夏台風の進路 秋台風との違いは?

 

ここ数年、地球温暖化の影響からか

夏に発生する台風が多くなったような気がします。

(地球温暖化など起きていないという説もありますが。)

 

暑いときに日本を襲った台風が離れていったと思ったら

もう次の台風が近づきつつあるなんてこと、ここ数年多いですね。

 

そして夏台風は迷走したり、速度が遅いので

大雨や暴風の被害が大きくもなります。

 

どうして夏台風はそんなことになるんでしょう?

 

台風

 

 

夏台風の進路

 

天気図で台風の進路を見ていると

台風が自分で動いているみたいですね。

でも台風は地球の大気の動きに乗って動いているだけです。

 

その大気の流れはおおまかにふたつあり、ひとつ目は貿易風と偏西風

赤道付近とそれより高緯度の上空に吹く風。

ふたつ目は赤道から高緯度への大きな大気の流れがあります。

 

地球は赤道付近は気温が高く、北極と南極の両極は低くなっています。

大気はこの温度差のバランスを取ろうとして

暖かい空気が冷たい方へ流れていき、この大気の流れができます。

 

台風はフィリピン沖で発生し、貿易風に乗って西へ向かいますが

赤道から高緯度への大気の流れで北にも流されるので

結局は北西に向かうことになります。

 

台風は緯度が高いところまで来ると

今度は偏西風の流れに乗って北東に向かいます。

 

そのほかにも地球の自転による「コリオリの力」というものが働いて

北半球では台風は放っておいても右側(東側)に曲がるのだそうです。

(そんな授業覚えてないなぁ~。)

 

↓コリオリの力がよく分かる実験動画

 

これが台風の進路の一般論です。

ですが、台風は高気圧があると進路を妨害されます。

それは高気圧は中心から外側に向かって風が吹いているからです。

 

夏は日本に覆いかぶさるようにある太平洋高気圧の勢力が強いので

台風の進路が妨害され、朝鮮半島や中国大陸へ向かいます。

台風の月ごとの大まかな進路はこちら

 

夏に台風の進路に影響を与える高気圧は太平洋高気圧だけではありません。

中国の方から張り出してくるチベット高気圧もあります。

 

太平洋高気圧とチベット高気圧のふたつの高気圧が近づいて

日本列島上空や日本の南で発達すると

台風は行く手を遮られます。

 

そうなると、台風の速度が遅くなったり

いったん南に下ってふたつの高気圧が離れてから

北上するということもあります。

これがいわゆる迷走台風と呼ばれる台風です。

 

進行速度の遅い台風と迷走台風は

暴風や大雨の被害を受ける時間が長くなるので

防災に対する厳重な警戒が必要になってきます。

 

このように夏台風の進路は、北へ向かう大気の流れや偏西風、

太平洋高気圧やチベット高気圧などいろんなものに影響を受けるので

予想を立てるのがたいへん難しいんです。

 

一方、8月終わりから9月以降の太平洋高気圧や

チベット高気圧の勢力が衰えるころに発生する秋台風は

偏西風と北向きの気流に乗って北東に進むわけです。

 

 

 

 

 

夏台風と秋台風の違い

 

夏台風と秋台風は進路のほかにもいろいろ違いがあります。

 

1.勢力

 

台風のエネルギーの元になるのは高温の海水です。

海水は比熱が高く、温めにくく冷めにくい物質です。

 

夏より秋のほうが海水温は高いことが多く

夏台風より秋台風のほうが勢力が強いことが多くあります。

また、秋雨前線を刺激して大雨になることもあります。

 

2.移動速度

 

偏西風は秋になるとその流れが南下して日本に近づき

夏よりも日本の上空をより吹くようになります。

そのため日本に近づき、偏西風に乗った台風の移動速度は速くなります。

 

 

まとめ

 

・夏台風は太平洋高気圧の影響で朝鮮半島や中国大陸に向かいやすい
 また迷走することも多い

・秋台風のほうが夏台風のほうが勢力が大きいことが多い

・秋台風は夏台風より移動速度が早い

 

日本には8月、9月にたくさん台風がやってきます。

そして毎年日本のどこかで被害が発生します。

台風が来ることが予想されるときは、必要なら避難することも考えて

早めの対策を心がけましょう。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。