日本で一番大きな湖である琵琶湖の西南に位置する大津市で、今年も大津祭が華やかに開催されます。
天孫神社(てんそんじんじゃ)の例祭として行われる大津祭は、京都の祇園祭の影響を色濃く受け、コンチキチンというお囃子にのって市内を巡航する13基の曳山には、高山祭さながらのからくりが施されています。
からくりを見るのももちろん楽しいんですけど、大津祭には厄除けのちまきを手に入れるという別の楽しみもあります。と言うかこちらのほうを楽しみにしている人が多いです。
かっては祇園祭などでも厄除けのちまきを撒いていたそうですが、近年ではちまきを撒くお祭りは少なくなっているそうです。
このちまきは軒下に吊るしておけば、家族全員の健康にご利益があるというありがたいものです。
信心深い日本人は厄除けという言葉に弱いですよね。しかもタダなら私もそうですが何としても手にしたいと思っちゃいます。
今回は大津祭2019の日程や駐車場、ちまきを手に入れるコツなどをご紹介します。
大津祭2019の開催情報
大津祭2019
◆開催日時
- 山建て:2019年10月6日(日)8:00頃からお昼過ぎにかけて
- 宵宮:2019年10月12日(土)夕刻~21:00ころ
- 本祭:2019年10月13日(日)9:00~17:00ころ
◆開催場所:天孫神社およびJR大津駅中央通一帯
◆問合せ先:NPO法人大津祭曳山連盟
◆電話:077-525-0505
山建てとは?
分解して山蔵に保管してあった曳山を組み立てることです。
本祭一週間前の日曜日に行われ、組み上がると町内を試し曳きして回りますがからくりは取り付けられません。
大津祭ではこの曳山の組み立てを見ることができます。
かなりのパーツの数ですね。
設計図なんかはあるんでしょうか。
宵宮とは?
午前中に曳山を飾り付け、午後からお囃子を鳴らして明日が本祭であることを知らせながら町内を曳きまわります。
午後6時になると提灯に灯がともされ、夜空に曳山が浮かび上がります。
江戸時代の人たちもこの景色を見ていたのかと思うとノスタルジックな気分になりますよ。
本祭とは?
天孫神社の本祭です。
天孫神社前に集合した13基の曳山がからくりを奉納したあと、9月16日にくじで決められた順番で町内巡航に出発します。
厄除けちまきが撒かれるのはこのときです。
ちまきを手に入れるには?
大津祭で撒かれるちまきは食べることができないちまきで、1年間の厄除けのために軒下や玄関に飾り、役目を終えたちまきは正月明けに天孫神社で行われるどんど焼きで焼いたり、お住まいの地域のどんど焼きで焼いたりします。
また、天孫神社に郵送で送れば引き取ってもらえます。
(引用:http://www.otsu-matsuri.jp/festival/chimaki.php/)
大津祭を見物に来る人は厄除け粽(ちまき)を目当ての人もたくさんいて、一昨年の大津祭の人出は18万人で、撒かれたちまきは3万本でした。
見物人の全員がちまき拾いに参加しないとしても、競争率は5倍以上なので上手くしないと「アレ、アレ、アレ」と思っているうちに終わっちゃいます。
ちまきを少しでも高い確率で手に入れるためにはコツがあるので、ご紹介します。
1.所望場所でからくりを待つ
曳山がからくりを披露する場所のことを所望場所といい、所望場所はパンフレットに記載されていますし、場所の家に幣束(へいそく)がついた矢がささったような目印がついています。(パンフレットは大津駅前でもらえます。)
(引用:http://www.otsu-matsuri.jp/festival/about-hikiyama/karakuri.php)
ちまきはからくりが披露されているときは撒かれずに、からくりが終わったすぐあとに撒かれるので所望場所でからくりが始まるのを待ちます。
おすすめの所望場所は曳山展示館あたりと、最終所望場所です。
曳山展示館の前は二つの所望場所が近接していて、曳山がいる時間が長くなるのでちまきを撒く時間も長くなり、最終所望場所はここぞとばかり残しておいたちまきを全部どっさり撒いてくれます。
2.曳山の左側に陣取る
ちまきはたくさん撒いてもらったほうが手にする確率は増えますね。
子供が撒くちまきよりも大人が投げるちまきのほうが断然多く、子供たちは曳山の進行方向の右側に並んでいます。
