冬の気配が徐々に深まる11月の初めに佐賀県唐津市で行われるお祭りが唐津くんちです。
「くんち」って変わった呼び名ですが、漢字では「供日」と書いて神様にお供え物をする日という意味で、収穫を感謝する唐津神社の秋の例大祭です。
今回は国の重要無形民俗文化財にも指定されている唐津くんちの2019の日程や見どころ、くんち料理についてのなどをご紹介します。
唐津くんち2019 開催情報
唐津くんち2019
- 開催日:2019年11月2日(土・宵山)・3日(日・御旅所神幸)・4日(月・町廻り)
- 開催場所:唐津神社及び唐津市市内
- 唐津神社住所:佐賀県唐津市南城内3-13
- 問合せ先:一般社団法人 唐津観光協会
- 電話:0952-26-6754
曳山の巡航場所は?
長崎くんちの曳山の巡行は日によって時間も場所も異なります。
11月2日(宵山)
早朝から曳山展示場に置かれていた曳山を出し、巡行の準備が始まります。
- 19:30~22:00
- 各町内曳山留め→大手口より東行→各町内巡行→唐津神社前勢揃
暗闇の中に提灯の灯りに浮かぶ曳山の姿は幻想的でさえあります。
11月3日(御旅所神幸)
唐津くんちのメイン行事である神幸祭が行われるこの日は、曳山が神輿を先導して御旅所に向かい、御旅所で神事が執り行われます。
- 9:30~16:30
- 唐津神社→市内巡行→西の浜御旅所→市内巡行→各町内曳山留め
11月4日(町廻り)
最終日のこの日は各町内から曳山が唐津神社前に集結し、正午頃から唐津駅前にしばらく(3時間程度)並べられたあと市内を巡行して曳山展示場に納められます。
- 10:30~16:30
- 各町内曳山留め→唐津神社→唐津駅前→市内巡行→曳山展示場
(出典:https://www.karatsu-kankou.jp/feature/karatsukunchi/img/common/course_map.pdf)
(上の画像は3日間の巡行コースで昨年のものですが、巡行コースは毎年同じです。クリックすると拡大されます。)
唐津くんちの見どころ
曳山
唐津くんちの一番の見どころは、何と言っても国の重要無形民俗文化財に指定されている、芸術品とも言える美しい漆塗りの曳山(ひきやま)です。
こういったお祭りで曳き回す山車は四角形の家のような形をしたものが多いんですけど、唐津くんちのものは源義経の兜(かぶと)や金獅子など一風変わったものばかりです。
手本となるものが何もないので作るのはさぞ難しかったことでしょうが、こんなに素晴らしい曳山が古いものは今から200年近くも前に造られたなんて信じられませんね。
朱色に塗られた笑顔の鯛の曳山(鯛山)はご存知の方も多いのではないでしょうか?
この曳山は一番人気で、屋根の瓦を波頭に見立てて身体を上下に動かしながら進んでいきます。
このほかにも今作れば1億とも2億とも言われる立派な曳山が14台も揃って市中を曳き回されますよ。
狭い路地もかなりのスポードで突っ込んで行くので、家に衝突してしまうという事故もたまに起きます。
きっと保険に入っているんでしょうね。
曳き込みと曳き出し
曳山はいつ見ても感動ものですが、中でも最大の見どころは3日の「御旅所神幸(おたびしょしんこう)」のときの曳き込みと曳き出しです。
早朝に唐津神社で獅子舞が奉納されたあと、「ハァ~エンヤ、エンヤ」のかけ声とともに市内を巡行し、曲がり角に来ると何故かスピードが上がり、車輪がギシギシと独特の軋み音を発します。
正午になると御旅所で曳き込みが始まります。
御旅所は地面が砂地なので重い曳山の車輪がめり込まんでしまいますが、そんなことはお構いなしに曳き込むその姿は勇壮かつ豪華です。
曳き出しは神事が執り行われたあと午後3時ころから始まります。
御旅所は見物もしやすい場所なので早い時間から混雑し始めます。
曳き込みを見たいなら午前中の巡行の見物を早めに切り上げて御旅所に向かうほうがいいでしょう。
くんち料理とは?
