テレビや新聞のニュースで刑事事件が取り上げられない日はまずないですね。

刑事事件は年々減少しているとは言え、それでも幼児の虐待や親族殺人など悲惨な事件が後を絶ちません。

ところで、刑事事件のニュースを見ていると「検察側は被告に禁固3年を求刑しました」とか、「懲役15年を求刑しました」とか求刑に関するアナウンスが必ずあります。

この禁固と懲役って何が違うんでしょうか?

懲役刑というのは刑務所の中で働かなくてはいけない刑、ということは分かるんですが、禁固刑というのは40年以上前に見た映画のパピヨンの中で、主人公が入れられた暗い独房をイメージしてしまい、懲役刑より辛い刑という印象がします。

刑罰として言い渡されるのは懲役刑のほうが多いようですが、禁固刑と懲役刑は何が違うんでしょう?

そして、禁固刑とされる判断の基準は何なのでしょう?

今回はそんなところを調べてみました。

 

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禁固刑と懲役刑の違い

禁固刑も懲役刑も日本の刑法では自由刑に分類されます。

刑に「自由」がついていると、私なんか刑務所の中で自由にしていいのか?と思ってしまいますが、当然ながらそうではありません。

自由刑というのは、「受刑者の自由が大幅に制限される刑」という意味で、それなら自由制限刑としたほうが良さそうですね。

自由刑にはほかに拘留があります。(逃亡防止のために身柄を拘束する勾留とは違います。)

 

懲役刑とは?

懲役刑は刑事施設(刑務所)内で金属製品製作や木材加工、靴の製作や施設内の炊事や洗濯などの刑務作業が課される刑罰で、受刑者の社会復帰に向けての厚生プログラムという一面もあります。

給料も支給されますが、時給何十円という世界です。

刑期には有期のものと無期のものがあり、有期刑は30日以上20年以下ですが、加重する場合には30年まで、軽減する場合には30日未満に下げることができます。

服役中、改悛の情があると認められたものには仮釈放が認められることがあります。

 

 

 

禁固刑とは?

禁固刑は懲役刑と同じように刑事施設に収監されますが、刑務作業が免除されている刑罰で、刑期と仮釈放があることは懲役刑と同じです。

 

こうして見てみると禁固刑は刑務作業がないだけ懲役刑より楽、と言えそうですが、禁固刑の場合には独居で受刑することとなり、誰とも交流することができず基本は一日中正座か胡座で座ったままで、運動するときも一人です。

テレビも見られるそうですが、好きなチャンネルを選ぶことはできません。

短い期間ならそれでもいいでしょうが、長い間刑務官以外とは接触せず、何もすることがないという状況に置かれたら退屈で息が詰まってしまいます。

よほど読書が好きか、何かの資格を取るために勉強をするという人以外は耐えられないでしょうね。

そんな退屈な禁固生活なので、願い出ることによって刑務作業を行うことが出来るようになっていて(請願作業)、多くの受刑者がこの請願作業を願い出るそうです。

 

刑法上も刑罰の重さからいえば、禁固刑のほうが懲役刑より軽いとされていますが、刑期が長期間に及べばそうとも言えないと思いますね。

 

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禁固刑が課されるのはどんなとき?

刑法上は懲役刑より禁固刑のほうが軽いとされていて、禁固刑が言い渡されるのは政治犯や過失による犯罪だと言われています。

政治犯はクーデターを起こした首謀者などで、危険な思想を持った犯罪者を他の受刑者と一緒にしておいたらマズいですよね。

選挙違反も政治犯なのですが、刑期が短いことから禁固刑になることがあります。

 

過失による犯罪の代表的なものは、交通事故で被害者に重大な後遺症を負わせてしまったり、死亡させてしまったときです。

最近でも携帯電話を操作しながら車を運転していて子供をはねて死亡させてしまった裁判で、検察側が禁固刑を求刑していました。

 

 

禁固刑の判決は減っている

刑法に禁固刑が設定されている犯罪はたくさんありますが、多くの場合には懲役刑も選択できるようになっていて、どんな判決を言い渡すかは裁判官の判断に任せられています。

(例:自動車運転過失致死傷罪 7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金)

果たして禁固刑は懲役刑よりも軽いのかという点と、禁固刑を言い渡された受刑者のほとんどが請願作業を申し出ているという事実があることを踏まえて最初から懲役刑でいいという風潮が高まっているためか、懲役刑の判決がでるケースが増え、禁固刑の判決が出されるケースは減ってきています。

禁固刑の存続を続けるなら、請願作業は認めないとするほうがいいのではと思いますがどうなんでしょう?

 

終わりに

これからテレビの刑事事件裁判のニュースで禁固刑が求刑されたら、政治犯でなければ「これは過失による事件なんだな」と思えばいいということが分かりました。

そして、禁固刑は懲役刑よりも刑罰としては軽いということも。

禁固刑は刑務作業の有る無しを選べるということなんですから、選択の幅が広いということを考えればなるほどと思います。

でもどちらにせよ、当事者にだけはなりたくないですね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。