ここ数年、遺伝子治療や遺伝子組み換えなどテレビや新聞で遺伝子という言葉を目にすることが多くなりました。

遺伝子と同じような使われ方をする言葉にDNAがあり、「DNAを引き継いでいる」なんて使われ方をしますね。

では遺伝子とDNA、さらに染色体はどのように違うのでしょうか。

また、ゲノムって何なんでしょう?

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遺伝子とDNAと染色体の違い

遺伝子とDNAは同じような意味で使われることがあるんですけど、正確には違うものです。

全く違うと言うと語弊があるのですが、遺伝子とDNA、さらに染色体って一体何なのでしょうか。

小さいものから順番に見ていきましょう。

遺伝子とは

遺伝子はその名前の通り、皮膚や髪の色など親の形態を子に伝えるための設計図のようなものです。

ヒトの遺伝子の数は2万とも3万とも言われていますが推定でしかなく、正確なところは今のところまだ分かっていません。

DNAとは

DNAというのはデオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid)の略で物質名です。

遺伝子などが集まっているところで、はしごをひねったような二重らせん構造をしています。

DNAの階段部分は塩基配列と呼ばれるもので構成され、これが遺伝子です。

DNAはヒストンというタンパク質に巻き付き、さらに折り重なってコンパクトな構造をしていて、ひとつの細胞内のDNAの長さは2kmにもなると言われています。

ただ、DNAのなかでも遺伝子である部分はほんのわずかで、2%ほどしかないとされています。

染色体とは

染色体は細胞の核の中に存在する、DNAが束ねられた状態で存在する物質です。

染色体の数は生物の種類によって決まっていて、ヒトの細胞核には46本の染色体があります。

(参照:https://first-genetic-testing.com/gene/)

つまり大雑把に言うと細胞の核の中に染色体があり、染色体の中にDNAがあり、DNAのなかに遺伝子があるということになります。

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ゲノムとは?

「ゲノムって遺伝子のことでしょ?」って思っている人も多いようです。

一概に間違っているとは言えないものの、正確には少し違います。

ゲノムは遺伝子のことではなく、DNAにあるすべての遺伝情報のことです。

ヒトの場合には髪の毛や瞳の色などの遺伝情報だけではなく、ヒトがヒトとして存在するために必要なすべての遺伝子情報になります。

ヒトには一つの細胞核のなかに46本の染色体があり、23本の染色体がゲノムの1セットになりますから、2セット分のゲノムがあることになります。

そしてその1セットのゲノムのなかに2万とも3万とも言われる遺伝子の情報が存在しているというわけです。

 

DNAの他の部分

上でDNAのなかで遺伝子の部分は2%ほどしかないと書きました。

以前はそれ以外の98%の部分は何の役割も持たないジャンク(クズ)DNAと思われていましたが、最近の研究によってその98%の部分にも重要な働きがあることがわかってきました。

神様はそんな無駄なものを作るはずはないはずですものね。

 

人は風邪をひきやすい、ひきにくい、アルコールに強い、弱いといったそれぞれの体質というものを持っています。

その体質はそれぞれの人が受け継いだ遺伝子の働きによります。

人はすべての遺伝子情報を持っており、その情報が有効になっているか無効になっているかで体質が決まっているということが判明してきました。

そしてDNAはその遺伝子情報を無効にするか有効にするかの鍵、いわばスイッチのようなものを持っているというのです。

 

例えば、「がんを抑える遺伝子情報」のスイッチが無効になっていればがんになりやすく、有効になっていればがんになりにくいというわけです。

がんになってしまったらこのスイッチを有効にできればがんを撃退することができ、実際にそのような薬も開発されています。

このことは病気に対してだけでなく、いつまでも若さを保つことや運動能力を向上させることにも効果があるのではないかと期待されています。

この研究は始まってからまだ日が浅く、そのメカニズムは完全に解明されていませんがDNAをどうコントロールできるかに成果がかかっています。

まとめ

  • 遺伝子は形態を次の世代に伝える設計図
  • DNAは遺伝子などが集まっている物質
  • 染色体はDNAが束ねられて存在する物質
  • 細胞核のなかに染色体があり、染色体の中にDNAがあり、DNAの中に遺伝子がある
  • 遺伝子もその情報が有効になっているものと無効になっているものがある

 

風邪をひきやすい人やそうでない人がいたり、コーヒーを飲むと眠れなくなる人や全く問題なく眠れる人がいるのはすべて遺伝子の情報によっていたなんて新鮮な驚きです。

でも精子と卵子が受精するときに70個ほどのDNAに突然変異が起きることが分かったそうです。

この突然変異によって特殊な能力を持つ人が現れるわけです。

なかにはがんにならない人も現れます。

そのメカニズムが解明されれば、がんなどの難病に対する根本的な治療法が見つかるかもしれません。

医学の発展ってすごいですね。