9月になるとギラギラした夏の暑さも和らいで秋の気配が漂い
移りゆく季節を感じられる四季のある日本に生まれてよかったと思いますね。
秋と言えば「中秋の名月」でお月見が頭に浮かびます。
みなさんはゆっくりお月さまを見たことはありますか?
私もその時期になると気になって外に出ますが
ここ数年は天気が悪かったような気が・・・・。
今年はもう少しお月見を楽しむために
中秋の名月の由来や時期などについて調べてみました。
中秋の名月の由来
中秋の名月の由来はいくつかあって正確なところは分かっていませんが
そのなかの主なものを二つご紹介します。
豊年祈願祭説
秋のこの時期は夏の農作業が落ち着き
稲刈りをするまでの間は忙しさが一段落するときです。
そしてこの時期に今年の稲の豊作を願うお祭をしたという説があります。
この説も祈願したのは稲の豊作ではなく、
芋類の豊作を祈ったとも考えられています。
それは中秋の名月が芋名月とも呼ばれていることから来ています。
中国起源説
もうひとつは中国から伝わったという説です。
中国には唐の時代から中秋節という風習があり
望月(中秋の名月)に月餅(げっぺい)や果物などを月に供えて
楽しむという習慣がありました。
この習慣が遣唐使によって中国から伝わり
日本でも広まったという説です。
どちらにせよ、昔の人はこんな風情のある素晴らしい風習を
よくぞ残してくれたものだと感謝してしまいますね。
中秋の名月っていつ?
中秋の名月は旧暦の8月15日の月です。
旧暦では7月から9月までを秋とし
真ん中の8月を中秋と呼んでいました。
明治初期まで暦(こよみ)は今のグレゴリオ暦ではなく旧暦を使っていました.
グレゴリオ暦は太陽の動き(季節)と月日のズレができるだけ少なくなるように
4年ごとに2月を1日増やして29日までとし、このズレを修正しています.
旧暦は太陽の動きではなく、月の満ち欠けをひと月の長さの基準にしていました.
新月から新月までの月の満ち欠けの周期は約29.5日なので
旧暦のままだと12ヶ月は354日ということになります。
現代のグレゴリオ暦は4年に一度だけ閏(うるう)月を決め
2月を29日までとして一日分増やしてその年を閏年とし
季節と月日のズレを修正しています。
旧暦は閏月をだいたい19年に7回(ほぼ3年に1回)の間隔で設け
30日をプラスして季節と月日のズレを修正していました。
複雑なことをしていたものですね。
閏月の挿入の仕方は今のように必ず2月のあとと固定されてはおらず
季節と月日のズレが大きくなってきたら閏月を入れていました。
そして閏月のある年の1年は13ヶ月になり
季節と月日のズレの修正を3年に1回まとめて行うため
同じ季節でも年によって月日が1ヶ月も前後してしまうこともありました。
従って中秋の名月の日の旧暦の8月15日を現代のグレゴリオ暦に直しても
ある一定の日に固定することはできず、年によって何日ものズレが生じ
中秋の名月の日は毎年変わります。
2020年までの中秋の名月の日は以下の通りです。
2015年・・・9月27日
2016年・・・9月15日
2017年・・・10月4日
2018年・・・9月24日
2019年・・・9月13日
2020年・・・10月1日
年によっては半月以上もズレていますね。
中秋の名月にすすきを飾ってお団子をお供えするのはどうして?
中秋の名月のイメージは満月とすすきとお団子ではないですか?
どうしてすすきとお団子なんでしょう?
これにもいろんな説があり、確定的なものはないようです。
まずはお団子ですが、お団子ってまん丸ですね。
この形を満月に見立ててお供えをするのだと言われています。
まん丸の形は満ち足りているとか円満であるという意味があり
縁起物だからだそうです。
続いてすすきはお月見の由来にも関係があります。
中秋の名月のお月見は稲の豊作を祈る行事でしたが
このときまだ稲はなく、稲に形が似ているすすきを飾ったということです。
実際、すすきはイネ科の植物ですからね。
ほかにもすすきの切り口は鋭く、魔除けとして飾ったという説もあります。
そしてお月見が終わっても捨てずに田んぼのあぜなどに刺しておいたそうです。
お月見を二度?
中秋の名月は旧暦の8月15日の月のことで、十五夜とも言います。
それから一ヶ月ほどあとの旧暦の9月13日を十三夜と言い
かってはこの日にもお月見をする習慣があり
今でもそうしている地方があるそうです。
そして十五夜にお月見をしたら必ず十三夜にもお月見をし、
十五夜だけでは「片月見」とされ、縁起が悪いと忌み嫌われていました。
参考までに旧暦の9月13日の十三夜がいつになるかは下記の通りです。
2015年・・・10月25日
2016年・・・10月13日
2017年・・・11月1日
2018年・・・10月21日
2019年・・・10月11日
2020年・・・10月29日
まとめ
中秋の名月の由来
- 稲の豊作を祈願するお祭りだった
- 中国の中秋節が遣唐使によって伝わった この二つの説が有力
中秋の名月は旧暦の8月15日のお月さまのことで、毎年違う日になる
団子をお供えするのは丸くて縁起がいいから
すすきを飾るのは稲の形に似ているのと、魔除けになるから
かってのお月見は十五夜と十三夜の二回行われていた
虫の音も聞こえてくる秋の夜長に庭に出て
昔の人は何を想いながら この月を見ていただろう
なんて考えながら中秋の名月を愛でるのも 風情があっていいですね~。
日本人って本当に風流ですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。