花祭りにお釈迦様に甘茶をかける理由は?そうだったのか!

毎年4月8日は花祭りですね。
4月8日はお釈迦様が生まれた日とされ
お寺ではそのことを祝う行事が花祭りとして行なわれるわけです。

お釈迦様はイエス・キリスト、孔子とともに世界三大聖人の一人に数えられ
もし、この三人が現世に同時に生きていたら
地球上の戦争や飢餓などの悩みはすべて消えるだろう
とさえ言われるすごい人だったんです。

キリストの誕生日であるクリスマスはあんなに浮かれて騒ぐのに
それに比べて花祭りは寂しいものです。
若い人のなかには花祭りすら知らない人もいるんでは?

お葬式や法事でお寺との付き合いもあるのに
お寺の行事にもっと関心を持ってもよさそうなものなのに、と思ってしまいます。

ところで、花祭りには甘茶がつきものですね。
お釈迦様の像に甘茶をかけたり
お寺で甘茶をもらって飲んだことのある人もいると思います。

尊いお釈迦様の像に何かをかけるなんて不謹慎な気がしますが
どうして花祭りにお釈迦様に甘茶をかけるんでしょうか?

 

 

 

 

 

花祭りにお釈迦様の像に甘茶をかける理由

 

お釈迦様の誕生に由来があった

お釈迦様は紀元前5世紀ころに
インドの釈迦族の王子として生まれました。
お釈迦様という呼び名はここからつけられました。

生誕年には紀元前566年だとか紀元前466年だとか色んな説があり
誕生日についても中国暦の4月8日とされていますが
その根拠はどうも曖昧なようです。

生まれてすぐに7歩あるいて、右手で天を
左手で地を指して言ったとされる
「天上天下唯我独尊」という言葉は有名ですね。

さらに、その足跡から蓮の花が咲き
周りの草花も花を咲かせ、動物たちも集まってきた
という伝承もあるんですよ。

 

お釈迦様

 

シッダールタ(姓はゴーダマ)と名付けられた王子は
16歳で結婚して子供もいるのに、29歳のころに出家してしまい
厳しい修行を経て悟りを開いて説法を始め
その悟りが仏教として広まっていったのです。

お釈迦様が生まれるとき、天から九匹の龍が現れ
甘露の雨を降り注いだという故事があります。

そのため、お釈迦様の生誕を祝う花祭りでは、お釈迦様の像に
生まれたときと同じように甘露の雨をかけることとされていました。

甘露の雨というのは、経典では香油あるいは香水とされていて
昔は五香水とか五色水と呼ばれるものをかけていたようですが
それがどんなものなのかはよく分かりません。

想像ですが、5種類の香水だったのではないかと思います。

それがその後、今のような甘茶になったとのことです。
甘茶を使うようになったのは江戸時代らしいのですが
こちらもはっきりとはしていません。

 

 

甘茶って何?

私が初めて甘茶を飲んだのは、まだ小さい小学生のころでした。
何かカラフルな薄いお餅のようなものも食べた記憶があります。

お茶は渋いので苦手でしたが、甘いお茶ならと飲んでみましたが
私が予想していたものではなかったですね。
ほんのり甘く少しトロッとして、完全にお茶ではありませんでした。

それもそのはずで、甘茶というのは「アマチャ」という薬草
煎じたものだったからです。

 

アマチャ

 

アマチャの葉は発酵させることで甘味が生まれ
それを乾燥させて煎じたものが甘茶です。

甘茶の甘い成分であるフィロズルチンは砂糖の1000倍も甘いとされ
砂糖が普及する前には甘味料として使われていたそうです。

また、その薬効には抗腫瘍作用、抗アレルギー作用、殺菌作用、
食欲増進効果、利尿作用などがあるとされ
糖尿病患者に甘いものの代用品としても使われているとのことです。

甘茶を飲んだらトイレが近くなってしまうかもしれませんね。

 

 

Sponsored Link

 

 

花祭りという名前について

私たちには花祭りという名前が一般的なんですが
これは後から呼ばれるようになった名前で
それまでは

  • 灌仏会(かんぶつえ)
  • 降誕会(こうたんえ)
  • 仏生会(ぶっしょうえ)
  • 龍華会(りゅうげえ)
  • 浴仏衣(よくぶつえ)

などと呼ばれていました。

 

4月8日の関東地方は桜が満開になる頃ですね。
それで花祭りと呼ばれるようになったそうです。

お釈迦様は母親が里帰りする途中の
ルンビニーの園というところで生まれました。
そのルンビニーの園には美しい花が咲き乱れていたそうです。

それで、中に釈迦像を安置する「花御堂(はなみどう)」
ルンビニーの園に見立てられ、たくさんの花々で飾られているんです。
花祭りという名前にふさわしいですね。

 

 

まとめ

 

花祭りにお釈迦様に甘茶をかける理由

  • お釈迦様が生まれるときに九匹の龍が現れ、甘露の雨が降り注いだ
  • お釈迦様の誕生日に甘露の雨として、像に五香水あるいは五色水をかけることとされた
  • それがいつの間にか甘茶に代わった

甘茶はアマチャという薬草を発酵させて煎じたもの

 

もともとはインドで行なわれていたという花祭りも
今では日本古来の仏教行事として扱われます。

でも、最近はあまり花祭りのことは話題に上がりません。
我が家でも、お盆やお彼岸は行事として行ってますが
花祭りのことを話すのは私だけです。

子供もクリスマスは知っているのに花祭りは知りませんし
大体、お釈迦様が何をした人なのか知らないでしょう。
これは我が家だけに限ったことではないと思います。

こういった伝統文化が廃れていくのは寂しい限りです。
その原因は葬式仏教化してしまったお寺にもあるのでしょうが
心の拠り所を持たない日本人が増えたということなのでしょうか・。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。