本を集中して読むためのトレーニング!自律訓練法とは?

私は読書好きというほどでもないんですが
本棚にある気になった本や読みかけの本など、読む量は別にして
本を読まない日はないくらい、毎日何かしらの本を読んでいます。

以前はそれほど面白くない本でも
「買ったからには読まないともったいない」と
内容もだいたいは理解しながら読んでました。

ところが最近は、哲学書や自己啓発本など
抽象的な内容の本を読んでいると、いろんなことが頭に浮かんできて
本を集中して読めなくなることが多くなりました。

ただ字面を追っているだけで内容が何も理解できていない
という「ただ読んでいるだけ」という状態です。

知りたい内容が書いてある本なので
なんとか本を読むときの集中力を上げたいと悩んでいたとき
自律訓練法というものがあることを知りました。

今回は自律訓練法とはどういったもので、どうやるのかをご紹介します。

 

 

 

自律訓練法とは?

 

人は循環器や消化器、呼吸器など自分の意思では調整できない器官があり
これらの器官を外部からの刺激や情報に反応してコントロールしているのが自律神経です。

そして自律神経には

  • 交感神経
  • 副交感神経

この二つがあり、それぞれ違う働きがあります。

 

交感神経

  • 心拍数と血圧を上げ、消化器官を休ませる
  • 身体を活動モードにする
  • 活動しているとき、緊張しているときに、ストレスや興奮を感じているときなどに働く

副交感神経

  • 心拍数と血圧下げ、消化器官を働かせる
  • 身体を休息モードにする
  • 眠っているとき、食事のとき、リラックスしているときなどに働く

 

このように交感神経と副交感神経は逆の働きをしていて
それがバランスよく働くことで心身ともに健康な生活が送れるわけです。

ところが過大なストレスでこのバランスが崩れると
交感神経のみが働きっぱなしになり
精神不安、記憶力の低下、集中力の欠如などの障害が起きてきます。

この状態を改善するために、副交感神経を優位に働かせ
リラックスすることを目的のひとつにするのが自律訓練法です。

深いリラックス状態を作り出すことでストレスを緩和したり
筋肉の緊張をほぐして疲労回復に役立ち
うつ病や神経症などの臨床場面にも使われています。

 

 

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自律訓練法のやり方

 

自律訓練法は非常に簡単で、準備と姿勢が整ったら
背景公式・第一公式~第六公式・消去動作で完了します。

なぜ公式というのかは私には分かりませんが
身体の部位をある状態であるように感じる一種の催眠です。
順に見ていきましょう。

 

◎準備と姿勢

  • できるだけ落ち着ける静かな場所で行う
  • 時計やネクタイなど身体を締め付けるものは外す
  • 椅子に座る場合は背中を伸ばして両手を膝にのせ
    足の裏は床にぴったりとくっつける
  • 寝て行う場合には仰向けに寝て、両手両足は少し開き
    全身の力を抜く

◎背景公式

  1. ゆったりした姿勢で深呼吸を2~3回繰り返し、気持ちを落ち着かせる
  2. 軽く目を閉じ、「気持ちが落ち着いている」と心の中で数回唱える
    目は閉じたまま第一公式から第六公式までを行う

◎第一公式

  1. 気持ちが落ち着いてきたら、「右手が重たい」と心の中で唱える
  2. 「左手が重たい」と心の中で唱える
  3. 「右足が重たい」と心の中で唱える
  4. 「左足が重たい」と心の中で唱える

◎第二公式

  1. 「右手が温かい」と心の中で唱える
  2. 「左手が温かい」と心の中で唱える
  3. 「右足が温かい」と心の中で唱える
  4. 「左足が温かい」と心の中で唱える

◎第三公式

  1. 右手を心臓に当てる
  2. 「心臓が静かに規則正しく鼓動を打っている」と心の中で唱える

◎第四公式

  1. 呼吸に意識を向ける
  2. 「楽に呼吸をしている」と心の中で唱える

◎第五公式

  1. 右手をお腹に当てる
  2. 「お腹が温かい」と心の中で唱える

◎第六公式

  1. 額に意識を向ける
  2. 「額が心地よく涼しい」と心の中で唱える

◎消去動作

自律訓練法は精神や筋肉を催眠状態に近づけるので
終了後は催眠状態から戻すために影響を取り去る消去動作が必要になります。

  1. 指の曲げ伸ばしを数回行う
  2. 背伸びを数回行い、深呼吸をする
  3. ゆっくり目を開ける

 

最初のころはどんな早さで行ったらいいかよく分からないかもしれません。
第二公式までですが、分かりやすい動画があったので貼り付けておきます。

 

 

自律訓練法は毎日継続してトレーニングすることが大切ですが
集中して本を読みたいようなときには、第二公式までの実践でも効果はあります。
重さや温かさ、涼しさを感じるように意識しますが感じなくてもそのまま次に移ります。

 

自律訓練法の注意点

 

既往症

自律訓練法には段階に応じて禁忌症(きんきしょう)があります。
禁忌症とはそのような症状の人は行ってはいけないという症状のことです。

  • 第一公式:肩こり
  • 第二公式:皮膚掻痒症
  • 第三公式:循環器疾患・心臓機能異常
  • 第四公式:呼吸器系疾患
  • 第五公式:出血性の消化器疾患・糖尿病
  • 第六公式:頭痛・偏頭痛・脳損傷など脳の既往症・気管支喘息

ほかに心筋梗塞、低血糖の人、被害妄想や誇大妄想を起こす人
精神病の人などは自律訓練法は行ってはいけません。

 

自律訓練法を行うときのコツ

自律訓練法の効果を引き出すために次の二つのコツに注意します。

  1. 同じ言葉を使う
  2. 受動的意識

同じ言葉を繰り返して使うことで暗示効果が高まります。

また、「重たい」「温かい」などの感覚は受動的に感じるようにします。
無理に感じようとすると、感じられなかったときにストレスとなります。
感じられなくても焦らず、感覚に意識を集中するだけで十分です。

 

最後に

 

ちゃんと集中して本を読みたいというときには環境も大切です。
テレビを見ながらなど、耳からの音で頭が何かを考えてしまう環境や
逆に静か過ぎるのも良い環境とは言えません。

適度に耳障りでない音が聞こえる環境が
読書に一番良い環境だと言われています。
小さなボリュームでヒーリングミュージックが流れている環境なんかいいですね。

 

自律訓練法はうつ病など精神疾患に効果があるとされていますが
本を集中して読みたいときは第二公式まででも効果はあります。
ただ、終わったらどの段階でも消去動作は必ず行ってくださいね。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。