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うるう秒とは何?生活に影響はあるの?次回はいつ?

オリンピックのある年はうるう年になり、2月が1日増えて29日になりますが、これは季節とカレンダーを一致させるための操作で、こういった操作はうるう年だけだと思っていました。

ところが「うるう秒」という言葉を聞き、まだ他にも時刻調整のための操作があったのかと驚くとともに、うるう秒って何なのか?生活に影響はないのかなどを調べてみました。    

 

 

 

 

 

うるう秒とは何?

うるう年に2月に1日を挿入することから、うるう秒もどこかで1秒を挿入するのかと想像しますね。

ピンポーン!でその通りです。

時間の決め方は、地球の自転を基準にして1回転する長さを1日とし、その24分の1を1時間、その60分の1を1分、さらにその60分の1が1秒です。

そして時間測定の技術が進歩して、原子時計で正確な時間が測定できるようになりました。

原子時計とは文字通り原子の性質を利用した時計で、電子番号55番のセシウムが持つ固有の周波数 91億9263万1770Hzを1秒として、これを基準にしています。 何とも途方も無い振動数ですね。  

 

 

1秒の正確な長さが決まり、これを86,400倍すれば1日になるわけですが、この1秒をもとに調べたところ、地球の自転周期は正確ではないことが分かりました。

つまり、地球の自転速度は早くなったり遅くなったりしていたわけで、地球の1日と原子時計のズレを解消するために うるう秒を使用するということになったわけです。    

 

 

次のうるう秒がいつかは分からない!

うるう年は4年に一度とはっきり決まっています。

(西暦年号が4で割りきれても、100で割りきれて400で割り切れないときは うるう年ではありませんが。)

それに対して、うるう秒は地球の自転周期が早くなったり遅くなったりするための調整用で 地球の自転速度がいつ早くなるのか遅くなるのか分からないため、うるう秒がいつ採用されるかは事前には分かりません。

今後、技術が進歩して地球の自転速度の変化が前もって正確に分かるようになれば、うるう秒を採用するときもかなり前から分かるようになるかもしれませんが、今のところはうるう秒の採用予定は分からないのです。

 

 

因みに、うるう秒による調整は1972年からこれまで(2018年現在)に27回行なわれていて、過去の実績は次の通りです。  

1972年 7月1日

1973年 1月1日

1974年 1月1日

1975年 1月1日

1976年 1月1日

1977年 1月1日

1978年 1月1日

1979年 1月1日

1980年 7月1日

1981年 7月1日

1982年 7月1日

1983年 7月1日

1985年 7月1日

1988年 1月1日

1990年 1月1日

1991年 1月1日

1992年 7月1日

1993年 7月1日

1994年 7月1日

1996年 1月1日

1997年 7月1日

1999年 1月1日

2006年 1月1日

2009年 1月1日

2012年 7月1日  

2015年 7月1日

2017年 1月1日

 

この調整はすべて1秒を追加する正のうるう秒が実施されていて、1972年から27秒間だけ時間が増えたことになります。 

何だかちょっぴり得した気分ですね。

 

うるう秒は生活に影響はあるの?

うるう秒による時刻の調整で生活に影響は出るのでしょうか?

毎日生活しているなかで、1秒くらい減っても増えてもそれを感じることはできず、うるう秒実施による日常の生活に影響が出ることはほとんどありません。

正確に時刻を刻む電波時計にしても、うるう秒が実施されればその電波を受信して修正しますしそのとき電波を受信できない環境にあったとしても、一日に数回は自動受信しているので表示される時刻を自動修正します。  

個人のパソコンもインターネットに接続していればネットワークタイムサーバー(NTP)に自動接続して時刻が修正されます。

ただ困るのは企業などで使っているコンピュータや電子機器でいろんな機器が連携して作動する場合に、うるう秒が採用された瞬間にすぐに時刻が切り替わる機器と、そうでない機器との間に不具合が起きます。

2012年7月1日の午前9時ちょうどにうるう秒が挿入されたときには、東証のシステムや航空会社の予約システムに問題が生じたそうです。

アナログの世界ではまったく問題ないうるう秒の1秒ですが、企業のコンピュータや電子機器に影響が出てしまうのはデジタル社会の弱点なのかもしれませんね。

 

 

 

 

うるう秒は消滅の可能性も

多くの人にとって、1日のうち1秒減ろうが増えようが大したことはなく、うるう秒による時刻の調整は一般の人はほとんど気がつきませんね。

その1秒が積もりに積もって、誰でも分かるほど実際の季節と月日がズレるのは何千年も先の話ではないでしょうか?

それよりも、うるう秒導入によるシステム修正コスト修正作業のミスによる損害の問題など、こちらのほうが重要な気がします。

修正作業のミスで列車のダイヤが狂ってしまったり証券会社のオンライン取引でタイミングがズレて大損したなんてことも考えられますからね。

そんなこんなで、世界中でうるう秒廃止の議論が持ち上がっていて、日本やアメリカはうるう秒廃止賛成派でロシアは衛星システムがうるう秒を採用しているので反対派、イギリスもグリニッジ標準時のメンツからか反対派です。

この論争、どう決着するのか注意して動向を見守りたいと思います。    

 

 

まとめ

 

  • うるう秒は地球の自転速度が変化するために調整用に使われる
  • うるう秒は企業のコンピュータや電子機器に影響が出る恐れがある
    (2012年には実施にトラブルが発生した)
  • うるう秒廃止の議論も起きている

 

うるう秒はたった1秒なんですけど、デジタル化されたシステムでは大きな問題になる可能性もあるんですね。

それを回避するためにうるう秒をやめてしまうという選択もありだと思いますが、でもうるう秒を廃止したら、その1秒の補正はどうするのでしょう?

何万年もあとになって、日本では雪が降っているのにカレンダーは8月なんてことも起きかねませんね。

もっともその頃には地球の自転速度を自動的に計測して地球上の全システムの時刻を安全に修正するプログラムが普及しているのかもしれませんね。    

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。