日本の国技である大相撲。

その大相撲の結びの一番が終わった後に弓取り式が行われますよね。

小さい頃から見てきたので「そういうものだ」と思っていましたが、よく考えてみると勝負に関係ない弓取り式はなんか不自然にも感じます。

弓取り式ってどうして行われるようになったのでしょうか。

今回は、そんなところについて解説します。

 

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弓取り式の由来

相撲の歴史はとても古く、古事記や日本書紀にもそれらしき力比べのことが出てきます。

今のように相撲を職業とする人たちが現れてからでもすでに200年以上が経ちます。

これだけ長い歴史がある相撲のなかで、弓取り式の由来と言っても「よく分からない」というのが正直なところですが、ここでは二つの説をご紹介します。

織田信長起源説

江戸時代に刊行された「古今相撲大全」によると、織田信長が元亀元年に催した相撲大会で一番強かった力士に弓を与えたとあるようで、これが一番古い記述で起源とされています。

しかし、織田信長の一代記である「信長公記(しんちょうこうき」にはそのようなことは書かれてなく、織田信長と弓取り式を関係づけるのはちょっと無理があるようです。

徳川家斉起源説

第11代将軍の徳川家斉の上覧試合のとき、当時の最高位であった大関・谷風梶之助が弓を受けて敬い捧げ振り回したと「相撲御覧之記」に書かれていて、これが弓取り式の起源だとされています。

現在はこの説が有力だと考えられていて、この上覧試合が行われたのが寛政三年(1791年)なので、もう200年以上も前のことになります。

 

それにしても、どうして弓取り式をしなければいけないのか不思議ですが、なかったとしたらちょっと味気ないものになってしまうような気もします。

 

 

重厚な雰囲気でカッコいいですね。

 

弓取り式をする力士の給料は?

弓取り式を行う力士には1場所当たり9万円の手当が支給されます(年6回)。(2017年現在)

 

弓取り式を行う力士は、横綱と同じ部屋の幕下以下の力士から選ばれます。

大相撲の力士は、十両以上でないと月給は支給されず、幕下以下の力士は年6回の場所手当しか支給されません。

場所手当の額

  • 幕下: 150,000円
  • 三段目:100,000円
  • 序二段: 80,000円
  • 序の口: 70,000円

幕下以下の力士は成績によらずに決まって入ってくるお金はこれだけしかありません。

(参考:相撲取りの給料がすごい!十両なら年収一千万円超

幕下以下の力士は、食事と住むところは所属している部屋が面倒をみてくれますが、場所手当のほかに入ってくる9万円は大きいですね。

 

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弓取り式をする力士はどうやって決める?

弓取り式をする力士は最高位の力士(東の正横綱)が所属する部屋・または一門の部屋の幕下以下の力士が務めることになっています。

横綱が不在の場所は東の正大関の所属する一門の部屋の力士が努めます。

十両に昇進してしまうとお役御免になってしまうので、幕下以下でも早い昇進が見込まれる力士は選ばれにくい傾向にあります。

また、大銀杏を結わなくてはいけないので、入門したての若い力士も大銀杏を結えないので務めることはできません。

 

実は、弓取り式は本来は結びの一番に買った力士が行うのが本筋で、弓取り式を行う力士を別段に用意するという決まりはありません。

上の動画でも、行事さんが「日馬富士代(だい)、聡ノ富士」と弓取り式を行う力士を呼び上げています。

これは、「(勝った)日馬富士に代わって聡ノ富士が行う」ということを言っているわけです。

今の相撲では勝った力士は必ず「勝利者インタビュー」を受けなければいけないので、弓取り式はやっていられません。

そんなわけで代わりの力士が弓取り式を行っているんです。

 

出世した力士はいる?

弓取り式を経験した力士は出世できないと言われてます。

確かに弓取り式を行った力士がその後関取(十両以上)になって、よく名前を聞くようになったってことはあまりありませんよね。

これは、上に書いたように十両の力士は弓取り式ができないので、十両昇進の可能性がある力士が選ばれることがほとんどないため、もっともなことと思われます。

でも、なかには例外もいて横綱・千代の富士が所属した九重部屋の巴富士は弓取りを経験したのち、19歳で十両に昇進し、その後も小結まで番付を上げました。(小結としての取り組みは一番だけでしたが。)

また、高砂部屋の皇牙(おうが)も弓取り式を努めた後、十両に昇進しました。

(皇牙は例外的に十両に上がったあとも弓取り式を努めたこともあります。)

 

最後に

かっては弓取り式は千秋楽の一日しか行われていませんでした。

それが昭和27年の5月場所から結びの一番のあと、ファンサービスのために毎日行われるようになりました。

日本でテレビ放送が開始されたのが翌年の2月からですから、それを見据えた毎日開催だったのかもしれませんね。

現在は本割が終わって放映時間に余裕があるときには弓取り式も放送されます。

 

一日の相撲は結びの勝負がついたら終わり?

いえいえ、弓取り式が終わったら終了です。

弓取り式を担う力士にとっては晴れの舞台です。

勇姿をしっかりと見てあげましょう。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。