日本には8万にものぼるたくさんの神社があって、そこで執り行われるお祭りもたくさんありますね。
中には長野県の諏訪地方で行われる御柱祭や、秋田県の男鹿市などで行われる鬼の面をつけた使者が家々を回るなまはげなど、奇祭と呼ばれるお祭りもたくさんあります。
今回ご紹介する茨城県笠間市で行われる悪態祭りもその名前の通り悪態をつきまくるという、奇祭のひとつとされるお祭りです。
ここでは悪態祭り2018の開催情報やアクセス方法、駐車場や悪態祭りの由来などをご紹介します。
悪態祭り2018 開催情報
悪態祭り2018
- 開催場所:飯綱(いづな)神社(愛宕神社境内裏)及びその周辺
- 住所:茨城県笠間市泉102
- 開催日時:2018年12月16日(日)13:30~16:00
- 雨天決行
- 問合せ先:笠間観光協会
- 電話:0296-72-9222
愛宕山の麓を出発した神主さんと13人(?)の天狗が、無言で飯綱神社を目指しながら16ヶ所のほこらにお供え物をします。
参拝客はその行列に「ばかやろう」「もっと早く歩け」などと罵声を浴びせまくります。
(引用:http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1212/18/news149.html)
悪態祭りへのアクセスと駐車場
◆電車を利用する場合
JR常磐線・岩間駅から約4km
車(タクシー):約10分
徒歩:約1時間
◆車を利用する場合
◎北関東自動車道・友部ICより約13分(9km)
◎北関東自動車道・笠間西ICより約22分(33km)
◎常磐自動車道・岩間ICより約13分(8km)
電車で行く場合、徒歩で1時間はちょっとしんどい気もしますが、暖かくて晴れていれば愛宕山を目指してのんびりと歩くのもいいですよ。
◆駐車場
車で行った場合の駐車場はあたご天狗の森公園(100台 無料)の駐車場が利用できます。
悪態祭りの由来
悪態祭りも神社が主催するれっきとしたお祭りなので、その趣旨は五穀豊穣と氏子たちの無病息災と家内安全ですね。
普通のお祭りならば神主さんが祝詞(のりと)をあげ、みそぎやおはらいで人々の悪行やけがれをはらい落とすのですが、それでもはらい落とせなかった悪いものを、悪態といっしょに吐き出してしまうというのが悪態祭りです。
悪態祭りは江戸時代中期に藩の役人が村人の不満を聞くために始まったと言われています。
年貢の取り立てに苦しんでいた農民に、お祭りの日だけ悪口を言うのを許したのがというわけです。
しかし悪態祭りは昭和20年ころから40年ほど中断してしまったためにその由来ははっきりしてなくて、悪態をつかれるのがなぜ天狗なのかも分からないそうです。
飯綱神社の氏子のお年寄りが扮した13人(?匹?)の天狗が参拝者から「バカヤロー」「ノロノロ歩くな」などの悪態をつかれまくります。
足利市の大岩毘沙門天で大晦日の夜に行われる悪口(あくたい)まつりなどは、参拝者同士が悪態をつきますが、天狗に向かって悪態をつくのはここの悪態祭りだけではないでしょうか?
悪態をつくのはいつ?
悪態はいつ、どこでつくんでしょう?
このお祭りのスケジュールを見てみますと、午後1時半から飯綱神社で13天狗のお清めとご祈祷があって、そのあとに神主さんと天狗役のお年寄りたちは愛宕山のふもとの水神様のところまで下り、そこをスタートして16の祠(ほこら)にお供え物を収めながら神社に戻っていきます。
この神主さんと13天狗が神社に戻っていくときが14時半くらいになりますが、ここからが悪態つきの始まりです。
この時点ではお年寄りはマスクをしているだけなので、なかなか悪態や罵声を浴びせにくのですが、少し時間が経つとみなさんコツを覚えて盛大に悪態をつきまくっています。
どんなに悪態をつかれても天狗たちは黙って歩くのみで、天狗のお面をつけていないので何だか可哀想にも思えてしまいます。
そして神主さんと13天狗が神社に戻り、最後の悪態のつき締めが終わるまでつきまくりです。
ほかにも楽しみがいっぱい
悪態祭りでは悪態をつくことだけがメインではありません。
悪態祭りでは、神主さんと13人の天狗が16の祠(ほこら)にお供え物を収めながら愛宕山の麓から飯綱神社に向かいますが、そのお供え物を手にすると幸せになれるという言い伝えがあります。
そのため、お供え物が供えられ、お祈りがすむと「よし!」という合図とともに、お供え物の争奪戦が始まります。
ここで合図より前に手を出してしまうと、天狗に青竹で殴られてしまいます。
お供え物は
- 5円玉をのせた小皿
- お餅
- ぬさ(神前でお祈りをするときに使う御幣)
- 木片
と、たいしたものではありませんが、これを目当てに多くの人が殺到し、なかには女性限定の祠なんてのもあり、激しい女同士のバトルが繰り広げられます。
この争奪戦は見ているだけでも楽しいんですが、参加すると興奮度マックス間違いなしです。
13人の天狗たちが飯綱神社に戻ってからがクライマックスで、ここで初めてお年寄りたちが天狗のお面をつけます。
そして天狗たちによる縁起物であるお餅やお菓子のばら撒きが始まります。
ここでも悪態のオンパレードで、「こっちに投げろ、ばかやろー」「もっと投げろ」と悪態は最高潮に達し、最後には投げるものがなくなって、参加者を殴っていた青竹まで放出します。
そしてラストは13人の天狗たちが縁側に並び、拡声器を持った先導さんの合図で最後に一斉に、「バカヤローッ」の悪態で締めです。
悪態をつきまくった人は、みんな晴れ晴れととすっきりした顔で家路につきます。
終わりに
堂々と罵詈雑言を吐けるって最高のストレス解消ですよね。
江戸時代のお役人さんも粋なはからいを考えたものです。
あなたは悪態祭りで大声で罵声を浴びせますか?それともお供え物をゲットして来年のツキを呼び込みますか?
悪態祭りで1年のストレスを吹き飛ばしてしまいましょう。
ただ、家に帰ってからは悪態はつつしんでくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。