日本には立春や夏至、冬至など季節の移り変わりを知る暦(こよみ)として二十四節気がありますね。

二十四節気は1年を24の期間に等分してそれぞれの陽気に合う名称をつけたものなんですけど、二十四節気をさらに三つの期間に等分し、気候や動植物の変化を示す短文をつけたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。

つまり、大まかに言うと二十四節気は15日ごと、七十二候は5日ごとに変わるわけです。

今回は、2019年の七十二候はいつなのか、七十二候の意味などについてご紹介します。

 

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七十二候一覧

七十二候の日付けは次のようになっています。

(七十二候の日付けは最後の雪下出麦のみ2020年で、他は2019年です。また、二十四節気と同じように、次の七十二候の前日までの期間をいう場合もあります。)

二十四節気 七十二候 日付
小寒 芹乃栄(せりすなわちさかう) 1月6日
水泉動(しみずあたたかくふくむ) 1月10日
雉始雊(きじはじめてなく) 1月15日
大寒 款冬華(ふきのはなさく) 1月20日
水沢腹堅(さわみずこおりつめる) 1月25日
鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく) 1月30日
立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく) 2月4日
黄鶯睍睆(うぐいすなく) 2月9日
魚上氷(うおこおりをいずる) 2月14日
雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) 2月19日
霞始靆(かすみはじめてたなびく) 2月24日
草木萠動(そうもくめばえいずる) 3月1日
啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく) 3月6日
桃始笑(ももはじめてさく) 3月11日
菜虫化蝶(なむしちょうとなる) 3月16日
春分 雀始巣(すずめはじめてすくう) 3月21日
桜始開(さくらはじめてひらく) 3月26日
雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) 3月31日
清明 玄鳥至(つばめきたる) 4月5日
鴻雁北(こうがんかえる) 4月10日
虹始見(にじはじめてあらわる) 4月15日
穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず) 4月20日
霜止出苗(しもやみてなえいずる) 4月25日
牡丹華(ぼたんはなさく) 4月30日
立夏 蛙始鳴(かわずはじめてなく) 5月6日
蚯蚓出(みみずいづる) 5月11日
竹笋生(たけのこしょうず) 5月16日
小満 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) 5月21日
紅花栄(べにばなさかう) 5月26日
麦秋至(むぎのときいたる) 6月1日
芒種 蟷螂生(かまきりしょうず) 6月6日
腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる) 6月11日
梅子黄(うめのみきばむ) 6月16日
夏至 乃東枯(なつかれくさかるる) 6月22日
菖蒲華(あやめはなさく) 6月27日
半夏生(はんげしょうず) 7月2日
小暑 温風至(あつかぜいたる) 7月7日
蓮始開(はすはじめてひらく) 7月13日
鷹乃学習(たかすなわちわざをなす) 7月18日
大暑 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ) 7月23日
土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) 7月28日
大雨時行(たいうときどきにふる) 8月2日
立秋 涼風至(すずかぜいたる) 8月8日
寒蝉鳴(ひぐらしなく) 8月13日
蒙霧升降(ふかききりまとう) 8月18日
処暑 綿柎開(わたのはなしべひらく) 8月23日
天地始粛(てんちはじめてさむし 8月28日
禾乃登(こくものすなわちみのる) 9月3日
白露 草露白(くさのつゆしろし) 9月8日
鶺鴒鳴(せきれいなく) 9月13日
玄鳥去(つばめさる) 9月18日
秋分 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) 9月23日
蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) 9月28日
水始涸(みずはじめてかる) 10月3日
寒露 鴻雁来(こうがんきたる) 10月8日
菊花開(きくのはなひらく) 10月14日
蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり) 10月19日
霜降 霜始降(しもはじめてふる) 10月24日
霎時施(こさめときどきふる) 10月29日
楓蔦黄(もみじつたきばむ) 11月3日
立冬 山茶始開(つばきはじめてひらく) 11月8日
地始凍(ちはじめてこおる) 11月13日
金盞香(きんせんかさく) 11月18日
小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず) 11月22日
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 11月27日
橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 12月2日
大雪 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) 12月7日
熊蟄穴(くまあなにこもる) 12月12日
鱖魚群(さけのうおむらがる) 12月17日
冬至 乃東生(なつかれくさしょうず) 12月22日
麋角解(おおしかのつのおつる) 12月27日
雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる) 1月1日

