多くの人は誰でも一定の期間ごとに美容院や床屋に行って髪の毛をカットしていると思うんですけど、けっこう面倒くさいと感じませんか。
髪の毛がある程度の長さまでしか伸びないならカットをする回数も減って便利ですよね。
眉毛や胸毛などの体毛はそれほど長くならないのに、どうして髪の毛はどんどんと伸びるんでしょうか。
逆に、髪の毛の寂しい人にとって髪の毛を早く伸ばすにはどうすればいいのでしょうか。
髪の毛はなぜ伸びる?
寿命が長いから
すべての体毛には毛根があって、体毛はその毛根の下の方で作られて伸びていきます。
ですから毛根の寿命が長ければそれだけ体毛が成長する期間も長くなります。(厳密には休止期や成長期、退行期という毛周期があるのですが。)
体毛の長さは成長するスピードと成長する期間によるわけで、体毛の中で一番成長スピードが早いのが男性のヒゲ(0.4mm/日)です。
そして二番目に成長スピードが早いのが髪の毛(0.3mm/日)です。
髪の毛以外の体毛の毛根の寿命は3ヶ月くらいだと言われていて、それに比べて髪の毛の毛根の寿命はその20倍もの5年くらいと言われています。
髪の毛は成長スピードが早く、成長する期間も長いので必要以上に長くなるのは当たり前ということになります。
とまぁ生物学的に言えばこうなるんですけど、それでは何のために長くなるのかということが知りたいですね。
その前に髪の毛の役割について見てみましょう。
髪の毛の役割
頭皮の乾燥を防ぐ
髪の毛は脳という一番大切な臓器が入っている頭を守っています。
頭への衝撃から守ることもそうですが、頭皮の乾燥を防いで頭皮を柔軟に保つという役割もあります。
乾燥した肌はダメージを受けやすいので、髪の毛がそれを防いでいるわけです。
有害物質を排出する
体内に取り入れられたヒ素や水銀などの有害ミネラルは血液に乗って体内をめぐり、体毛の毛乳頭にあるメラニン色素と結合して蓄えられます。
そして体毛が抜け落ちることによって体外に排出されていきます。
どの体毛にもこの排出機能はありますが、髪の毛は太いために他の体毛よりも多くの有害物質を貯め込むことができ、それだけ有害物質の排出機能が高いと言えます。
紫外線の直射を防ぐ
太陽光は地球上の生物にとって無くてはならないものですが、人間にとってその必要な照射時間はわずかなものです。
逆に太陽光に含まれる紫外線を浴びすぎると皮膚がんや皮膚病になる恐れがあるため、髪の毛がそれを防いでいるわけです。
感覚器官として働く
髪の毛には神経はありませんが、毛根には知覚神経が密集していてわずかな刺激も感じることができます。
この刺激を感じることで、大切な頭に危険が迫ったときでもいち早く気づくことができるのです。
髪の毛にはこのような役割が考えられているんですが、長いほどいいのは有害物質排出機能だけで、その理由なら他の体毛も長くていいはずです。
髪の毛だけが他の体毛より長くなければいけない理由は見つかりません。
ただつぎのようなことは言えるのではないでしょうか。
人類は長い歴史の中で徐々に体毛を失ってきました。
人類の祖先が誕生したのは今から数百万年以上も前のことで、その頃には髪の毛が伸び続ける理由があったのでしょう。
その後の進化の過程で体毛を徐々に失い、髪の毛が伸び続ける理由もなくなってしまいました。
それでも頭は一番大切なところなので退化する順番が一番遅くなり、今でも髪の毛は伸び続けているのではないのでしょうか。
人間が多少なりとも文明的な生活をおくるようになったのは、人類の歴史から見ればごくわずかな期間に過ぎません。
今後もっともっと進化が進めば髪の毛も退化してしまうかもしれませんね。
現代人が旧人類と言われるようになる頃には。
髪の毛を早く伸ばすには?
私なんかは髪の毛なんてそんなに早く伸びなくていいと思ってますが、中にはもっと早く伸びてほしいと思う場合も多くあることでしょう。
髪の毛を早く伸ばすにはどうすればいいんでしょうか。
就寝時間に気を配る
身体の成長に欠かせない成長ホルモンは髪の毛の発育にも影響しています。
成長ホルモンは寝付いてから2時間後くらいに出始め、4時間ほど分泌が続きます。
仕事がある場合には起床時間は決まってしまいますので、このことを考慮に入れていつベッドに入ったらいいのかを考えて就寝するようにします。
食事に気を配る
人の身体は食べたものでできています。
髪の毛の成長には女性ホルモンが関係していると言われていて、その影響で女性は髪の毛が伸びるのが早いと言われています。
髪の毛の成長に関係している女性ホルモンがエストロゲンで、そのエストロゲンに似た成分を持つものが大豆イソフラボンです。
大豆イソフラボンはその名前の通り大豆に多く含まれていて、納豆や豆乳など大豆製品を摂取することによって髪の毛の成長に効果が期待できます。
大豆イソフラボンは他にも骨を丈夫にしたり、生活習慣病を予防したりといろんな効果が期待できます。
髪の毛のためだけでなく、日頃から摂取したいもののうちのひとつです。
頭皮を清潔にする
髪の毛も生きていますから環境が悪くなると成長に悪影響が出ます。
頭皮を汚れたままにしないよう洗髪に気を配りましょう。
かと言ってあまり頻繁に洗髪しすぎると必要な皮脂まで取れてしまい、頭皮が傷んでしまいますので自分にあったペースやシャンプーで洗髪するようにします。
終わりに
髪の毛の長さ世界一を調べてみたら、なんと21mという記録がありました。
これはもう髪の毛の成長スピードや毛根の寿命などとは別の話です。
日本人でも10代の少女が155.5cmというギネスレコードを記録したそうです。
この女の子も尋常なヘアサイクルの持ち主ではありませんね。
ちなみに、ヒゲの長さ世界一は5.33m。
どうやって手入れしていたんでしょう?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。