意味はよく分からないけど、いつも使っている習慣ってありますよね。
一週間の曜日もそのひとつではないでしょうか?
一週間が始まる曜日は別にしても、順序は
日曜日→月曜日→火曜日→水曜日→木曜日→金曜日→土曜日 という世界共通の順序になっていますね。
日(曜日)は太陽から名前を付けて、月から土は惑星の名前を付けている、ということくらいはなんとなく分かりますが、どうしてそうなったのでしょう?
曜日の起源(バビロニア起源説)
曜日の起源に関する説で一番有力なのがバビロニア起源説です。
時代的には紀元前1世紀ころで、今から2000年以上も前のことです。
昔の人達は、太陽や天体の惑星の動きが地球の森羅万象に影響を与えていると考えてその秩序を探求していました。
現代に生きる人はみな、地球は太陽の周りを回る太陽系の惑星のひとつだと知っていますが、当時の人は地球が宇宙の中心であるという天動説を信じていました。
そしてたくさんの星を観察していましたが、どうしても理屈に合わない星星が観測されました。
それが、火星・水星・木星・金星・土星の五つの大きな星です。
(太陽系の惑星には他にも天王星と海王星、冥王星がありますが、その当時はまだ発見されていませんでした。)
大昔のバビロニア人はこの五つの大きな星と太陽と月を神と関わりのある特別な星と考え、これらの七つの星の動きが地球の森羅万象に影響を与えていると考えました。
そしてこの七つの星の遠い順から、1時間ずつ地球に影響を及ぼすと考えていたのです。
どうやって地球から遠い順が分かったのかは不明ですが、土星・木星・火星・太陽(日)・金星・水星・月 という順番で1時間ずつ地球を支配すると考えていました。
そして第1日目から第7日目までの各1時間ごとにどの星が影響を与えるかを表にすると、次のようになります。
第1時間目 |
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ・・ | 24 | |
1日目 | 土 | 木 | 火 | 日 | 金 | 水 | 月 | 土 | 木 | 火 | 火 | |
2日目 | 日 | 金 | 水 | 月 | 土 | 木 | 火 | 日 | 金 | 水 | 水 | |
3 | 月 | 土 | 木 | 火 | 日 | 金 | 水 | 月 | 土 | 木 | 木 | |
4 | 火 | 日 | 金 | 水 | 月 | 土 | 木 | 火 | 日 | 金 | 金 | |
5 | 水 | 月 | 土 | 木 | 火 | 日 | 金 | 水 | 月 | 土 | 土 | |
6 | 木 | 火 | 日 | 金 | 水 | 月 | 土 | 木 | 火 | 日 | 日 | |
7 | 金 | 水 | 月 | 土 | 木 | 火 | 日 | 金 | 水 | 月 | 月 | |
8 | 土 | 木 | 火 | 日 | 金 | 水 | 月 | 土 | 木 | 火 | 火 |
すると各日の各時間を支配する星が7日周期で変わるのが分かります。
「一日のうちの第1時間目に地球を支配する星がその日を最も強く支配する」と考えられていたので、第1時間目を土星が支配する日は土星の日とするようになった、ということです。
それではなぜ土曜日が週の最初ではないの?という疑問が湧いてきますね。
日本のカレンダーではほとんどが日曜日が週の最初にきていて、土曜日から週がスタートするカレンダーはありません。
この理由にも確たるものはないようですが、どうもキリスト教が関係しているようです。
7日を1週間として月~日の曜日を振り分ける習慣は、バビロニアで奴隷として働いていたユダヤ人にも浸透しました。
「神は6日間かけて世界を作り、7日目は休んだ」という神話はユダヤ人たちの間で深く信じられていて、「曜日」という習慣も彼らには自然に受け入れられました。
そして奴隷から開放されたユダヤ人たちがユダヤ教を世界に広げるとともに、この慣習も世界に広がっていきました。
キリスト教はユダヤ教が分派して発生し、「曜日」という習慣もキリスト教に引き継がれました。
聖書には「イエス・キリストは処刑されてから3日目に復活した」とあり、処刑されたのが13日の金曜日なので、キリストが復活したのは金曜日から数えて3日目の日曜日ということになります。
ということで、キリスト教では日曜日が週の始まりとされているのです。
しかし、世界には日曜日が週のスタートでない国もたくさんあります。
イスラム圏などですね。
日本の曜日の概念は平安時代から
日を7日で区切り、頭から日~土とする「七曜」の概念は平安時代に弘法大師空海が唐から伝えたと言われています。
「曜」には「光り輝く星」という意味があり、日本では日~土のあとに「曜日」をつけて日曜日や土曜日と呼ぶようになりました。
ただ、現在のように日常生活に取り入れるようになったのは、明治初期(6年)にグレゴリオ暦に改暦してからです。
それまでは「先勝」や「友引」などの六曜のように縁起がいい、悪いという占いに使われていて「曜日」という概念はなかったようです。
生まれてから2000年、日本に伝わってから1700年の七曜が今の日本で使われているなんて、何か悠久の歴史を感じてしまいますね。
まとめ
・曜日の起源は古代バビロニアと考えられている
・太陽と月と明るい5つの惑星が地球を支配していると考え、遠い順から曜日に割り振った(七曜)
・日本に七曜の概念が伝わったのは平安時代
・七曜が日常生活で使われるようになったのは明治初期の改暦から
普段何気なく使っている「曜日」にもこんな歴史と意味があったんですね。
もし、バビロニアの人が天王星あたりをもうひとつ見つけていたら、一週間は8日になっていたかもしれませんね。
そう考えると、なんだか楽しくなってきませんか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。