 

七十二候の意味と期日と二十四節気の食べ物

二十四節気のなかの最初の七十二候を初候、次を次候、最後を末候といいます。

七十二候は二十四節気を元に作られましたので、二十四節気ごとの七十二候を1月からご紹介します。

 

小寒の七十二候

寒(かん)に入って寒さが厳しく感じられるころで、このころ旬の食べ物は七草粥やふぐなどがあります。

 

 

芹乃栄(せりすなわちさかう 1月6日)

春の七草のひとつである芹がさかんに成長するころ。

この頃の食べ物はもちろん七草粥ですね。

 

水泉動(しみずあたたかくふくむ 1月10日)

地下で凍っていた泉の水が溶けて動き始めるころ。

寒いものの、地下では春が動き出している時期です。

 

雉始雊(きじはじめてなく 1月15日)

日本の国鳥であるキジが、間もなく訪れる繁殖期のためにケーン、ケーンとかん高い鳴き声で求愛し始めるころです。

 

大寒の七十二候

一年で一番寒さが厳しい時期です。

でも、大寒を過ぎればその次は春で、暖かくなるまであとひと頑張りというときです。

この頃の旬の食べ物の筆頭はブリです。いわゆる寒ブリというやつです。

脂の乗ったブリは刺し身はもちろん、照り焼きやブリしゃぶにしても最高ですね。

 

 

款冬華(ふきのはなさく 1月20日)

寒さは厳しいですが草木はもう春の準備を始め、ふきの花が咲き始めるころです。

 

 

水沢腹堅(さわみずこおりつめる 1月25日)

流れている沢の水さえ厚く凍りつく頃。

一年のうちで一番寒いときです。

 

鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく 1月30日)

鶏は寒いときには産卵しないものですが、春の気配を感じて鶏小屋で卵を生み始めるときという意味です。

 

 

立春の七十二候

暦の上でこの日から春と言われるのが立春です。

まだまだ寒いんですが立春が冬と春の境目で、その前日がいわゆる節分ということになります。

このころの旬の食べ物といえばふきのとうです。

少しほろ苦い味は春を感じさせてくれますね。

 

東風解凍(はるかぜこおりをとく 2月4日)

吹く風も暖かくなり、春風が氷を解かし始める頃。

春の気配を徐々に感じられるようになります。

 

黄鶯睍睆(うぐいすなく 2月9日)

山里に春の訪れを知らせてくれる鶯が鳴き始める頃。

「ホーホケキョ」という鶯の鳴き声を聞くと、心もウキウキしてきますね。

 

 

魚上氷(うおこおりをいずる 2月14日)

暖かくなって凍っていた川や湖の氷が割れ、氷下にいた魚が飛び跳ねる頃。

魚も動きが活発になります。

 

雨水の七十二候

降るものが雪から雨に変わる頃で、山に積もった雪も解け始めます。

この頃に旬を迎える食べ物にはタラの芽やわかめやはまぐりがあります。

雨水の期間の終わりにあるひな祭りではまぐりのお吸い物は定番ですね。

 

土脉潤起(つちのしょううるおいおこる 2月19日)

春の雨が土を潤し、眠っていた動物たちも目を覚まし始める頃です。

 

霞始靆(かすみはじめてたなびく 2月24日)

春がすみがたなびき始める頃。

春に出る霧を霞(かすみ)と呼び、夜の霞を朧(おぼろ)と言います。

 

 

草木萠動(そうもくめばえいずる 3月1日)

日差しも暖かくなり草木が芽吹き始める頃で、新しい生命の息吹が感じられる頃です。

 

