七福神は福を呼ぶ神様として知られていて、商売をされている家に飾られていたりします。
七福神すべてではなくても、何人かは誰でも一度は名前を聞いたことがあると思いますが、七福神ってどこの国の神様なんでしょうか。
また七福神めぐりって何なのでしょう?
今回はそんなところを調べてみました。
七福神はどこの国の神様?
日本・一人 中国・三人 インド・三人
七福神全員の名前は次のとおりです。
- 恵比寿(えびす)
- 大黒天(だいこくてん)
- 毘沙門天(びしゃもんてん)
- 弁財天(べんざいてん)
- 布袋尊(ほていそん)
- 寿老人(じゅろうじん)
- 福禄寿(ふくろくじゅ)
このうち、恵比寿が日本、布袋尊と福禄寿と寿老人が中国、大黒天と毘沙門天と弁財天がインドの神様です。
日本 | 恵比寿 |
中国 | 布袋尊 |
福禄寿 | |
寿老人 | |
インド | 大黒天 |
毘沙門天 |
|
弁財天 |
順番に見ていきましょう。
恵比寿(日本)
七福神のなかでただ一人の日本の神様です。
伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉諾尊(イザナミノミコト)の間に第三子として生まれた蛭子命(ヒルコノミコト)と言われています。
古くは漁業の神様として祀られ竿と鯛を持っている姿が有名ですが、後に商売全般の神様として崇(あが)められるようになりました。
日本の神様だけあって、七福神のなかで恵比寿さまを祀る神社は一番多くあります。
布袋尊(中国)
布袋尊は唐の時代に実在した僧侶で、常に笑顔を絶やさず人々に接していました。
916年に亡くなったと伝えられていて、死後に弥勒菩薩の生まれ変わりだと言われるようになりました。
大きな袋を担いであちこちを放浪して歩いていたため、布袋和尚と呼ばれました。
その袋には宝物がたくさん入っていて、信仰厚い人に分け与えていたということです。
家庭円満、子宝、笑門来福の神として崇められています。
福禄寿(中国)
南極老人星の化身と言われ、福は幸福、禄は豊かさ、寿は長寿を意味し、この3つの願いをすべて叶える神様が福禄寿です。
年齢は千歳だとされ、長い頭と白い長ヒゲと杖がトレードマークです。
杖は人々を豊かにするために鉱脈や水源を示すときに使うと言われています。
また、長寿の象徴でもある鶴と亀を従えています。
寿老人(中国)
寿老人も南極老人星の化身と伝えられ、福禄寿と容姿風貌も似ているため同じ神様とみなされることもあり、その場合には代わりに吉祥天が七福神に加えられます。
寿老人はどちらも長寿のシンボルである鹿を連れ、桃を手にしています。
災いを払うとされるうちわを持っていることもあり、経典を持っていることもあります。
長寿延命、子孫繁栄などの神様として崇められています。
福禄寿は室町時代、寿老人は江戸時代に七福神に加えられました。
大黒天(インド)
日本では大黒さまとして有名ですね。
頭には大黒頭巾をかぶり、左手には宝物が入った袋、右手には幸福を授ける打ち出の小槌を持っています。
密教の胎蔵界曼荼羅にも描かれ、最澄が日本に伝えて比叡山に祀ったのが最初と伝えられていて、招福の神様として信仰されています。
毘沙門天(インド)
毘沙門天は古代インドのヒンドゥー教で広く信仰されていたクベーラという神様です。
もともとは財宝神であった毘沙門天ですが、中国に伝わってから鎧兜を身につける武神として信仰されるようになりました。
日本で毘沙門天が信仰されるようになったのは平安時代に入ってからで、鞍馬寺の毘沙門天立像はよく知られています。
弁財天(インド)
七福神の中で唯一の女性神で、ヒンドゥー教のサラスヴァティーという女神が仏教にも取り込まれ、さらに神仏習合で日本の新道にも入ってきました。
弁財天は名前に「財」の字が入っていることからも分かる通り、財を授けてくれる神様として祀られています。
琵琶を持ち音楽の神様としても知られ、また学芸の神様としても崇められています。
七福神めぐりとは?
七福神めぐりは古くから行われている正月の風習で、七福神が祀られている寺社を順番に参拝することです。
不老長寿、家内安全、商売繁盛などすべての願い事にご利益があるとされ、通常は松の内に行います。
東京など人口の多いところでは歩いても半日程度で7つの寺社を回れますが、地方では車で2日ほどかかる場合もあります。
初詣のときしか七福神めぐりは受け付けないという寺社もあるようですが、通年受け入れている寺社もたくさんありますので、お正月以外に行かれるときには事前に確認しておくといいでしょう。
また、7つの寺社を回らなくても一ヶ所で七福神をお参りできる一ヶ所七福神というところもあります。
(七福神めぐりについてはこちらのサイトが参考になります。→http://www.asahi-net.or.jp/~UY7M-SSK/)
七福神の覚え方
親戚で仏事があったとき、その家に七福神の飾り物が欄間にかけてあり、お坊さんが読経をしているあいだに七福神の名前を覚えてました。
ところが、次にその家を訪れたときには七福神全部の名前を覚えてはいませんでした。
7人もいるので全部覚えるのはなかなか難しいですね。
でも、七福神の名前を簡単に覚える方法があったんです。
エビでタイ釣るご老人 ハが抜けてるハ行の4文字!
なんのこっちゃ?って感じかもしれませんけど、説明しますね。
最初の一文
エビ・・・恵比寿
タイ・・・大黒天
ご老人・・・寿老人
次の文
老人だからハ(歯)が抜けてる・・ハが抜けてるハ行の4文字は「ヒ・フ・へ・ホ」ですね。
ヒ・・・毘沙門天
フ・・・福禄寿
へ・・・弁財天
ホ・・・布袋尊
タイと大黒天を結びつけるのがちょっと・・、という感がしないでもありませんがこれなら簡単に覚えられそうですね。
終わりに
七福神のなかで日本の神様は恵比寿様ひとりだったなんて意外ではなかったですか。
ところで、七福神にあやかった食べ物ってご存知ですか。
それは福神漬です。
「これさえあれば他におかずがいらず、食費が抑えられてお金が貯まる。家に七福神がやってきたようだ。」ということで福神漬という名前になったそうです。
こんなことを書いていたらカレーが食べたくなっちゃいました。
今夜はカレーにしようかな。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。