神社のお祭りといえば、お神輿を担いで練り歩くというのが一般的なスタイルなんですけど、それとは違ってロケットを打上げるのが埼玉県秩父市の椋神社(むくじんじゃ)の例大祭です。
龍勢祭りと呼ばれるこのお祭りでは、約30本もの大きなロケットがものすごい勢いで轟音と白煙を上げながら天高く打上げられます。
深夜テレビアニメの「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」で超平和バスターズが作った花火が打上げられ、そのモデルとなったのが龍勢祭りのロケットなのでご存じの方もみえるかもしれませんね。
今回は吉田龍勢保存会の方々によって継承され、毎年多くの人が訪れる龍勢祭りの2019年の日程や駐車場、観覧桟敷席などの開催情報についてご紹介します。
龍勢祭り2019開催情報
龍勢祭り2019
- 開催日:2019年10月13日(日)
- 打上げ時間:8:40~17:00
(11:00~11:50の間は椋神社例大祭執行のため休止) - 打上げ場所:埼玉県秩父市吉田椋(むく)神社周辺
- 問合せ先:龍勢会館
- 電話:0494-77-0333
龍勢とは?
龍勢は椋神社の大祭で奉納される神事に用いられる、古くから受け継がれてきた手作りロケットのことです。
発射台である櫓から轟音と白煙とともに打上げられる姿が、龍が天に向かって勢い良く昇天する姿を思わせることから龍勢と呼ばれています。
龍勢が到達する高さは500mにも及び、代々引き継がれてきた構造や火薬の取扱技術を使って地元の若者が作り、別名を「農民ロケット」とも呼ばれています。
龍勢には構造や技術の違いによって美峯雲流や櫻龍会など27の流派があり、それぞれ違った龍勢を見て楽しむことができます。
龍勢祭りへのアクセス
龍勢祭りの当日は道路も駐車場も大渋滞が発生しますので、なるべくなら電車での来場をおすすめします。
電車を利用する場合
- 西武鉄道秩父線・秩父駅または秩父鉄道秩父本線・皆野(みなの)駅で下車。
- 臨時バス「龍勢会館行き」に乗車し終点で下車。
- 龍勢会館から会場までは徒歩で約10分。
車を利用する場合
- 関越自動車道・花園ICから国道140号線を利用して秩父市内へ(花園ICから約35km)
- 関越自動車道・川越ICまたは鶴ヶ島ICから国道299号線を利用して秩父市内へ
- 川越、入間から国道299号線を利用、正丸トンネルを経て秩父市内へ(飯能から約40km)
- 山梨県側からは国道140号線・雁坂トンネルを経て秩父市内へ
カーナビを利用する場合は、「道の駅龍勢会館」を目印にすると分かりやすいです。
(道の駅龍勢会館から会場までは徒歩約10分です。)
会場付近は午前8時より県道37号線などは進入禁止となり、その他の道路も一方通行の規制がかかります。
駐車場と交通規制
駐車場
龍勢祭りでは市内に無料の臨時駐車場がいくつか設けられます。
一番便利なのは「秩父みどりが丘工業団地」の駐車場で、会場までの無料シャトルバスが運行されます。(午前8時30分運行開始予定。)
カーナビを利用する場合は、目的地を「秩父みどりが丘工業団地 地区センター」に設定してください。
交通規制
龍勢祭りの当日は、会場周辺の道路に午前8時から通行禁止や一方通行の交通規制が敷かれます。
「あの花」以降、来場者が増えて渋滞が発生していますので、気をつけて通行するようにしましょう。
(画像をクリックすると拡大されます。)
(出典:https://navi.city.chichibu.lg.jp/wp/wp-content/uploads/2014/09/6e11be317581e5885f59af959f93975f-1.pdf)
観覧桟敷席
人気のお祭りにつきものなのが場所取りなんですけど、何時間も前からシートを敷いて待つのってけっこうツラいですね。
晴れてたら紫外線も気になりますし。
皆さんは場所取りをしなくていいなら多少お金がかかってもいい、と思っているのではないですか?
うれしいことに、龍勢祭りでは吉田龍勢保存会が管理する観覧桟敷席が設けられます。
料金は広さによって違い、次のようになっています。
- 0.5坪(1~2名席): 3,000円
- 1.0坪(2~4名席): 6,000円
- 1.5坪(4~6名席): 9,000円
- 2.0坪(6~8名席):12,000円
(人数は目安です。)
一人あたりの金額にすれば安いもので、これで朝の8時半から夕方の5時までゆっくり見られるのならお値打ちですね。
有料桟敷席は場所指定でコンパネ敷きなので、万が一シートを忘れても大丈夫です。
後方の方の視界を遮らないために、椅子などの高さのあるものは持ち込めません。
日傘やパラソルなども同じで使用禁止ですが、飲食物の持込は自由です。
キャンセル受付は9月30日16:00までで、席料の全額が返金されます。それ以降のキャンセルはできません。
(当日の状況により龍勢の打上げが中断、あるいは中止になっても席料の返金はありません。)
◆申し込み先
受付時間:9:00~16:30(火曜日は受付不可)
電話のみの申込みになります。
電話番号:未定(詳細が分かりましたらお知らせします。)
受付開始日:2019年9月7日(土)
昨年は受付当日に完売となってしまったので、早めの申込が必要です。
一般有料席
龍勢祭りでは他にも一人1,000円の有料席も販売されます。
こちらは当日発売で場所の指定はナシ、つまり早い者勝ちということになります。
相当早く行かないと厳しそうですね。
(平成30年度となっていますが、今年も同様です。)
(出典:http://www.ryusei.biz/?page_id=340)
オレンジの部分が龍勢保存会が販売する有料観覧席で、ブルーの部分が1,000円の有料観覧席です。
終わりに
途中何度かの中断はあったものの、龍勢は400年もの歴史がある伝統行事です。
しかし、何せ火薬を扱うわけですから製造や発射の際には十分は注意を払わなければいけません。
実際、過去にはロケットが観客のほうに落ちて負傷者が出たり、火災が発生してしまったという事故も起きました。
このため、吉田龍勢保存会では定期的に講習会を開いて安全には最大の注意を払い、また小学校や中学校に講師として龍勢の伝統と技術を伝えて次代の後継者の育成にも力を入れています。
「あの花」のファンならずとも、地元の人達の熱意を感じることができ、神社の大祭にロケットを打ち上げるというほかではちょっとない龍勢祭りは無くしてほしくありませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。