啓蟄の七十二候

啓蟄とは地中に潜んでいた虫が這い出てくる頃という意味です。

土の中から出てくるのは虫だけではありません。

たけのこや蕨(わらび)やゼンマイなどがこの頃の旬の食材になります。

 

蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく 3月6日)

地中で眠っていたのは虫だけではなく、すべての生き物が目覚め始めます。

 

桃始笑(ももはじめてさく 3月11日)

昔は花が咲くことを「花が笑う」という表現をしていました。

桃の花がこのころ咲き始めます。

 

 

菜虫化蝶(なむしちょうとなる 3月16日)

菜虫とは大根や白菜など冬が旬のとなる野菜が葉を伸ばし始めたときに、その葉につく虫のこと。

その菜虫がさなぎとなって厳しい冬を乗り越え、羽化して蝶となって羽ばたく頃という意味です。

 

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春分の七十二候

春分は夜の長さが短くなって、昼と夜の長さが同じになるとき。

暦の上ではなく実感として春を感じられる頃です。

この頃の旬の食べ物といえばつくしですね。というよりつくしはこの頃しか食べられません。

家の近所の川の土手にもたくさん生えます。

 

雀始巣(すずめはじめてすくう 3月21日)

雀が巣作りを始める頃。

冬の間にせっせと脂肪をため込んで太った雀が巣作りに精を出す頃です。

 

 

桜始開(さくらはじめてひらく 3月26日)

日本各地から桜の開花の便りが届き始める頃で、桜前線が徐々に北上してゆきます。

いよいよ本格的な春の到来です。

 

 

雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす 3月31日)

春雷が鳴りはじめる頃。

季節の変わり目で天候不順になりがちなときです。

 

清明の七十二候

万物が清らかで明るいオーラを発するとき。

いろんな花が咲き、蝶が生き生きと飛び回り、爽やかな風が吹く頃です。

このころに旬を迎える食べ物には新じゃがや初がつおなどがあります。

 

玄鳥至(つばめきたる 4月5日)

玄鳥(げんちょう)はツバメの別名です。

冬の間、暖かい南国で過ごしていたツバメが日本にやってくる頃です。

この頃になると体感的にも春の訪れを実感できます。

 

鴻雁北(こうがんかえる 4月10日)

ツバメとは逆に冬に日本で過ごした雁(かり)が北のシベリアへ帰って行く頃。

 

 

虹始見(にじはじめてあらわる 4月15日)

冬の間は乾燥していた空気が潤ってきて、この頃から虹がキレイに見え始めます。

 

 

穀雨の七十二候

天からの恵みである春の暖かい雨が降り注ぎ、農作物の種を蒔き始める頃です。

この頃の旬の食べ物にはサザエやヤリイカなどがあります。

また、穀雨の期間中に八十八夜があり、そのころに一番茶の茶摘みが行われます。

 

葭始生(あしはじめてしょうず 4月20日)

葭(あし)は葦(よし)のことです。

「あし」という発音が「悪し」に通づるため、「よし」と言い換えたわけです。

水辺の葭が芽を出す頃という意味です。

 

霜止出苗(しもやみてなえいずる 4月25日)

遅霜の心配もなくなり、苗代で稲の苗が育つ頃。

田植えももうすぐです。

 

 

牡丹華(ぼたんはなさく 5月1日)

「百花の王」と言われている牡丹の花が咲く頃。

この頃に咲く牡丹は「春牡丹」で一番ポピュラーな品種です。

 

 

立夏の七十二候

暦の上ではもう夏です。

一年のうちで一番清々しい時期ではないでしょうか。

この頃の旬の食べ物といえば人参やアスパラガスなどがありますが、魚ではカツオがあります。

いわゆる初ガツオというやつです。江戸時代はとても高価な魚だったそうですよ。

 

蛙始鳴(かわずはじめてなく 5月6日)

冬眠から目覚めたオスの蛙がメスを求めて鳴き始める頃。

間もなく大合唱が始まります。

 

 

蚯蚓出(みみずいづる 5月11日)

