まりもの育て方!餌は必要?

日本にはいろんな記念日がありますが、3月29日は何の日か知っていますか?

北海道に住んでみえる方なら知っているかもしれませんね。
阿寒湖のマリモが天然記念物に指定された日を記念して
3月29日はマリモの日です。

マリモって漢字では「毬藻」と書きます。
その字の通り、「丸い藻」ってことです。
こういったマリモは世界でも阿寒湖だけにしか生息していません。

阿寒湖には20万個ものマリモが生息しています。
お土産としても売られているマリモ。
でも、これは人の手で丸められたものなんです。

それでも可愛いんで家で育てようとしても、なかなかうまくいきません。
マリモを家で育てるのに大切なポイントは何でしょうか?

今回はマリモの育て方についてご紹介します。

 

 

 

マリモの育て方

 

環境

 

マリモを家で育てるには、マリモが育ってきた環境と
なるべく同じ環境を用意してあげなければなりません。

阿寒湖は火山が噴火してできた火山湖です。
そこに流れ込む水の多くはキレイな雪解け水です。
また、北海道は寒冷な気候です。

従って、マリモを家で育てるには

  • 水質
  • 温度

この2点が重要になってきます。

 

マリモはとってもきれい好きで
汚れた水の中ではすぐに弱ってしまいます。

放っておくと、浮遊型マリモや着生型マリモという
マリモが発生して、丸いマリモにくっついてしまいます。

阿寒湖ではマリモが回転してくっついたものを取ってしまいますが
家庭ではそうもいかないので、こまめに水を取り替えて
着生型マリモなどが発生しないようにする必要があります。

夏場なら1週間、冬場でも2週間に一度くらいは水を替えます。

 

温度

阿寒湖の氷の下でも育つマリモは、低温の環境に適した植物と言えます。
温度が高くなってしまうとマリモは育ちません。
というより、死んでしまいます。

ですから、なるべく涼しいところで育てることが大切です。
夏場に気温が高くなるところでは
冷蔵庫の中で育てるのもいいかもしれません。

 

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手入れ

 

マリモは光合成で育つので餌は必要ありません。

日光が餌と考えれば大丈夫でしょう。
かと言って、直射日光の強い光は
水温を上げてしまうので必要ありません。

直射日光が当たらない窓際や、照明の灯りで十分です。

 

形を整える

マリモが丸いのは、阿寒湖という様々な条件がマリモにピタリと合い
マリモが自分で回転しているから丸いんです。

家庭ではそんな環境を再現できませんから
丸くするには手のひらに乗せて指先でコロコロと丸めてやる必要があります。
このことはマリモをキレイするときにも必要です。

このときは出来る限りマリモをソフトにやります。
そうしないと、マリモが崩れてしまうこともあります。

 

 

マリモは奇跡の植物

これまでマリモの生態についてはあまり分かっていませんでした。
ところが最近マリモの研究が進むにつれ
その驚くべき「奇跡の植物」とも言える生態が徐々に明らかになってきました。

マリモが丸い理由

植物の葉ってだいたい平べったいものが多いです。
これは光をたくさん浴びるためです。

光合成をする植物にとって、球体というのは
光を浴びるのに効率が悪い形ですね。

それなのに何故、マリモは丸いんでしょう?
それはマリモが回転して球体全体で光を浴びられるようになっているからです。
マリモが回転しているということは観察によって得られた新しい発見でした。

マリモは阿寒湖でもチュウルイ湾にしか生息していません。
そこでは、6月ころになると3日に一度くらい5~10mの風が吹きます。
この風は沖合から岸辺に向かって吹く風邪です。
そして、マリモが回転するのは次のようなメカニズムだと考えられています。

 

  1. 南風が吹いて波が起こる
  2. 水面近くの水の粒子が水面から水底へと円運動する
  3. 円運動した水の粒子がマリモに当たる
  4. マリモが水の粒子と反対の円運動をする

 

この考えはまだ推測の域を出ていませんが、マリモが回転しているのは事実です。
マリモは回転することによって体全体に日光があたるようになっているんです。

さらに、回転することで体についたゴミや浮遊型マリモを落としているんです。

 

マリモは世代交代している

マリモはどんどん成長し、大きなものは30センチくらいのものがあります。
しかし、それ以上の大きさのものはあまり見かけません。
それはマリモが世代交代しているからです。

なぜこんなことが可能なのか不思議ですが
次にご紹介するのはマリモの世代交代のメカニズムです。

 

マリモの世代交代

  1. 5~7年周期で台風などの強風が吹く
  2. 岸辺に向かって大きな波が発生する
  3. 大きなマリモは抵抗が大きいので波の力で岸辺に向かう
  4. 大きなマリモが岸辺に打ち上げられる
  5. 波が打ち付けてマリモが崩れて小さくなる
  6. 崩れたマリモはまた湖に戻っていく
  7. 湖に戻ったマリモはまた丸く成長し始める

 

阿寒湖のマリモは何層にも重なっています。
こうやって大きなマリモがなくなることで
下のマリモにも日光が届くようになり、活発な光合成が可能になるんです。

驚くべきメカニズムですね。
まさにマリモは阿寒湖の環境が作り上げた
「奇跡の生き物」と呼ぶにふさわしい植物です!

 

まとめ

マリモの育て方(注意点)

  • いつも水をキレイにしておく
  • 高くならないよう温度に注意する
  • 日光を当てて光合成ができるようにする(温度の上昇に注意)

マリモは阿寒湖の環境が生んだ「奇跡の生き物」である

 

マリモってお土産くらいでしかお目にかかる機会がなく
そんなに注意をひくものではなかったんだけど
阿寒湖の環境に守られてけなげに生きている植物だったんですね。

日本では絶滅危惧種に指定され、存続が危ぶまれているマリモ。
阿寒湖の環境が変わらないことを祈るばかりです。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。