小馬寺(豊田市の廃寺)に行ってきました!歴史ある廃寺でした

愛知県に住んでいるツーリング仲間の友人が、私が廃墟好きなのを知って豊田市に小馬寺(こまでら)という知られた廃寺があるという情報を寄せてくれました。

それは是非行かなければと7月と9月にツーリングの予定を立てたんですが、2日とも大雨で中止に。

3度めの正直で10月のとても天気の良い日に、その友人も含めて総勢5人で小馬寺を訪れるツーリングをスタートすることができました。

今回は荒廃した小馬寺の様子をご紹介します。

 

 

道が分からん!

今回はよく知っている恵那市明智町から県道356号線を通り、矢作川に架かる矢作ダムを経由して行くことになりました。

矢作ダムは過去に通過したことはありましたが停車して見たことはなかったため、ライダーたちがたくさんいたのと、ちょうど休憩する時間帯だったのでここの駐車場にバイクを停めて休むことにしました。

バイクを降りて展望台のような所に行ってみると結構な眺めで、黒部ダムの小型版といった感じでした。

 

 

その後、奥矢作湖の横を通り段々と目的地に近づいているのを感じていました。

小馬寺は廃寺になってかなり経つので地図にも記載がなく、ネットで調べても正確な場所が分からなかったんですけど、駒山の山頂付近にあるとのことだったので、駒山を目指してました。

そろそろだなぁというところまで来て、スマホでグーグルマップの経路を頼りに進んだんですが、工事用の道路が何本もつけられていて山中で30分以上もいろんな道を走り回りました。

何本もの道を通ったあげく、この道でだめだったら諦めようと最後に通った未舗装路を少し進んだところ、突然前方に崩壊した建物が現れました。

それが小馬寺でした。

 

完全に崩壊した本堂

そこには完全に崩壊した本堂とまだ原型をとどめている庫裏(くり・住職やその家族の住居)がありました。

 

 

私達は写真の右側にある道を写真の奥のほうから来ましたが、手前が本堂、後ろにある瓦葺きの家が庫裏です。

庫裏の状態に比べて本堂が完全に崩壊しているのが気になります。

庫裏の内部もかなり傷んでましたが、そこに使われている桁柱は一辺が50センチくらいある立派なものでした。

 

 

それに比べて本堂の崩壊跡には太い柱が見当たらなかったので、それが本堂のより早い崩壊を招いたのでしょうか。

 

立派な山門

「小馬寺には山門があるはずだ」と友人が言っていたので、5人で本堂の周りを見てまわりました。

すると、探すこと5分。

私達が通ってきた道の下の木々の間から何やら屋根のようなものが。

早速、急な狭い石段を下り、さらに細い山道を進むと立派な山門がそそり立っていました。

 

 

三階建てと思われる高さで写真ではよく分かりませんが、色こそ塗ってないものの京都の有名寺院にも引けを取らないほどの大きさの山門です。

 

 

欄間?には猿の彫刻が施してあって、かなり凝った造りの山門ですが、ここも崩壊が進んでいて、いつ崩れてもおかしくないような状態です。

驚いたことに、崩壊した部分には釘が一本も見当たりませんでした。

階段があったので二階に上がってみましたが、二階の踊り場の床板がもろくなっていたのでそれ以上は進むことができません。

そこから中を覗くと彩色してあるものが置いてあり、かってはこの山門ももっときらびやかであったと推測されます。

 

 

この山門にはかなりの訪問者があったようで、そこらじゅうが落書きだらけでした。

いろんな落書きを見ていると「昭和37年」と書かれたものがあり、ここはもう50年以上も前に無人化していたのだと分かりました。

50年以上も放置されていたのにこの状態を保っているのは、写真では分かりにくいですが屋根に銅板が貼られていて、それが雨水の侵入を防いで木材を腐食から守っていたからだと思います。

山門から本堂へ戻る階段のところに写真のような石仏が立っていて、横に「文化七」という文字が読み取れます。

 

 

文化七年は西暦で言うと1810年です。

「200年以上も前に立てられた石仏かぁ」と思うと感慨深いですね。

 

小馬寺とは?

小馬寺は今から1300年以上も前に創建されたお寺だそうで、修行僧も数百人いたそうです。

今で言う延暦寺や永平寺のようなお寺だったのでしょうか。

また、駒山という山の名前からも分かるように、かってここら一帯は馬の産地であり、小馬寺も馬を守るお寺として知られていたそうで、寄進された大きな千匹絵馬が飾ってあったそうです。(現在は豊田市が保管)

 千匹絵馬は縦が1間(約1.8m)横が約2間(約3.6m)の大きなもので、これだけ大きなものを寄進されたとすると、檀家もかなりの多さだったと想像できます。

しかし、こんな山奥の地にもモータリゼーションの波が押し寄せ、馬の需要が減って住んでいる人も檀家も減ってついには住職のいないお寺となってしまいました。

 

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終わりに

私が見た小馬寺は、山門の大きさからして本堂がやけに小さいと感じました。

崩壊の進み具合からして建ったのは本堂のほうが先のようですが、このような小さな本堂に何故あんなに大きな山門が必要だったのかという疑問が残ります。

もっともこの山門が廃墟好きにはたまらない物件になっていて、山門がなければ小馬寺はただの「崩壊した家」でしかありませんものね。

 

 

上の標識は小馬寺から30mほど山を登ったところにありました。

もし、小馬寺に行かれるなら駒山山頂を目指すといいですよ。

ただし、あくまでも自己責任でお願いします。

また、途中は細い未舗装の山道なので一人で行くのはおすすめできません。

 

帰りに稲武にある「どんぐりの湯」で温泉に浸かってきました。

ここは浴槽がいくつもあってサウナもあり、私が今まで行った日帰り温泉の施設の中ではベストスリーに入る温泉です。

稲武方面に行かれるときには一度立ち寄ってみてはいかがですか。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。