冬眠していたミミズが土の中から出てくる頃。

ミミズは他の虫たちより冬眠から覚めるのが遅いようです。

 

竹笋生(たけのこしょうず 5月16日)

たけのこが土の中から顔を出す頃。

たけのこは地域や品種によって2月から5月頃まで出回ります。

 

 

小満の七十二候

陽気が良くなって生命力が満ちあふれ、草木が生い茂るときです。

秋から冬に植えた麦(秋麦)の収穫時期で、少し満足するという意味もあります。

秋麦はこの頃の旬の食べ物ですが、今は麦なんて食べる人はいないですよね。

他にもらっきょうやメロンが旬を迎えます。

 

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ 5月21日)

蚕が桑の葉を食べて成長する頃。

かって養蚕は日本の重要な産業でしたが、今では養蚕農家の数も数えるほどになってしまいました。

 

紅花栄(べにばなさかう 5月26日)

紅花の花が咲き誇る頃。

紅花は染料や油の原料になり、生活に溶け込んでいます。

紅花から取った油が紅花油、サフラワー油と呼ばれているものです。

 

 

麦秋至(むぎのときいたる 6月1日)

麦が収穫を迎え始めるとき。

麦にとってはこの時期が「収穫の秋」となります。

 

芒種(ぼうしゅ)の七十二候

稲の種まきをする頃です。

私の住んでいる地域では今はゴールデンウイークころに田植えを始めますので、種まきはもっと前に行っています。

昔は6月に入ってから種まきをしていたんですね。

この頃は梅雨入りの時期で、梅という漢字が充てられているように梅が旬を迎える頃です。

我が家も梅の実が毎年たくさん取れるので、梅干しやワイン漬けにしています。

そのほかに冬春トマトも旬になります。

 

蟷螂生(かまきりしょうず 6月6日)

かまきりが卵から孵化する頃。

小枝や草に産み付けられた卵からうじゃうじゃと生まれるかまきりの子供からは、たくましい生命力を感じますね。

 

 

腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる 6月11日)

ホタルが草の中から出て光りながら飛び回り始める頃。

昔は腐った草がホタルになると考えられていました。

 

 

梅子黄(うめのみきばむ 6月16日)

青い梅の実が次第に黄色みを帯びてきます。

そののち、徐々に赤く熟して収穫時期を迎えます。

 

 

夏至の七十二候

一年で一番昼が長くなるのが夏至です。

気温も上がっていよいよ夏の到来を思わせる時期で、このころ初物となる食べ物には鮎やオクラがありますね。

半夏生にはタコを食べるという風習があるところもあります。

 

乃東枯(なつかれくさかるる 6月22日)

ここで言う「なつくさ」は夏枯草(かごそう)のことで、一般的には「うつぼぐさ」と呼ばれている薬草にもなる多年草です。

これから草花が生い茂るときなのに、うつぼぐさは枯れてしまうという日本人の「わび・さび」をよく表した表現です。

 

 

菖蒲華(あやめはなさく 6月27日)

あやめの花が咲く頃という意味です。

あやめに似た花に花菖蒲とかきつばたがありますが、あやめは花弁の元に網目状の模様があるのが特徴です。

 

 

 

半夏生(はんげしょうず 7月2日)

半夏(はんげ)とはカラスビシャクという植物の別名で、半夏が生え始めたら田植えを終わらせる頃だという目安になっていました。

関西地方では、半夏生のときにタコを食べるという風習があります。

(参考:半夏生2018年はいつ?タコを食べる理由とは?

