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警視庁と警察庁の違いを分かりやすく解説!

私は刑事ドラマを見るのが好きなんですけど、ドラマでは事件が起きるのはたいてい人口が多い東京で、そこで活躍するのは警視庁の刑事たちです。

事件を解決するまでの展開は面白いんですが、刑事たちの人間関係の描写で「警察庁からの出向」だとか「キャリア対ノンキャリア」など事件とは関係ない刑事同士の対立が描かれることもあります。

警視庁と警察庁のことがよく分かっていないまま観ていても消化不良気味になってしまいます。

そこで今回は警視庁と警察庁の違いについて調べてみましたので分かりやすく解説します。

警視庁と警察庁の違い

警視庁とは?

日本には47の都道府県があり、警察の本部はその各都道府県ごとに置かれています。(アメリカでは市や郡など自治体単位でも警察を持っていますね。)

例えば大阪府なら大阪府警察、愛知県なら愛知県警察で、それぞれ略して大阪府警、愛知県警と呼ばれています。

ところが、東京都だけは東京都警察ではなくて警視庁となっているんです。

これは東京都を守る警察は他の道府県と違って「日本の首都を警備する警察機関」であり、天皇や皇族の警護、国の行政機関や総理大臣官邸の警備、内閣総理大臣や閣僚、政府要人の警護など他の都道府県と違う特別の任務があるためにそう呼ぶことを認められているからです。

そのため、人口当たりの警察官の数も他府県と比べて多くなっています。

また、道府県警察の役職のトップは本部長なんですが、警視庁のトップは警視総監でその任免には内閣総理大臣の承認が必要になります。

その意味でも警視庁は他の道府県の警察とは少し性質が違ってますね。

他の道府県警察で本部長に当たる役職は、警視庁では副総監(警視監)ということになります。

 

警視庁の役職(上位から)

  1. 警視総監
  2. 警視監
  3. 警視長
  4. 警視正
  5. 警視
  6. 警部
  7. 警部補
  8. 巡査部長
  9. (巡査長 巡査の指導的立場 警察法上は巡査)
  10. 巡査

 

(東京都以外の警察本部では上記から警視総監が除かれます。)

警視庁の上級役職者の多くは警察庁からの出向者(キャリア組)で占められ、もちろん警視総監もキャリア組のうちの一人です。

警視庁の職員は東京都の職員なので地方公務員なのですが、警視正以上の階級になると国家公務員となります。(下記参照)

また、都道府県警察官が昇進するためには昇進試験に合格しなければなりません。

警察庁とは?

警視庁とよく似た名前の警察庁を平たく言ってしまえば、都道府県警察を監視、指導する国の組織ということになります。

刑事事件は都道府県の境に関係なくどこでも起こり、2つ以上の都道府県にまたがって起こることもあり、そのときに2つ以上の都道府県警察が協力して捜査を行うときの調整をしたり、都道府県警察の取りまとめを行っているのが警察庁ですが、実際の犯罪捜査は行いません。

国の組織なのでここで働く職員は国家公務員です。(都道府県警察で役職が警視正になると籍が警察庁に移って国家公務員になります。)

警察庁にも都道府県警察と同じ役職がありますが、トップは警察庁長官になります。

警察庁に入庁するには国家公務員採用総合職試験(大卒程度)に合格し、官庁訪問をして警察庁警察官の採用内定を経て採用され、階級はいきなり警部補からスタートしますが、メチャメチャ狭き門で年間に10名ほどしかなれません。

これがいわゆるキャリア(官僚)という人たちですね。(これに対して都道府県の警察官採用試験に合格して警察官になった人はノンキャリアと言います。)

それともうひとつ、国家公務員一般職採用試験(大卒程度)に合格し、同じように官庁訪問で警察庁警察官に採用される方法もあり、階級は巡査部長からスタートします(準キャリア)。

当然ながら準キャリアよりもキャリアのほうがエリートであり、将来の警察庁長官はキャリアから生まれます。

警察庁内での昇進には試験はなく、最初は警察署で見習い期間を経るなどしてあっという間に昇進していき、かっては20代で警察署長になるなんてこともあったそうですよ。

上記のように警察庁職員が警視庁に出向するのも昇進するためのルーティンのうちのひとつです。

警視庁と警察庁の違い

警視庁と警察庁のおおまかな違いをまとめると次のようになります。

 

 

 

 

終わりに

こうして見てくると、警視庁を監督・指導しているのだから警察庁のほうが立場が上のような気がしますね。

しかし、さらに警察庁を管理する機関があり、それが国務大臣を委員長として6名で構成される国家公安委員会です。

そしてさらにその上には内閣府があります。

日本の行政って複雑な縦社会でややこしいですね。

それはさておき、刑事ドラマでは警部や警視などの役職名が出てきますけど、今回ご紹介した階級のことなんかを知っていればこれまでとは違った面白さを見つけられるかもしれませんよ。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。