クエン酸は疲労回復によいとされ、私もテニスをするときにはスポーツドリンクにクエン酸を溶かして飲んでいます。
かっては筋肉の疲労が蓄積すると乳酸がたまり、クエン酸はその乳酸を排出してくれるので疲労回復の促進に良い、と考えられていましたが現在ではその考えは否定されていて、乳酸は疲労物質ではないという考えが主流です。
疲労を感じるのは細胞がダメージを受けているからで、そのダメージを修復しないことには疲労感はなくなりません。
細胞ダメージを修復するのに必要なのがアデノシン三リン酸で、クエン酸回路という働きのなかでつくられていて、クエン酸回路を動かす燃料となるのがクエン酸なのです。
そのクエン酸が便利な掃除グッズとしても使えると話題になっていますが、どんな汚れに有効なんでしょうか?
今回はクエン酸が汚れを落とす仕組みや、どんな汚れに使えるのかを調べてみました。
クエン酸が汚れを落とすメカニズム
クエン酸と聞くと、レモンやグレープフルーツ、梅干しなどの酸っぱいものを想像しますね。
「酸っぱいもの=酸性」で、クエン酸はph(ペーハー)が2~3くらいの酸性の物質です。
酸性のものはアルカリ性のものを中和するので、中和によってアルカリ性の汚れが分解されて落ちるというのがクエン酸が汚れを落とすメカニズムです。
酸性のものならクエン酸でなくても、酢でもワインでもいいんですけど高いですよね。
だから安く手に入って疲労回復効果も高いクエン酸が掃除用品として見直されているんです。
クエン酸で落ちる汚れは?
上にも書いたようにクエン酸で落ちるのはアルカリ性の汚れだけなんですが油汚れは酸性ですし、実はアルカリ性の汚れってそんなに多くないんです。
でもアルカリ性の汚れって結合が強く、頑固でなかなか落ちてくれません。
そんな厄介なアルカリ性の汚れで気になるのがお風呂や洗面所の水垢で、鏡やお風呂の椅子についてしまった水アカは、お掃除のときのなかなか綺麗にならない悩み事のひとつです。
水垢の主成分は石灰(炭酸カルシウム)でありアルカリ性なので、クエン酸で分解して落とすことができ、クエン酸を水に溶かしてクエン酸水にしてスプレーボトルに入れて使います。
クエン酸水の作り方
- スプレーボトルにクエン酸を小さじ1杯ほど入れる。
- 次に水を100ccほど入れる。
- キャップをつけてよく振ってクエン酸を溶かす。
クエン酸を使った鏡の水垢取りの動画がありましたのでご紹介します。
上の動画では最初は水垢があまり取れていませんでしたがこれは二時間という放置時間が短いためで、半日くらい放置すれば研磨パッド(ダイアモンドパッド)も必要ないくらいよく落ちます。
クエン酸水で綺麗になる汚れには他にも次のようなものがあります。
- 浴室の床の黒ずみ
- シャワーヘッド
- 浴室の小物
- 水洗タンクの水垢
- 便器の尿石
尿石は尿に溶けているカルシウムイオンが結晶化してこびりついたもので、尿の色がついて黄色くなってしまいさらにイヤな臭いも発生させます。
便器は液体が下に流れ落ちる構造になっていますので、尿石を落とすときにはクエン酸水の濃度を通常の3~4倍にして使います。
クエン酸水を使うときの注意点
水垢や尿石を落とす便利なクエン酸水ですが、使うときには注意すべきこともあります。
◆金属を腐食させる
薄めているとはいえクエン酸水も酸であり、金属を腐食させてしまいます。
鏡の裏に塗ってあるのは水銀ですし、流し台のシンクもステンレス製のことが多いです。
なるべく金属にはかけないようにして、かかってしまったら大量の水で洗い流しましょう。
◆塩素系のものと混ぜてはダメ!
塩素系の漂白剤やカビ取り剤などとクエン酸水を混ぜると塩素ガスが発生します。
塩素ガスは猛毒であり、カビ取り剤を使用した浴室の壁にクエン酸水をかけた主婦が死亡したという事故もありました。
塩素系の漂白剤に混ぜるな危険と表示されているのはこのためです。
◆大理石が痛む
高級感のある建築材料として使われる大理石は学術的には結晶質石灰岩と言われ、石灰(炭酸カルシウム)が主成分になっているため、酸性のものをかけると表面が荒れてしまって汚れが入り込んでしまいます。
浴室の壁材などに大理石が使われていたら、クエン酸水がかからないように注意しましょう。
まとめ
- クエン酸で落ちるのはアルカリ性の汚れだけ
- クエン酸はクエン酸水にして使う
- クエン酸水を使うときの注意点
金属を腐食させる
塩素系のものと混ぜると危険
大理石を痛める
以前は浴室の鏡や椅子はメラミンスポンジを使っていたんですけど、メラミンスポンジって表面に細かいキズがついてしまうんですね。
鏡は曇り止めが効かなくなってしまいましたし、椅子は汚れがつくのが早くなってしまいました。
こうなってしまってはどうしようもありませんが、これからはクエン酸水を積極的に使っていきたいと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。