 

 

小暑の七十二候

梅雨もそろそろ開け、本格的な暑さを迎える少し前の時期です。

このころの食べ物といえば、何と言っても鰻ですね。

土用の丑の日に鰻を食べる風習は日本中に根付いていますが、値段が高くなってしまったのが残念です。

 

温風至(あつかぜいたる 7月7日)

温風(あつかぜ)とは梅雨明けの頃に吹く暖かい南風のことで、「白南風(しろはえ)」とも呼ばれています。

梅雨の間に吹く南風を「黒南風(くろはえ)」といって区別しています。

 

蓮始開(はすはじめてひらく 7月13日)

蓮の花が咲き始める頃。

弘法大師・空海が蓮の花を見て「自分の中に全てが備わっている」ことに気づくことが大切だと説きました。

蓮は仏教では極楽浄土の象徴とされていますが、そんな蓮も咲いて4日めには散ってしまいます。

 

 

鷹乃学習(たかすなわちわざをなす 7月18日)

5~6月に卵から孵化した鷹の子供が飛び方や獲物の捕り方を覚え、巣立ちの準備をする頃。

今では見ることも少なくなってしまった鷹ですが、昔は多くの鷹の姿を見ることができたのでしょう。

 

 

大暑の七十二候

一年で最も暑さが厳しくなる頃。

花火大会や肝試しなど夏の風物詩がいっぱいで、暑いのが好きな人にはたまらない時期です。

暑いときでも食欲をそそる天ぷらを食べて夏バテを乗り切りましょう、ということで大暑の日は天ぷらの日になっています。

桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ 7月23日)

薄紫のきれいな桐の花が実を結び始める頃。

桐はたんすや下駄などに使われ、高級品のイメージがありますね。

 

 

 

土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし 7月28日)

土がじっとりと湿って蒸し暑くなる頃。

湿度が高くなって、まとわりつくようないや~な暑さがやってきます。

 

大雨時行(たいうときどきにふる 8月2日)

ときどき大雨が降る頃。

モクモクと湧いた入道雲から激しい夕立が発生します。

今で言うゲリラ豪雨というものでしょうか。

 

 

立秋の七十二候

まだまだ暑いものの秋の気配も感じられます。

お盆を過ぎると海にはクラゲが増え、土用波も押し寄せて来るため海水浴の季節も終わります。

このころに旬を迎える食べ物には梨や桃、とうもろこしなどがありますね。

 

 

涼風至(すずかぜいたる 8月8日)

夏の熱い風から秋の涼しい風に替わっていくころ。

たまに吹く涼しい風に秋の訪れを感じられます。

 

寒蝉鳴(ひぐらしなく 8月13日)

ヒグラシが鳴き始める頃。

夕方になると聞こえてくるカナカナカナという声は、行く夏を惜しんでいるようで、何となくセンチメンタルな気分になりますね。

 

 

蒙霧升降(ふかききりまとう 8月18日)

湖面や川面に白い霧が立ち込める頃。

朝夕はだいぶ涼しくなって、ひんやりとした空気が霧をつくります。

 

 

処暑の七十二候

厳しかった暑さもようやく峠を超え、朝夕の涼しさを実感できる頃。

「処」とは「一定のところにとどまっている」という意味で、暑さもここまでということです。

しかし、台風がやって来始めるときでもあります。

この頃に旬を迎える食べ物には、イワシや葡萄、梨などがあります。

 

 

綿柎開(わたのはなしべひらく 8月23日)

「はなしべ」とは花の「がく」のことで、はなしべが開くと中からふわふわとした綿毛が出てきます。

 

 

天地始粛(てんちはじめてさむし 8月28日)

天地の暑さがようやく収まる頃。

とは言え、日中はまだ夏の暑さの勢いが残ったままです。

 

禾乃登(こくものすなわちみのる 9月3日)

「こくもの」とは稲穂が実って頭を垂れたところを表した象形文字です。

5月に植えた苗がすくすく育ち、稲刈りももうすぐです。

 

 

白露の七十二候

白露とは、夜の間に冷えた大気中の水蒸気が露となって地上の草木につき白く見えることです。

朝になってあたり一面が濡れているのを見ると、だんだんと深くなる秋の気配を感じます。

この頃の旬の食べ物といえば秋刀魚(さんま)が思い浮かびますね。

目黒のさんま祭りもこの頃に行われ、毎年数千匹のさんまが振る舞われます。

 

 

草露白(くさのつゆしろし 9月8日)

草の上に降りた露が白く見える頃。

夏から秋へと涼しさが一層感じられます。

 

