最近テレビや新聞でよく目にするのが、お年寄りが車を駐車させようとしてアクセルとブレーキを間違えて踏んでしまい、コンビニや郵便局なんかに突っ込んだというニュース。
そんなニュースを見ていると、ときどきもみじマークが貼ってない車が事故を起こしていることがあります。
「この人は自分がまだ若いと考えていたんだなぁ」と思ったりしますが、もみじマークって何歳から表示しなければいけなかったんでしょう?
また、どこに貼ればいいんでしょうか?
私も免許を取ってから数十年、それほど遠くないうちにもみじマークが必要な年齢に到達しますので今回はそんなところを調べてみました。
もみじマークは何歳から?
車の運転に関する法令はすべて道路交通法に定められていて、高齢者についてのことも道路交通法の第七十一条の五に定められています。
第七十一条の五
第八十四条第三項の普通自動車免許を受けた者で、当該普通自動車免許を受けていた期間(当該免許の広陵区が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達しないもの(当該免許を受けた日前六月以内に普通自動車免許を受けたいた事がある者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、内閣政令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。
これは免許を取ったら一年間は初心者マークを付けなさいということですね。
第七十一条の五第二項
第八十五条第一項若しくは第二項又は第八十六条第一項若しくは第二項の規定により普通自動車を運転することが出来る免許(以下この条及び次条において「普通自動車対応免許」という。)を受けたもので、七十五歳以上のものは、内閣政令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。
ここで言う標識がいわゆるもみじマークで、75歳以上の人がもみじマークを付けないで普通自動車を運転してはいけないと定められています。
第七十一条の五第三項
普通自動車対応免許を受けたもので七十歳以上七十五歳未満のものは、加齢に伴って生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転するように努めなければならない。
70歳以上75歳未満の人にとってはもみじマークはなるべく付けて運転しましょうという努力目標であると書かれています。
こうして見てくると、もみじマークは70歳以上75歳以下の人は努力目標で、75歳以上の人は義務であるとなっています。
もみじマーク義務の適用なし!
しなしながら今のところもみじマーク(高齢運転者標識)について、第七十一条の五の一部は「高齢運転者標識表示義務に関する当面の措置」により適用されていません。
附則抄 第二十二条
第七十一条の五第二項の規定は、当分の間、適用しない。この場合において、同条第三項中「七十歳以上七十五歳未満」とあるのは、「七十歳以上」とする。
つまり、75歳以上のもみじマークの義務の規定はまだ適用されてなく、70歳以上の人はすべて努力目標だと規定されています。
もみじマークはどこに貼る?
もみじマークを貼る位置については、道路交通法ではなく道路交通法施行規則に規定されています。
第九条の六
法第七十一条の五第一項から第三項まで並びに第七十一条の六第一項及び第二項に規定する標識は、地上0・四メートル以上一・二メートル以下の位置に前方又は後方から見やすいように表示するものとする。
第七十一条の五第一項から第三項は初心者マークともみじマーク、第七十一条の六第一項は聴覚障害者標章、第二項は身体障害者標章のことを言っています。
つまり、これらを表す標識は0.4メートル以上、1,2メートル以下のところの前方または後方から見やすいところに貼るということが規定されています。(障害者標識は前も後ろも。)
「見やすいところ」というのは「他の運転者から見やすい」という意味なので、前後の車から見やすいように斜めの位置に貼るのがいいですね。
それと、車を運転していて注意すべきは後方の車よりも前方の車です。
その意味ではもみじマークは後ろに貼るほうをより見やすくしたほうがいいでしょう。
もみじマークを付けるメリット
もみじマークを付けなさいと言われたら、「年寄り扱いするな」と憤慨される方もいるようですが、もみじマークを付けることにはそれなりのメリットもあります。
もみじマークを付けることは「高齢者が運転していますから気をつけてください」という意思表示です。
ですから事故防止のために、もみじマークを付けた車に幅寄せやその前に割り込んだりした運転手には罰則が規定されています。
つまり、もみじマークを付けた車は法律で保護されていることになります。
また、道路交通法で第四十五条の二に次のような規定があります。
次の各号のいずれかに該当する者(以下この項及び次項において「高齢運転者等」という。)が運転する普通自動車(当該高齢運転者等が内閣府令で定めるところによりその者の住所地を管轄する公安委員会に届出をしたものに限る。)であつて、当該高齢運転者等が同項の規定により交付を受けた高齢運転者等標章をその停車又は駐車をしている間前面の見やすい箇所に掲示したもの(以下「高齢運転者等標章自動車」という。)は、第四十四条の規定による停車及び駐車を禁止する道路の部分又は前条第一項の規定による駐車を禁止する道路の部分の全部又は一部について、道路標識等により停車又は駐車をすることができることとされているときは、これらの規定にかかわらず、停車し、又は駐車することができる。
長くて分かりにくい条項ですが簡単に言うと、「消火栓の5メートル以内など駐車が禁じられている場所でも、道路標識で停車や駐車が許可されているところではもみじマークを付けた車は停車や駐車ができる」ということです。
もみじマークを付けた車は駐停車に関しても特例があるわけです。
まとめ
- 今のところ、もみじマークは70歳以上の人の努力目標
- もみじマークを貼る位置は、「0.4メートル以上、1,2メートル以下のところの前方または後方から見やすいところ」
- もみじマークにはメリットがある
もみじマークは自動車運転における高齢者保護のためのものです。
そのため、罰則があるかどうかはしりませんが、年齢に達していなくてももみじマークを付けているという人もいます。
私も70歳になったら多分もみじマークをつけるでしょう。
これは余談ですが、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故や、高速道路の逆走という高齢者特有と思われている事故は、実は10代、20代の若者のほうが多いそうですよ。
他人事ではないですね。
私はアクセルとブレーキの踏み間違いをしないように、左足でブレーキを踏むようにしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。