サイトアイコン 日々是好日

牡蠣にあたるときの時間は食べてからどれくらい?対処法は?

冬の味覚と言えば、脂が乗る魚介類が思い浮かびますね。
カニや寒ブリ、あんこうなど想像するだけでお腹が空いてきます。

中でも牡蠣はカニや寒ブリなどと違って比較的安く手に入るので
カキフライ、牡蠣鍋、焼き牡蠣などいろんな食べ方で楽しめます。
新鮮な生牡蠣にポン酢をかけて食べる酢牡蠣なんて最高です。
だけど、牡蠣はあたるのが心配ですね。

私は牡蠣にあたったことはないんですが
義父が牡蠣を食べ、最初は何ともなかったのですが
二日後にひどい下痢と嘔吐の症状が出てフラフラになり
それからは牡蠣は食べなくなりました。

牡蠣にあたるときって食べてからどれくらい時間が経ってからなんでしょう?
また、牡蠣にあたったらどう対処すればいいんでしょう?

 

 

 

牡蠣であたって症状が出る時間は原因によって違う

牡蠣にあたる原因はひとつだけと思っていましたが
どうもそうではないようです。

牡蠣にあたる原因は大きく分けて

この三つがあり、細菌とウイルスの中で代表的なものが
腸炎ビブリオノロウイルスです。

これらについて、潜伏期間と症状、対処法を順に見てみましょう。

 

貝毒

牡蠣は海水中のプランクトンを餌として食べています。
そのプランクトンが毒性のあるものだと
毒が牡蠣の中に蓄積され、その牡蠣を食べるとあたってしまいます。
これは牡蠣に限ったことではなく、他の貝でも起こり得ます。

牡蠣が食べる貝毒は海水温が上がり始める3月から5月に発生し
下痢性貝毒、麻痺性貝毒、アサリ毒などの種類があり
加熱によっても無毒にならない厄介な毒です。

 

下痢性貝毒

潜伏期間:食後30分から4時間
症状:下痢・嘔吐・吐き気など消化器系の障害
重篤化することはなく死亡例はない
対処方法:水分補給・自然治癒

 

麻痺性貝毒

潜伏期間:食後30分
症状:唇、舌のシビレから始まり、シビレが全身に広がる
最悪の場合、シビレが麻痺に進行し呼吸困難で死亡することもある
対処方法:胃の洗浄 呼吸困難の場合は人工呼吸

 

アサリ毒

潜伏期間:食後1日程度
症状:悪寒・嘔吐・倦怠感・皮下出血班
2~3日後に口内、歯ぐき、鼻などの粘膜から出血
重症の場合は死亡することもある
対処方法:胃の洗浄 呼吸困難の場合は人工呼吸

 

 

 

 

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは海水や海泥に住んでいる細菌で
海水温が上昇(20℃以上)すると増殖し、魚介類を介して発症します。
加熱することで死滅し腸炎ビブリオで死ぬようなことはほどんどありません。

 

腸炎ビブリオ

潜伏期間:食後2~20時間
症状:腹痛・下痢・嘔吐・発熱
対処方法:水分補給・自然治癒

 

 

ノロウイルス

寒い時期の食中毒予防にノロウイルス対策というのは
市町村の広報でもさかんに報じられてますね。

ノロウイルスが活躍する時期は11月から3月にかけてで
これは牡蠣の旬の時期と重なります。

牡蠣がノロウイルスを元から持っているわけではなく
ノロウイルスに感染した人間の糞尿に含まれるウイルスが
下水や生活排水を介して海に流れ、それが牡蠣の体内に蓄積され
その牡蠣を食べると感染するというわけです。

ノロウイルスは加熱すると死滅するので
しっかり加熱してから食べればあたることはありません。
また、あたっても2~3日で症状は軽くなっていくのが普通です。

 

ノロウイルス

潜伏期間:24時間~72時間
症状:吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・発熱
対処方法:水分補給・自然治癒

 

 

牡蠣にあたっても、下痢や嘔吐など消化器系の障害なら
死んでしまうようなことはありませんが、お年寄りや乳幼児など
免疫力が低い状態だと重症化するので注意が必要です。

 

 

牡蠣は危ない?

 

貝毒への対処

貝毒は加熱しても無毒化できないなら
何をしても食べられないんじゃないの?と思ってしまいますよね。

各都道府県の水産担当部局はプランクトンや牡蠣を検査して
基準値を上回る貝毒が認められると、牡蠣を出荷停止にします。

それでも貝毒にあたってしまうのは
病気などで抵抗力が落ちている人が食べたのが
原因のひとつと考えられています。

 

生食用牡蠣と加熱用牡蠣

新鮮な牡蠣なら生で食べても大丈夫、と思っていませんか?
貝毒であろうとノロウイルスであろうと新鮮さは関係ありません。

綺麗な海で穫れた牡蠣は生で食べても大丈夫だけど
汚れた海で穫れた牡蠣は生では食べられないということです。
これが生食用牡蠣と加熱用牡蠣の違いです。
もちろん貝毒の検査はしてますよ。

生食用牡蠣には消費期限や加工者はもちろん
加熱用牡蠣にはない採取海域まで表示義務があり
万が一、生牡蠣の食中毒が疑われる場合には
採取海域まで遡って調査を行います。

 

 

まとめ

一口に「牡蠣にあたる」と言っても、その原因は様々で
発症するまでの時間や症状も原因ごとに様々であることが分かりました。
発症するまでの時間(潜伏期間)の目安は

 

  • 食後早い時間に症状が出始めたら貝毒
  • 食後2時間から20時間くらいで症状が出たら腸炎ビブリオ
  • 食後1日から3日で症状が出たらアサリ毒かノロウイルス

 

こんなところではないでしょうか?
アサリ毒は皮下出血班という他とは違った特徴があるので
分かりやすかも知れません。

とにかく、牡蠣を食べてあたったと思えるような症状が出たら
すぐに医療機関での診察を受けるようにしましょう。

下痢や嘔吐のときに自分でできることは
水分補給をしっかりして栄養補給をすることくらいです。

このとき、下痢止め薬を服用することはおすすめできません。
下痢や嘔吐をするということは、身体がウイルスや菌を
体外に排出しようとしているからです。

この働きを抑えてしまうと、かえって症状が長引くことになります。
症状が治まってきたら医師の指示で使用することもありますが
素人判断で下痢止め薬を勝手に服用するのはやめましょう。

ノロウイルスは食品を食べるだけでなく、調理器具を介しても感染します。
生の魚介類を調理した包丁やまな板は
その都度、洗剤で洗ったり熱湯をかけたりして消毒するようにしましょう。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。