なので、曳山の左側に陣取るほうがちまきを手に入れやすくなります。
曳山が来てしまってから場所を移動するのは大変なので、あらかじめ左側で曳山が来るのを待ちます。
できれば左側すこし後方あたりがいいですね。
3.撒かない場所はゆっくり見学
大津祭では曳山からちまきを撒かない場所もあるので、そこを知っておくのもいいでしょう。
下の地図で京阪電鉄・京津線と曳山の巡行ルートと重なっている箇所があり、電車と曳山が並んで動く姿は見どころのひとつで、そこではゆっくり見物して楽しみましょう。(左上の矢印をクリックすると巡行コースの詳細が表示されます。)
でもそこでは危険なのでちまきは撒かれません。
電車が通るときには曳山もストップするのですが、そのときに電車道にちまきが撒かれていたら危ないですからね。
4.屋根から落ちるちまきを狙う
大津祭の曳山が巡航するコース上の細い道の両側には2階建ての旧家がたくさん建っていて、その家では2階の窓を開け放しています。
ちまきの撒き手がその窓めがけて投げてくれるのを待っているんです。
曳山から2階の窓めがけてちまきを投げてもうまく届かないこともあり、屋根に当たったちまきがそのまま地上に落ちることもあります。
家の軒下に陣取って、自分のはるか上に投げられたちまきも諦めずに行方を追えば手に入れる確率は高くなりますよ。
5.有料観覧席で見る
大津祭ではゆったりと見物できる有料観覧席が用意され、このチケットを入手すると厄除けちまき、手ぬぐい、パンフレットがついてきますので、確実にちまきをゲットしたいならチケットを購入するのもひとつの手です。
2019年の詳細はまだ発表されていませんが、参考までに昨年の詳細をご紹介します。
大津祭2018 有料観覧席
- 観覧場所:JR大津駅前中央通り(大津別院前)
- 観覧時間:13:30~ 約1時間
- 料金:前売り・3,300円 当日売り・3,500円
- 全192席指定
- 発売開始:9月1日
- 発売場所:大津祭曳山展示館(電話:077-521-1013)
チケットは売り切れ次第販売終了となり、前売りが売り切れた場合は当日売りはなくなります。
例年すぐに完売してしまいますので、早めの手配が必要になります。
曳山の巡航コースと交通規制
曳山の巡航コースは下記のようになります。
(引用:http://www.otsu-matsuri.jp/festival/event/course.php)
曳山の巡航は一般道を使って行われますので交通規制が敷かれます。
また、一方通行が解除になる道路もありますので注意して下さい。
(昨年の交通規制MAPはコチラ)
大津祭へのアクセス
大津祭は京阪電鉄・浜大津駅の直前で行われますし、当日は交通規制も実施され周辺道路は大変渋滞するので、アクセスには電車の利用が便利です。
電車を利用する場合
大阪から
- JR西日本・東海道本線の新快速で約40分、大津駅から徒歩約10分
京都から
- JR西日本・琵琶湖線で約10分、大津駅から徒歩約10分
- 京都市市営地下鉄東西線で三条京阪駅から御陵(みささぎ)駅、京阪電鉄京津線に乗り換えて約22分、浜大津駅から徒歩約5分。
車を利用する場合
- 名神高速道路・大津ICより約5分。
大津祭では無料の臨時駐車場は用意されませんので、周辺の有料駐車場を利用することになります。
↓周辺の公共駐車場の場所
終わりに
ここのところ次第に人気が高まっている大津祭ですが、2016年の3月2日に「大津祭の曳山行事」が国の重要無形文化財に指定されてからますます観光客の方が増えています。
曳山の関係者も喜んでいるとともに、さらに力が入ってからくりの動きもキレが出るでしょう。
重要無形民俗文化財に指定されたということでたくさんちまきが撒かれるといいんですけど、このちまきは周辺住民から集められた寄付金によって賄われているのでどうなることやら。
大津市から補助金がたくさん出ればいいんですけどね。
それにしても、大津祭の曳山行事がユネスコの無形文化遺産に登録されていないのは不思議ですね。
国の重要無形文化財登録の準備に追われて、ユネスコまでは手が回らなかったのでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。