車を運転していると、前の車やすれ違う軽自動車が黒いナンバーをつけていることがあります。
軽自動車のナンバーは黄色だと思っていたんですけど、ナンバーの色が違うということは何か意味があるのだと思います。
今回は黒ナンバーの意味や黒ナンバーをつけることのメリットやデメリット、どうすれば黒ナンバーを登録取得できるのかについて調べてみました。
黒ナンバーとは?
黒字に黄色文字のいわゆる黒ナンバーは、営業用(事業用)軽自動車に使われるナンバーです。
営業用の自動車で真っ先に思い浮かぶのはタクシーなんですけど、「運ぶことを業務」としている自動車が該当し、他には路線バスや観光バス、運送用のトラックなどがあり、これらの車のナンバーは緑地に白文字の緑ナンバーをつけています。
営業用自動車の軽版が営業用軽自動車で、軽自動車を使って運賃を得ている仕事をしている車のナンバーが黒ナンバーというわけです。
営業用自動車(営業車)とよく似たものに商用車がありますが、これは「運ぶものが自分のものかどうか」によって違います。
自社の品物を運ぶ場合には、運ぶことによって営業が成り立っているわけではないので営業車ではなく商用車になり、白ナンバーになります。
黒ナンバーのメリット
黒ナンバーの車が走っているということは何かメリットがあるからなんですが、黒ナンバーにはどんなメリットのかみてみましょう。
自動車税が安い
車を所有していれば乗っても乗らなくてもいろんな税金が課され、その中のひとつに地方税である自動車税があります。
軽自動車は軽自動車税ということになるんですけど、黒ナンバーの軽自動車はそれが安くなります。
軽自動車の自動車税の区分は、自家用乗用軽自動車、営業用乗用軽自動車、自家用貨物軽自動車、営業用貨物軽自動車の4つに分類されます。
ややこしいんですけど、乗用は5ナンバー、貨物は4ナンバーということです。
(4ナンバーの車には後部座席の面積が荷台の面積より小さくなくてはならないなど、いろんな制約があります。)
そして、それぞれの軽自動車税は平成27年4月1日以降に新車登録された場合、1年間の料金は次のように決められています(平成27年3月31日以前に新車登録された場合は少し安くなってます)。
- 自家用乗用軽自動車 10,800円
- 営業用乗用軽自動車 6,900円
- 自家用貨物軽自動車 5,000円
- 営業用貨物軽自動車 3,800円
その差は1年間で7,000円。けっこうな金額になります。
重量税が安い
軽自動車を所有していれば軽自動車税のほかに国税である重量税も徴収されますが、こちらも黒ナンバーは優遇されています。
- 自家用乗用車 3,300円
- 営業用貨物車 2,600円
と差はわずかですが安くなります。
ナンバー取得上のメリット
営業車は軽自動車だけでなく普通自動車にもありますが、普通自動車に比べてナンバーを取得する上でいくつかのメリットがあります。
1台でも申請できる
自動車を営業者として登録する場合には、運輸局に運送業を始めるという手続きが必要で、普通自動車なら複数台を確保しなければいけませんが、軽自動車なら1台でも申請できます。
ナンバーの取得が早い
普通車での営業ナンバーの取得は許可制であり、設備や車両が要求されている基準を満たした上で試験を受けなければなりません。
一方、軽自動車の場合は届出制のため、必要なものを揃えて申請して問題がなければその日のうちすぐにナンバーを取得できます。
黒ナンバーのデメリット
任意保険が高くなる
営業用の車はどうしても走行距離が長くなりますので、事故を起こす確率も増えるために保険料が高くなります。
新車購入や車検のときに支払う自賠責(自動車損害賠償責任保険)はどちらも24ヶ月で25,070円(2018年4月現在 沖縄県や離島は別)と同じなのですが、任意保険が高くなります。
しかも自家用と比べるとかなり割高になります。
保険料は保険会社によって違うんですが、自家用と比べるとおよそ2~3倍ほどです。
また、黄ナンバーから黒ナンバーに変更した場合には黄ナンバーの任意保険の割引は引き継げず、新規契約になります。
通販系の保険会社では黒ナンバーの任意保険を扱っているところが少ないというのもデメリットでしょう。
黒ナンバーを取得するには?
黒ナンバーを取得するには、軽自動車で貨物運送の事業を行うという届け出が必要になり、その事業で使用する軽自動車を登録することになります。
事業を行う住所を管轄する運輸支局で手続きを行い事業用の書類の交付を受け、そのあと管轄する軽自動車検査協会でナンバーを取得することになります。
運輸支局の手続きに必要なもの
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書(提出用と控え用の2部)
- 運賃料金設定届出書(提出用と控え用の2部)
- 運賃料金表
- 事業用自動車等連絡書
- 車検証のコピー(新車の場合は車台番号が確認できるもの)
必要となるものの様式は各運輸支局のホームページに詳細が公開されています。
(全国の運輸支局はコチラから確認することができます。)
(全国の軽自動車検査協会はコチラから確認することができます。)
終りに
街でよく見かけるようになった黒ナンバーの軽自動車。
自動車税や重量税が安い代わりに、任意保険がべらぼうに高かったんですね。
車を運転するときには任意保険への加入は必須ですから入らないわけにはいきません。
でも、最初のうちは自動車税や重量税の安さなんか吹っ飛んでしまう高い料金です。
黒ナンバーの取得は、任意保険料の料金なんか簡単に捻出できるくらい事業で利益を出せる計画がないと意味がないということですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。