日本でスマホが普及し始めてどれくらい経ったでしょうか?
スマホはまたたく間に広がり、2015年度の世帯当り普及率はついに従来型携帯電話(ガラケー)を超え、3世帯のうち2世帯でスマホを所有しているという調査結果もあります。
ガラケーとスマホの2台持ち、あるいはスマホの2台持ちという人もいるということです。
街を歩いていると危険だと指摘されている歩きスマホをしている人も多く、ときには中学生と思えるような子が歩きスマホをしているのを見かけることもあります。
歩きスマホも問題なんですが、それ以前に中学生にスマホを持たせていいの?と思ってしまいますね。
今回は中学生のスマホ問題について書いていこうと思います。
中学生にスマホを持たせる理由
親が中学生の子供にスマホを持たせるのは、「連絡手段」と「友達が持っているから」の二つが大きな理由ではないでしょうか?
しかし、連絡手段としてならガラケーでも十分ですし、そもそも子供に緊急で連絡しなければならないことなんて頻繁にあるのでしょうか?
「友達が持っているから」という理由にしても、「スマホを持ってないと仲間はずれになるのでは?」と考えてしまいますが、スマホがないために仲間はずれになることは極めてまれです。
なかにはスマホを禁止している中学校もあるくらいで、これはスマホが勉強の弊害になるからにほかならないからでしょう。
あとの記事にも出てきますが、これは事実なのです。
「スマホは教科書や筆記具と違って学校に行くのに必要なものではない。子供に要るのかどうかメリットとデメリットをじっくり検討しないといけない」と考えることが重要です。
中学生の子供にスマホを持たせている親も、そのほとんどができれば持ってほしくないと思っているという調査結果も出ています。
中学生がスマホを欲しがる理由
LINE
中学生の子供がスマホを欲しがるの理由は豊富にあるアプリとサービスでしょう。
アプリのなかでもスマホを手にした子供が最初にするのがLINEです。
友達がLINEで楽しそうにコミュニケーションしているのを見ればその気持も分からなくはないですが、気をつけなければならないのは、LINEは対面で話すわけではないので「死ねば!」とか「ウザイんだよ!」とか過激な表現になりやすく、一人を標的にして攻撃することもあります。
既読にしないとイジメられる、ということもあります。
これではスマホを持っていたためにイジメられたということになり、実際にLINEイジメで自殺してしまった女子中学生もいます。
最近では川崎市の中学1年の男子生徒がLINE仲間にいじめられ、寒い冬に裸で川に入らされた挙句に殺されるという残虐な事件もありました。
ところで、LINEはガラホでもできるということをご存知ですか?
ガラケーでのLINEは2018年3月で終了してしまいましたが、ガラケーとスマホの中間型のような端末のガラホ(AndroidOSを搭載したフューチャーホン)はまだLINEができます。
ガラホのLINEは、「既読表示がされない」「スタンプの購入ができない」「LINEゲームができない」などの制限があり、逆にこれらの制限は「既読にしないことによるいじめがない」「スタンプ購入による料金が発生しない」「ゲームにハマらない」というメリットに働きます。
通信とLINEのためならガラホで十分ではないですか?
子供が「LINEをしたいからスマホが欲しい」と言ってきたら、「ガラホでもできるよ」と教えてあげましょう。
(参考:auのガラホでLINEを使える機種は?)
ゲーム
スマホを持ったほとんどの人が無料のゲームアプリをダウンロードして遊ぶでしょう。
ただこれは面白いために非常にハマりやすく簡単に依存症に陥ってしまい、暇ができればゲームをし、睡眠時間を削ってでもゲームをするという状態になります。
LINEも依存症になりやすいのですが、LINEの場合は「自分が何を言われているのか心配」という切迫感のようなものからスマホを見るのに対し、ゲーム依存症は「やりたくてしょうがない」という麻薬のような一種の中毒状態に陥ります。
1日に16時間もスマホの操作をしていたという中学生もいて、こんなことは精神的にも身体的にもいいはずはありませんね。
それにスマホゲームで高得点を取ろうとすると、キャラを買わなければいけません。
ゲームにのめり込み過ぎて気がつけば高額な支払いが発生していた、なんてことにもなりかねません。
スマホをするほど成績が落ちる
勉強の時間をスマホの時間に充てれば成績は下る、ということは理解できますね。
少し古いものですが、それを実証するグラフがあります。
(出典:http://www.zenkyokyo.net/survey/313)
これは文部科学省が2014年に実施した学力テストの正答率と携帯やスマホの使用時間との相関関係を表したデータをグラフ化したものです。
スマホを利用する時間が長いほど正答率が低くなるのが分かります。
また、長時間勉強しても長時間スマホを使うと、短時間の勉強でもスマホ利用時間が短い生徒より成績が低いというデータもあります。
これはスマホを利用することで脳の前頭前野の機能が低下し、学習効果が薄れるのだと考えられています。
親が子供にスマホを買い与えるときには、成績の低下を容認しなければいけないのかもしれません。
終わりに
スマホはインターネットに接続できて分からないことをすぐに調べることができる便利な道具ですが、どんな道具も使い方次第で役に立つ道具にも危険な道具にもなってしまいます。
中学生がスマホを持つことは、今のところデメリットのほうが大きいような気がしてなりません。
中学生の子供にスマホを買い与えるにしても、「LINEはしない」「使う時間を決めて、それ以外の時間は預けさせる」などのルールを作ってスマホの危険性から子供を守ってあげるように配慮しなければならないと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。