれるので、白よりも黒っぽい日傘のほうが効果があります。
最近ではUVカット機能がついた日傘もありますよ。
日陰に入る
当たり前のことですが、日陰に入るだけで紫外線を50%近く防げます。
強い日差しを浴びてしまったら
「サングラスを忘れた」「急に晴れてきた」なんてときに、無防備で強い日差しを浴びてしまうこともありますね。
そしてしばらくすると、目が痛くなったり充血してしまうこともあります。
そんなときの対処法は
- 目を冷やす
- 目を休める
- 目薬をさす
この3つがポイントになります。
目を冷やす
目が痛くなったり充血してしまうのは目が炎症しているからで、日焼けした肌を冷やすように目も冷やしてあげます。
氷水につけて絞ったタオルを目の上に乗せるなどして冷やします。
目を休める
ダメージを受けた目に負担をかけないよう休めます。
それには眠ることが一番で、寝ているときには成長ホルモンが分泌されて傷の補修をしてくれます。
眠ることが無理な状況なら目をつぶって休ませるだけでもいいです。
目薬をさす
「目が充血してるけど、医者には行かなくてもいいか」というときには目薬で対処します。
炎症や充血を抑えるUV対策用の目薬が発売されているので、ドラッグストアで店員さんに相談してみるといいでしょう。
ただ、目薬に入っている血管収縮剤は長く点眼していると目が慣れてしまって、点眼しないときはずっと充血してしまうことがあります。
また、さしすぎるとドライアイになってしまう可能性もあります。
目薬をさすときは本当に辛いときだけにしましょう。
もしも、目の痛みや充血がなかなか治まらないときにはお医者さんに診てもらってくださいね。
終わりに
オゾン層の破壊により地球に届く紫外線量は増えているといいます。
紫外線が目に与えるダメージは蓄積されるので、日常の紫外線対策が重要になってきます。
紫外線が強いときには外からと内からの両方で目の紫外線ケアをしましょう。
長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。