鶺鴒鳴(せきれいなく 9月13日)

セキレイが鳴き始める頃。

セキレイは水のきれいな川のほとりでよく見かけることができます。

 

 

玄鳥去(つばめさる 9月18日)

春に日本に渡って来て子育てを終えたツバメが、暖かい南の地域に帰って行く頃。

春には単独で飛んできたツバメも、帰るときは子どもと一緒です。

 

 

秋分の七十二候

春分とは逆に昼の長さがだんだんと短くなって、夜の長さと同じになるのが秋分です。

朝夕はずいぶんと涼しくなってきます。

この頃の旬の食べ物には松茸やサバなどがあります。

 

 

雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ 9月23日)

春に鳴り始め、夏に鳴り響いた雷が収まる頃。

9月23日は秋分の日。

この日を中日として前後3日間が秋のお彼岸です。

空の雲も秋の気配が色濃くなってきます。

 

 

蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ 9月28日)

地上で活動していた虫たちが土の中に入り、冬を超す準備をする頃。

虫たちは次の春が来るまで土の中でじっと待ち、啓蟄の頃に地上に姿を現します。

 

水始涸(みずはじめてかる 10月3日)

田んぼの水を抜いて、稲刈りの準備をする頃。

今は早くなっていますが、昔は10月に入ってから稲刈りをしていました。

 

 

寒露の七十二候

朝晩の冷え込みが強くなり、夜のうちに降りた露が冷たく感じられるときです。

空気が澄んで秋晴れの日も多くなり、夜空の星や月もきれいに見えます。

この頃の旬のものとして新米が出回り始めます。

同じく旬の栗を入れた炊いた栗ご飯はこのときだけのごちそうです。

 

 

鴻雁来(こうがんきたる 10月8日)

南に帰っていったツバメと入れ違いに、北のほうから雁がやって来る頃。

 

 

 

菊花開(きくのはなひらく 10月14日)

菊の花が咲き始める頃。

日本各地で菊花展が開催され、菊の品評会や菊人形の披露などが行われます。

 

 

蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり 10月19日)

キリギリスが戸口で鳴く頃。

蟋蟀(きりぎりす)はコオロギだとする説もあります。

いずれにしても夜の窓の外では虫たちの大合唱が始まります。

 

霜降(そうこう)の七十二候

朝晩の冷え込みもさらに強くなり、北国や標高の高いところには雪も降り始めます。

露から霜に変わり、本格的な冬もすぐそこまで来ています。

この頃の旬の食べ物には鮭があります。

産卵のために川に戻ってきた鮭は秋味と呼ばれ、焼き鮭はもちろんホイル焼きや刺し身、寿司ネタなどに重宝されます。

 

 

霜始降(しもはじめてふる 10月24日)

霜が降り始める頃。

農作物には霜よけを施さなければなりません。

 

 

霎時施(こさめときどきふる 10月29日)

ときどき小雨が降る頃。

一雨ごとに気温が下がり、季節は確実に冬に向かっていきます。

 

 

楓蔦黄(もみじつたきばむ 11月3日)

楓(かえで)や蔦の葉が色づいて来る頃。

紅葉狩りの季節がやってきました。

 

 

立冬の七十二候

暦の上では立冬からが冬の始まりです。

北の地方からは初雪の知らせも届き始めます。

ぽかぽかと暖かい小春日和という気候はこのころのものです。

このころの旬のものには、海のミルクと言われている牡蠣、体に良い果物のリンゴ、食物繊維豊富なレンコンなどがあります。

 

 

山茶始開(つばきはじめてひらく 11月8日)

「つばき」と読んでいますが、山茶花(さざんか)のことです。

色彩の少ない冬の景色のなか、山茶花の赤い花は存在を主張するように咲き誇ります。

 

 

地始凍(ちはじめてこおる  11月13日)

一段と冷気が強くなって地表も冷え、霜柱ができ始める頃です。

窓にも結露ができるほど外は寒くなる時期です。

 

 