唐津くんちでもうひとつ特徴的なのがくんち料理です。
くんち料理とは各家でお世話になった人たちをもてなす料理のことで、どの家も大盤振る舞いでもてなします。
1キロ1万円以上するという玄界灘のアラという魚や、ビールやお酒、そのほかいろんな料理が振る舞われます。
唐津くんちでは各家がアラの大きさを競い合い、3ヶ月分の給料を使ってしまうということから、くんち料理は「三月倒れ」と呼ばれています。
祭りのハッピを着ていれば家には出入り自由で、男性にとっては天国のような待遇を受けることができます。
こんな料理が食べ放題、お酒も飲み放題なんてうらやましい限りです。
唐津くんちの駐車場と交通規制
唐津くんちには毎年のべ50万人もの人が訪れます。
そのため、市内各地に有料・無料の臨時の駐車場が設けられますが、交通規制も敷かれますので注意が必要です。
駐車場の収容台数は次のようになっています。(昨年の情報ですが一昨年も同じでした。)
- 東城内駐車場(有料) 190台
- 旧高取邸駐車場(有料) 90台
- 南城内駐車場(有料) 150台
- 浄水センターグランド駐車場(無料) 120台
- 材木町駐車場(有料) 90台
- ふるさと館アルピノ(有料) 130台
- 松浦湖畔公園駐車場(無料) 1,470台
このうち、2日も利用可能なのは松浦河畔公園駐車場(17:00~22:30)のみです。
おすすめは収容台数の多い松浦湖畔公園駐車場で、ここからは唐津駅南口へのシャトルバスも運行しているので便利ですよ。
シャトルバス運行時間
11月2日(金 運行間隔約10分)
松浦河畔公園発 17:00~21:00
唐津駅南口発 17:20~22:00
11月3日(土 運行間隔約5分)
松浦河畔公園発 9:00~16:00
唐津駅南口発 9:20~17:00
11月4日(日 運行間隔約15分)
松浦河畔公園発 9:00~16:00
唐津駅南口発 9:20~17:00
(運行コースはコチラ)
唐津くんちへのアクセス
唐津くんちには毎年50万人以上の人が訪れ、交通規制が敷かれて駐車場もすぐに満車になり、道路は大変に混雑しますので、アクセスは公共交通機関の利用をおすすめします。
唐津くんちの例大祭が行われる唐津神社に一番近い最寄り駅は、JR唐津駅です。
◆飛行機を利用する場合
福岡空港
↓ 福岡地下鉄空港線
姪浜(めいのはま)
↓ JR九州筑肥線(ちくひせん)
JR唐津駅
または
福岡空港
↓ 昭和バスからつ号
唐津大手口バスセンター(JR唐津駅までは徒歩約10分)
◆電車を利用する場合
●東京・名古屋・新大阪から
JR博多駅
↓ 福岡地下鉄空港線・西唐津行き
JR唐津駅
または
JR博多駅
↓ 福岡地下鉄空港線・筑前前原行き
筑前前原駅
↓ JR九州・筑肥線
JR唐津駅
●長崎・佐賀から
JR長崎駅
↓ JR長崎本線
JR佐賀駅
↓ JR唐津線
JR唐津駅
◆車を利用する場合
●本州から
九州道で福岡IC
↓ 福岡都市高速、西九州道、二丈浜玉道路
唐津IC
●東九州・南九州から
大分道で多久IC
↓ 多久有料道路、巌木、国道203号
唐津IC
●西九州から
長崎道で多久IC
↓ 多久有料道路、巌木、国道203号
唐津IC
おわりに
唐津っ子にとってお盆よりもお正月よりも大切なのが唐津くんちで、3日間にその情熱を一気に爆発させ、また来年のくんちに向かって1年のスタートを切るのです。
唐津くんちの一番の見どころは御旅所神幸なんですが、宵山の灯りに照らされた曳山も風情がありますよ。
最終日の町廻りで曳山が展示場に帰っていくときには、「あぁもうこれで終わりか」と切ない気持ちにもなりますが、それだけ来年への楽しみが大きくなるというものです。
江戸時代から続く曳山が今も見られるなんてそうそうありません。
歴史のある唐津くんちに唐津っ子がかける意気込みも分かるような気もしますね。
11月3日は文化の日です。
唐津くんちは江戸時代の文化を肌で感じることができるお祭りですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。