10万年に一秒の誤差の精度という電波時計。
ソーラー電波時計なら、時刻合わせも電池の交換も
時計に関しては何もすることないと、ソーラー電波腕時計を購入しました。
ところが10万年も待つことなく、狂ってしまいました。
ちょっと見づらいかもしれませんが、これは両方共ソーラー電波腕時計で
二つの腕時計は日付と長針と短針は合ってますが秒針の位置が違っています。
正確なのは左側の腕時計で、ラジオのピッ、ピッ、ピッ、ポーンという音と同時に秒針が真上に来ます。
ところが右側の腕時計は秒針が15秒ぶんほどずれてしまっています。
せっかくメンテナンスフリーが魅力でソーラー電波腕時計を買ったのに
ちょっとどころかだいぶがっかりしてしまいました。
壊れていない電波時計でも狂うことがあるんでしょうか。
そして、再び正確な時間に合わせる方法はあるんでしょうか。
電波時計のしくみ
電波時計が狂うことがあるかどうかを確かめる前に
電波時計のしくみをみてみることにします。
電波時計は元素番号55番のセシウムの特性を利用しています。
セシウムは91億9263万1770ヘルツの周波数のみに反応するので
この周波数を元に正確な1秒を割り出して、標準時を作ります。
セシウム原子時計から作った標準時間を2進法でタイムコードに変換して
標準電波を作り、福島県田村市にあるおおたかどや山標準電波送信所と
佐賀県佐賀市と福岡県糸島市の境にあるはがね山標準電波送信所から発信しています。
(画像提供:国立研究開発法人 情報通信研究機構)
電波送信所から発信された標準電波を、電波時計に内蔵されたアンテナで受信し
タイムコードを解析して時刻に変換して表示します。
ただ、電波時計は常に標準電波を受信しているのではなく
一定時間ごとに標準電波を受診して、時刻やカレンダーの補正をしています。
標準電波を受信していないときには、通常のクォーツ時計として動いています。
電波時計が狂うのは?
このように電波時計はいろんなプロセスを経て
正確な時刻を刻むことが可能になります。
このプロセスの一つでも正確に進まないと電波時計でも狂ってしまいます。
順番に見ていきましょう。
◎標準電波の発信
標準電波を作ること、送信所から標準電波を発信することについてはまず問題ないでしょう。
ただ天変地異などの影響で送信所の機能がストップすることは考えられます。
東北大震災のときにおおたかどや山標準電波送信所は
福島第一原発から17キロの距離にあったため
職員全員が避難して送信が止まりました。
はがね山標準電波送信所の電波は福島以北には届かないため
福島以北では電波時計が狂ったということがありました。
今では二つの電波送信所は正常に稼働していて問題はありません。
◎標準電波の受信
こちらはいろいろ考えられます。
1.標準電波を受信できない
ビルの谷間やトンネルの中では電波を受信できないので
時計の自動修正ができません。
この場合は電波を受信できる場所に移動して、強制受信すれば大丈夫です。
2.電波時計の故障
日本のお家芸である精密機器でできている電波時計ですが
故障がないとは言い切れません。
メーカーのサポートページを見ても、いろんな対処法を施しても
修正できないときは故障が考えられますと書いてあります。
3.電波時計のバッテリー不足
ソーラー電波腕時計によくありがちですが
腕時計が服の袖に隠れて太陽光が遮られていると
バッテリーが不足して電波を受信できなくなってしまいます。
直射日光が当たる窓のそばなどに置いてしっかり充電すればオーケーです。
4.針のズレ(アナログの場合のみ)
正確に言えば電波時計の狂いではないのですが、私の時計はこれでした。
標準電波も受信していて補正もしていたのですが
針がズレていたために、時計が狂っているように見えたんです。
メーカーのサポートページでこういった不具合もあることを見つけて修正しました。
二つとも秒針が合ってますね。
5.違う機能を選んでいる
こちらも電波時計の狂いではありません。
最近の腕時計は実にいろんな機能がついています。
その機能のうち、サマータイムや別都市の時刻表示を選んでしまっていると
違った時刻表示になってしまうので、通常時刻やホームタイムの時刻にします。
6.時刻補正のタイミング
電波時計は常に時刻補正をしているわけではなく
何時間かおきに標準電波を受信して時刻の補正をかけています。
そのタイミングのときにしょっちゅう電波を受信できない環境だと
時刻補正ができずに狂うこともありますが
そのときでもクォーツ時計としての精度はありますから
それほど気になる狂いではないでしょう。
電波時計の合わせ方は?
電波時計が狂ってしまったら悲しいですよね。
でも故障でない限りは自分で合わせられます。
ただ電波時計には実にたくさんの機種があって
合わせ方も機種によって違い、いろんな操作方法があります。
日本のメーカーで電波時計を製造しているのは
セイコー、シチズン、カシオが3大メーカーです。
以下に各メーカーの電波時計の時刻を合わせるヘルプページを紹介しますので
参考にしていただけたら幸いです。
セイコー
https://www.seiko-watch.co.jp/support/function/wave.php
シチズン
http://citizen.jp/cs/guide/h410/index.html
カシオ
http://support.casio.jp/information.php?cid=002&pid=1305
これは余談ですが、私の電波時計はカシオです。
時刻表示を直そうと思ってサポートセンターに電話したら
取り扱い説明書を無料(郵送料もタダ)で送付してくれるとのことでした。
すごいサービスだなぁと感心してしまいました。
まとめ
・電波時計のシステムはいくつものプロセスで成り立っている。
・電波時計が狂うのは、電波を受信できない、バッテリーが不足している
故障などが考えられる。
・故障でない限り、電波時計の狂いを合わせることはできるが
全てのメーカーや機種に対応できる合わせ方はなく
メーカー・機種別に対応しなければならない。
私はハイテクの粋を尽くした電波時計が狂ってしまったら
あきらめるしかないと思っていました。
でも調べていくうちに、故障でなければ自分で修正できると知り
実際に秒針合わせに成功しました。
みなさんの中にも電波時計の狂いで困っている方がみえたら
メーカーのヘルプページを参考にしてチャレンジしてみることをオススメします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。