金盞香(きんせんかさく 11月18日)

水仙の花が咲き始める頃。

金盞とは金の盃のことで、水仙の黄色い花弁を金の盃に見立てています。

 

 

小雪の七十二候

小雪(しょうせつ)とはその名の通りに、雪が振り始める頃です。

積もるほどの雪ではないので「小雪」となったようです。

この頃の旬のものには蟹や白菜があり、カニ鍋の季節が始まります。

 

 

虹蔵不見(にじかくれてみえず 11月22日)

日差しが弱まり、虹を見ることもあまりなくなります。

たまに見えても夏のようにはっきりとした虹ではなくて、ぼんやりとしていてすぐに消えてしまいます。

 

 

朔風払葉(きたかぜこのはをはらう 11月27日)

北風が木々の葉っぱを吹き飛ばす頃。

朔風(さくふう)とは北風のことで、葉っぱがなくなった木々がいっそう寒さを感じさせます。

 

 

橘始黄(たちばなはじめてきばむ 12月2日)

橘が黄色く色づいて来る頃。

橘とは食用の柑橘(かんきつ)類のことで、常緑樹であることから永遠の象徴とされ、その実は不老不死の薬と言われていました。

 

 

大雪の七十二候

いよいよ本格的な冬の季節です。

山々は雪化粧をし、中部以北では平地でも雪が降り積もります。

この頃に旬を迎える食べ物には、白菜や大根やぶりなどがあります。

白菜や大根は鍋物には欠かせない食材ですし、ぶり大根はこの時期ならではのご馳走ですね。

 

 

閉塞成冬(そらさむくふゆとなる 12月7日)

空は厚くて重い雲に覆われ、本格的な冬の到来を感じさせられます。

 

熊蟄穴(くまあなにこもる 12月12日)

熊が冬眠のために穴にこもる頃。

春まで何も食べずに活動と休止するため、秋にたっぷり食いだめをします。

熊のほかにもカエルやヘビなども冬眠しますが、冬眠に入るのが少し早いような気がします。

 

 

鱖魚群(さけのうおむらがる 12月17日)

川で生まれた鮭は3月から4月頃にかけて降海し、産卵のために再び生まれ故郷の川に戻ってきます。

北国の川では冬の代表的な光景で、熊はその鮭を狙って川に入ります。

 

 

冬至の七十二候

昼の長さが段々と短くなって一年で一番短くなるのが冬至です。

2019年の冬至は12月22日ですが、次の二十四節気である小寒の前日までの期間を言うこともあります。

この頃に食べるのは何と言ってもかぼちゃですね。

冬至には「運(ん)がつく」ということから、昔かられんこんやみかんが食べられてきました。

かぼしゃは「南瓜(なんきん)」とも呼ばれ、こちらも「運(ん)」がつきます。

 

 

乃東生(なつかれくさしょうず 12月22日)

夏至の七十二候にも登場した「乃東枯(なつかれくさかるる)」に対応して逆に、「生(しょうず)」となっています。

乃東とはうつぼぐさのことで、この草以外のほとんどは枯れていきます。

 

 

麋角解(おおしかのつのおつる 12月27日)

麋とは大きい鹿のことです。

その麋の角が落ちる頃で、古くなった角を落とし、来春にはまた新しい角が生えてきます。

 

 

雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる 1月1日)

降り積もった雪の下で麦が芽を出す頃。

寒さの中でも新しい生命の芽吹きが始まり、春が来るのをじっと待っています。

 

 

終わりに

2019年の七十二候やその意味をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

二十四節気も七十二候も中国から伝わって来たものなんですけど、二十四節気は日本の風土に合わないということで、二十四節気はそのままにして日本独自の雑節という暦が生まれました。

一方、七十二候は日本に入ってきてから何度か変更されています。

それにしても七十二候の読み方は難しいですし、季節感が今とちょっと違うところもあります。

でも、忙しい毎日を送りながらも、こういった二十四節気や七十二候のことに思いを馳せる心の余裕も持ちたいものですね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。